人生を豊かに幸せに生きていくために、言葉を大切にしてワードセンスを磨いていきたいものだ。
ワードセンスとは、言葉のセンスであり、言葉のキレの良さ、言葉のセレクトで評価を受けるものだ。短い言葉で面白いことを言ってお互いに盛り上がったり、サービスしあったりする気の利いたワードのことだ。ワードセンスは、語彙力と似ているが、ライブ感があり現代の空気を吸って出てくる生きのいい感覚がある。
雑談でもSNSでも、会話のなかでちょっとした一言で相手の印象が大きく変わるものだ。
ワードセンスを磨くための心構えや人と差をつけるワードセンスの小技などを紹介していたのでぜひとも参考にしたいと思った。
32P ワードセンスを磨くメリット
1 人生が楽しくなる
2 自分のコミュニケーション能力が磨かれる
3 面白いことが言えるので場が盛り上がる
4 みんなの共感が得られる
5 言葉の選択を間違えないので、パワハラ、セクハラにまきこまれないですむ
6 言葉を選ぶ作業を通じて本質をつかむ力が磨かれる
109P ワードセンスの小技
1 「力」をつけると否定語も肯定語になる「老人力、鈍感力」
2 「学」をつけるとアカデミックなイメージになる「思考の整理学、路上観察学」
3 文章の最後に「感」をつけると表現力や厚みが増す
4 「的な」は応用範囲が広いので便利「~みたいな」
5 「悪魔の」はすごさが強調できる「悪魔の辞典」
6 あえて「そして」をつけて余韻効果をねらう「そして僕は途方に暮れる」
7 誰でも知っている言葉をくっつけてひとつのワードをつくる「勝手にシンドバッド」
8 命令形で始めると強い印象になる「くたばれ 正論」
9 主語と述語の順序を反対にすると印象が強まる、「飾りじゃないのよ涙は」
10 わざと文語体にすると面白い「セクハラ―色強制、タイタニックー屋形船大谷丸」
11 定型文を覚えておいてあてはめると便利「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」
12 リズミカルに繰り返すと親しみやすい「前前前世」
13 ミドルネームや号をつけておしゃれにする「夏目金之助―夏目漱石」
14 擬音語、擬態語をつけると差別化できる「クラムボンはかぷかぷわらったよ」
15 日本後の単語をあえて外国語に置き換えるとマイルドになる「ソーシャルディスタンスで」
16 人の気を惹くひと言を入れる「人生がときめく片づけの魔法」
17 対立する概念をあえて並列して驚きを呼ぶ「まず~い、もう一杯」
18 元の言葉をアレンジして新しい言葉をつくる「称賛転嫁」
19 新たな慣用句を自分でつくっていまう「三半規管の悪あがき」
<目次>
はじめに なぜ今、「ワードセンス」なのか
第1章 「ワードセンス」の効用を知ろう
第2章 「ワードセンス」を磨くための心構え
第3章 「ワードセンス」の磨き方~練習編
第4章 「ワードセンス」の小技
第5章 シーン別「ワードセンス」のある切り返し方
第6章 文学作品にみる高度な「ワードセンス」
おわりに 日本は言霊の幸わう国
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法。『声に出して読みたい日本語』(草思社)がシリーズ260万部のベストセラーに。NHK Eテレ「にほ