【No.669】日本の美しい言葉辞典 梅内美華子監修 ナツメ社(2020/06) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

山紫水明、白砂青松、風光明媚、深山幽谷、花鳥風月、精好雨奇、暮色騒然、長汀曲浦等々。

四方を海に囲まれ山や川によって形作られた地勢、気温、花の色、ほのかな香り。

日本には、世界に誇れる素晴らしい情景がある。

また、特に赤・青・黄・緑色に微妙な色差や特徴の違いがあり面白い。

例えば、

鴇色(トキが飛ぶときに見える風切り羽のような淡い紅色)

萌葱色(萌え出ずる草や木の葉のような強い黄緑色)

常盤色(マツやスギなど常緑樹の葉のような濃い緑色)

瑠璃(瑠璃を砕いた顔料の濃い紫みの青色)

琥珀色(琥珀のようなくすんだ黄褐色)

こんな風に繊細な色使いを感じ取ることができる日本人って賢い。

 

自然や四季の中で育まれた感性や情緒、大和魂など自然や暮らしから生まれた選りすぐりの心のこもった言葉を集めて美しい写真とともに心ゆくまで楽しめた。

 

刻々と変化する夜明けの時間の表現が嬉々として麗しい。

80P かわたれ時 「彼は誰」なのか、はっきりわからないころの時間

刻々と変化する夜明けの時間

「かわたれ時」は、もとは明け方や夕方の言葉だったが、現在は、主に明け方の言葉とされている。夕方の薄暗い時間は「黄昏時」(誰そ彼時 つまり誰だ彼はという時)という。

夜明け前から夜明けごろの表現にはさまざまあり、「暁」は「明時(明るくなる時)」の意、「東雲」は、家の「篠」竹「の」編み「目」から光が射すころの意。「曙」は、ほの「ぼの」「明け」る意で、「朝ぼらけ」「ほのぼの明け」ともいう。刻々と変化する空は美しい。

 

春夏秋冬の山の表現に感嘆!こういう変化を感じられるようになりたい。

142-143P

山笑う 春の山が、草木が芽吹き笑うように明るいさま 艶めいて微笑む山

山滴る 夏の山が、滴るような緑におおわれているさま 緑滴る山

山粧う 秋の山が、紅葉を粧ったように美しいさま 黄や紅を粧う山

山眠る 冬の山が、眠るように静まり返っているさま 静かに深く眠る山

 

 <目次>

はじめに 

第1章 花と草木

第2章 鳥と獣

第3章 時と季節

第4章 空と夜空

第5章 大地と水辺

第6章 暮らし

第7章 色

さくいん

おもな参考資料

 

歌人。1970年、青森県八戸市生まれ。同志社大学文学部文化学科卒業。1988年、短歌結社「かりん」入会、馬場あき子に師事。学生時代は「京大短歌会」に参加。1991年、作品「横断歩道(ゼブラ・ゾーン)」で第37回角川短歌賞、2001年、歌集『若月祭』で第1回現代短歌新人賞、2012年、歌集『エクウス』で芸術選奨新人賞および第8回葛原妙子賞、作品「あぢさゐの夜」で第48回短歌研究賞を受賞。2013年、青森県褒賞。2016年、青森県文化賞。朝日カルチャーセンター新宿教室「短歌実作・はじめの一歩」講師、読売新聞よみうり文芸選者、「かりん」編集委員