社内不倫がバレ大阪から東京に移動になった女子アナウンサー。娘に無視され同期は早期退職こんな中で苦悩している報道デスク。好きな人がゲイなので希望もないのにシェアハウスしているタイムキーパーの女性、野心がなく30代非正規の現実に悩んでいる男性ADなど、春、夏、秋、冬の4つの連作短編集。
大阪のテレビ局で働く人々の物語で、世代も性別もバラバラな4人が繰り広げる人生いろいろだった。
「人づきあいは疲れる」には、とっても共感します。
気を遣うと心が疲れます。
世の中はひとりだけでは決して生きていけない。
けれども、読書などひとりだけで過ごせる自由な時間を大切にしていきたいと思う。
読書会など誰かと過ごす時間は、仕事以外、できるだけ気の置けない相手を選ぶことにして。誘われたからではなく、自分で取捨選択することで。
断る勇気を持つことを。時間は有限だから。
総じて生き易い生き方をしていきたいなと。
いつも頭の隅にあるのは、
楽しい時こそ「party is over」。
いつかそのときは終わりが来る。
それを寂しいというか怖いというか怖れというか。
人生の三分の二か9割かどうかわからないが、辛いとか苦しいとか、いやだとかということが多いようだ。
でもその残りのときに、それを待ち望んで楽しみにしているときやまさに体験しているときに有意義に過ごすことができれば、まあそれでいいんじゃないの。
(第三者の自分がいてそう感じているのを俯瞰して見ているのを発見してみました)
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まりえに限らず、人と会う予定の日は楽しみな反面憂鬱になった。面倒、気詰まり、そんなひと言には片づけられない重たい気持ちだった。決して会いたくないわけじゃないのに、心のどこかで約束を後悔し、相手からキャンセルしてくれないだろうかと期待している。かといって自分から反故にすることもなく、いざ待ち合わせに赴いてしまえば一緒に過ごす時間は楽しく、何がいやだったのかわからない。そして別れた途端、寂しさと安堵を同時に味わうのだった。やっと終わった、と。本当はひとりが好きなのかもしれない。仕事にせよプライベートにせよ。人づきあいは総じて疲れる。疲労を感じさせない相手は、由朗だけだった。
<目次>
〈春〉資料室の幽霊
〈夏〉泥舟のモラトリアム
〈秋〉嵐のランデブー
〈冬〉眠れぬ夜のあなた
2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。以降、BL作品を精力的に刊行。一般文芸初の単行本『スモールワールズ』(講談社)が第165回直木賞候補に。同作収録の短編「ピクニック」は第74回日本推理作家協会賞短編部門候補となる。著作多数
著書に「イエスかノーか半分か」「スモールワールズ」など。
