闇の世界で生きてきた大物のバブル期の回想録・武勇伝だった。
危機管理会社・日本リスクコントロール社長の寺尾文孝さん。
彼は、高校を卒業後警視庁に入り機動隊で活躍する。元警視総監の参議院議員秦野章の私設秘書となりそこで得た人脈や経験を活かして危機管理会社を経営、暴力団組長から企業経営者、果ては芸能人に至るまでの数々のトラブル解決屋として活躍。
会社は電話番号非公開、ホームページも無い。
完全紹介制で年会費が二千万円だが多くの顧客を抱えているという。
参議院議員の秦野章さんとの出会いがこんなにも人物を大きくさせた。人によってこれほど変われるものなのかと感心する。
著者が議員の私設秘書となり、バブル期の闇の事件を次々と解決していった思い出、登場人物が実名で赤裸々に語られる。
「墓場まで持っていく秘密」に関して、本当の墓場までの秘密は決して語っていないと想像できた。
政界・警察・芸能界の守り神として、著者さんが活躍されていた物凄い遍歴の一部を披露していた箇所だった。
警察OBとして警察、検察や暴力団関係者との直接取引など、いずれにしても、いま現代の倫理感では計り知れない激しいお話ばかりだった。
メリーゴーランドのようないろんな出来事が起こる太い人生も面白そうだ。
彼のような人物に仕事を頼む必要がない、当たり前の幸せを感じられる普通の人生を歩んでいきたい。
349P
長年、この仕事をしていてつくづく考えることがある。日本社会で、本当の意味での「権力」を握っているのは誰か、ということだ。
テレビに映っている与党の政治家や、中央官庁のエリート官僚を「権力者」と考える人が多いかもしれないが、「見えない権力」も確かに存在している。その権力が向いている方向性に抗い、違う方向性で動こうとすると、たちまち押し潰されてしまう。だから、常に「見えない権力」の向いている方向にアンテナを張っておかなければならない。それが危機管理の要諦でもある。「見えない盾」となって顧客先を守ると言う意味を込めて、本書の書名を「闇の盾」とよんでいる。
<目次>
プロローグ
第1章 渋谷ライフル銃事件
第2章 秦野章と田中角栄
第3章 トラブル・シューター
第4章 警察官僚の落とし穴
第5章 ドリーム観光攻防戦
第6章 バブル紳士たちの宴
第7章 裸一貫の再出発
第8章 日本リスクコントロール
第9章 墓場まで持っていく秘密
第10章 見えない権力
1941年、長野県佐久市出身。岩村田高校卒業後、1960年警視庁入庁。東京水上署、第一機動隊勤務を経て、1966年に退職。その後、元警視総監の秦野章参議院議員の私設秘書となる。1976年に株式会社エーデル・パレスを設立、伊豆狼煙崎などの開発に取り組むが、バブル崩壊で頓挫する。1999年、元警察庁中国管区警察局長の保良光彦氏とともに危機管理会社・日本リスクコントロールを設立
