論語の解説と言えば、齋藤孝さんがまっさきに思い浮かびます。
以前から10代から40、50代など年代別にそれぞれ見合った論語のことばを取りあげて解説されています。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し、義を見てせざるは勇無きなり、信なくんば立たず、過てば則ち改むるに憚ること勿かれ、巧言令色鮮し仁、仁者は憂えず、朋有、遠方より来る、故きを温ねて新しきを知る」など論語由来のことばが現代にたくさん引き継がれています。
論語は、普段の生活に深く溶け込んで使われています。
勉強や人間関係、仕事の悩みなどあらゆる悩める人にとって心強い支えになります。
時代が変遷しても、孔子のことばは、我々の生き方に役立つヒントが満ち溢れています。
今回の齋藤さんが意訳されたことばのなかから、なにか大切なものに気づいて、これから将来の自分の生き方に活用していきたいものです。
・人として当然すべきことをしない傍観者的な態度は勇気がない(人として当然なすべきことをなすことが大切だ)-できない理由の99%は、やろうとしないだけだ。
・過ちをしても改めない、これを本当の過ちという。-失敗よりもその対処で人生は決まる。
・君子は事の責任・原因を自分に求めるが、小人は他人に求め、責任を転嫁する。-失敗の責任は自分で負い他人に押しつけるな。
・社会的地位がないことを嘆くよりも、そうした地位に立つために必要なことが自分に欠けていることを反省すべきだ。自分を評価してくれる人がいないことを嘆くよりも、認められるだけのことをしようと努力すべきだ。-不遇を嘆くより努力不足を反省せよ。
・言論がもっともだというだけで評価していたのでは、その人が本当に心と口が一致している君子なのか。口だけの人間なのかはわからない。-言葉だけで判断しない。行動を見て決める。
・君子は発言が良いからといってその人物を抜擢せず、また人物がすぐれなかったり身分が低かったりしても、その発言を無視したりはしない(君子は、人と言を混同しない)-誰が言ったかではなく、何を言ったかで評価する。
・世の多くが人が悪く言う時も必ず自分で調べ考える。世の多くの人が良く言う時も必ず自分で調べ考える。大事なのはみんながどう思うかではなく、自分がどう思うかです。―みんなとはだれか。自分で考え自分で決めろ。
・異論や異見があってこそ、組織は健全に進める。-組織をダメにするのは簡単。異論を封じればいい。
・人として、遠くまで見通す配慮がないようでは、きっと身近な心配事が起こる-現状維持は衰退の別名である。
・もし自分の身を正しくさえすれば、政を行ない国を治めるのは難しくない。逆に、身を正しくすることができないようなら、人を正しくすることなどできるはずもない。-言葉で示すよりも行動で示しなさい。
<目次>
まえがき
第1章 「学問」の教え―成功よりも成長を目的に生きよ
第2章 「道徳」の教え―恥ずかしい人間にだけはなるな
第3章 「大成」の教え―いかにして失敗から学ぶか
第4章 「人間関係」の教え―人格は行動に表れる
第5章 「リーダー」の教え―背中で示し、言葉で伝える
第6章 「人生」の教え―抱いた大志に生涯をかけよ
参考文献
1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業後、同大学院教育学研究科博士課程等を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞。日本語ブームをつくった『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。NHKEテレ「にほんごであそぼ」総合指導。
