【No.910】君と歩いた青春 駐在日記 小路幸也 中央公論新社(2021/06) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

昭和五十二年ごろ。神奈川県だけれども横浜ではなく山に囲まれた田舎だった。

元刑事でいまは巡査の蓑島周平と元医者で妻の簑島花との夫婦の駐在生活を通じて、

雉子宮に住んでいる人の心をほのぼのと謎を解きほどくような優しさが感じられた。

この簑島夫婦には、ささいな情報が入ってくる。

いろいろな形で悩みや相談を受けるなど、土地に溶け込んでみんなに頼られる存在となっている。

 

冬 水曜日の雪解けは、勘当者

病気で倒れた村長さんのところに勘当された娘が戻ってくる。

春 月曜日の来訪者は、スキャンダル

世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が秘書といっしょに表れた。

夏 日曜日の幽霊は、放浪者

狐火や子どもなど山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は過去にあった。

秋 木曜日の謎は、埋蔵金

この村に埋蔵金発掘を目当てにしたテレビクルーがきた。でもそこにはとんでもないものが埋まっていたのだ。

 

今は少なくなってきたが、隣近所の顔が見える安心できる田舎の原風景がある。

嬉しくも生まれ故郷の田園風景と重なり、涙腺が緩む懐かしい短編集となっていた。

 

 <目次>

プロローグ 一年と十ケ月前  

冬 木曜日の雪融けは、勘当者    

春 土曜日の来訪者は、スキャンダル    

夏 日曜日の幽霊は、放浪者   

秋 木曜日の謎は、埋蔵金    

エピローグ 

 

1961年、北海道生まれ。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむpulp‐town fiction』でメフィスト賞を受賞しデビュー。「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ著作多数