【No.729】風致の島 赤松利市 講談社(2020/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

ゼネコンの出世競争の真っただ中にいた青木は、東南アジアのある島国のリゾート地の巨大開発案件を担当していたが、独裁政権が崩壊するのと同時に失脚して巨額の負債を抱えることとなった。

出世街道から外れた青木は、原発清掃作業の所長時代に手に入れた裏金一億円を元手にして、日本を脱出してかつて関わった島の村の一角でわびしく人生を過ごしていた。

既に終わったはずの青木に再びチャンスが訪れた。

それは、数兆円を超える新たなリゾート計画だった。

この計画に乗った青木の人生の歯車が、再び狂いはじめた。

現地で飼い殺しにされている元同僚の西村から、カジノを中心とする新たな開発計画の存在を聞いた青木は、その利権に食い込むために動き出すのだ。

勢いがすごくかったので、島の風土を折り込んだストーリーによって、よりどんどん先へ先へとページをめくることとなったのだ。

没落した青木の怒涛の半生が語られ、物凄い壮大な計画がいきなり出てきて、これに青木はすがりつくのだ。

また、精神を病んだ女を飼う男やイカレタ男たちがお店で酒池肉林を繰り広げるありさま、金や酒、官能、暴力等々が至る所にあって息もつかせぬハチャメチャな展開が面白かった。

 

1956年香川県生まれ。「藻屑蟹」で大藪春彦新人賞、「犬」で大藪春彦賞を受賞。