【No1406】「毒と薬」のことが一冊でまるごとわかる 齋藤勝裕 ベレ出版(2022/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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「毒と薬は匙加減」

毒の多くは少量を注意深く使えばかけがえのない薬ともなります。翻って薬を大量に使えば毒になります。

毒物や薬物は自然界に存在する植物系、動物系、鉱物系のほか化学合成系もあります。

具体的には、アスピリン、サルファ剤、ワクチンや抗生物質、mRNAワクチンです。

キノコは5千種類ほどあり、その3分の1は毒があります。ニガクリタケやスギヒラタケ、ヒトヨタケなど毒キノコかどうかの判別はプロでも難しいそうです、素人は勝手に取って食べない方がよいです。

秋に紫色の美しい兜に似ている花が咲くトリカブトには最強の毒があるのは有名です。ヒガンバナ(曼珠沙華)にも毒があり、あの清楚で可憐なスズランにも毒があるのには驚きました。

さらに、哺乳類や鳥類にも毒を持つ者があります。鳥のようなくちばしを持つカマモノハシ、トガリネズミ、スローロリスです。エサを取るために必要なのです。

最後に、中国の古典に「チン」という猛毒を持つ鳥がいたと書かれています。ニューギニアでは、1990年にモズの種類で毒を持つ鳥が発見されたと記録がありました。

 

植物、動物、鉱物等の多くの天然物に含まれる毒成分を明らかにし、毒物がどのような作用によって人の健康を害し命を縮めるか、また薬として利用されることはあるのか、あるとしたらどのような効用があるのかも解説しています。門外漢にも分かりやすく記述されており毒と薬の豆知識が得られる面白い本でした。

 

(神経伝達を阻害するのは同じだが正反対の動きをするため、フグ毒のテトラドトキシンとトリカブト毒のアコニチンの組み合わせによって時間差殺人が可能となる!?)

 

 

 <目次>

はじめに 毒と薬は使いよう!

第1章 毒と薬はどう違うのか?

第2章 毒か薬か、それが問題だ!

第3章 毒は如何にして人を殺すのか?

第4章 植物・菌類のもつ毒性と薬性

第5章 動物のもつ毒性と薬性

第6章 化学物質のもつ毒性と薬性

第7章 麻薬・覚せい剤の毒性とはどのようなものか

第8章 天然物から生まれた医薬品

第9章 化学合成薬は人為的に作られた医薬品

第10章 ヒトを救う「未来の医薬品」の候補たち

索引

 

1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。著書は200冊以上