【No1174】棘の家 中山七里 KADOKAWA(2022/05) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

正義を語るようにしてSNSで日頃の鬱憤晴らしをする品格のない行動をする人たち。

心身に刺さった棘を取り除くため、悪意を持って弱きものを妬む人たち。

どちらになるか、どちらにもならないか。

 

主人公の穂刈慎一は、クラスで起こるいじめに目を反らすような事なかれ主義の中学の教師。

その小学生の娘、由佳が校舎から飛び降り自殺を図った。

花壇に落ちたためクッションとなり幸いにして命は助かったが、動機は小学校の教室内でのいじめであった。

加害者への復讐を誓う妻の里美と、穂刈を責める息子の駿。家庭は崩壊寸前だった。

そんな中、加害者の女児、大輪彩が何者かに殺された。

 

いじめを発端とする学校の在り方、姿勢。被害者側と加害者側からの心理的作用の行方。マスコミに翻弄される関係者たちの動向などが見えた機会となった。

自分たちのすぐそばにある現実の恐怖の連続に驚愕した。

どんでん返しの帝王、中山七里さんらしく大輪彩を殺したのは、ぼくにとっては意外な人物だった。

 

 <目次>

一 穏やかな翠

二 棘のある葉

三 毒を持つ嚢

四 不穏の茎

五 そして根は残る

 

1961年、岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、翌10年にデビュー。緻密に練り上げられたストーリーと意外性のあるラストで人気を博し「どんでん返しの帝王」の異名を持つ