グラフはいろいろな方法で嘘をつくことができる。間違ったデータを示したり、不適切な量のデータを盛り込んだり、デザインが悪かったり、それに、たとえきちんと作られたグラフであっても、私たちが深読みしすぎたり、自分の信じたいものだけを見たりすることで、結局は嘘をつくこともある。グラフはまた、質の良いもの悪いものを含めてそこらじゅうにあり、しかも非常に強い説得力を持ちうる。
これらが組み合わさると、誤報やデマという最悪の事態につながりかねない。私たちはみな、しっかりとした知識に基づいて、注意深くグラフを読めるようになる必要がある。もっと「グラフィケイト(グラフ通)」にならねばならない。
グラフを読み書きする力「グラフィカシー」という言葉を初めて知った。
グラフはパッと見て数値の比較が把握できるので割と説得力があるものであり、
適正に加工することで見やすくするだけでなく、情報操作ができてしまうものであり、
グラフのメモリをわざと途中で区切ったり、サイズを変えたりすれば、当初の効果と違うように見えてしまうものだ。
グラフに絞りグラフの誤ったデータを見破る方法を教えてくれる本だった。
「木を見て、森も見る」
グラフの細部を見て大局からも考えて、思い込みを乗り越えて正しいデータがわかるように物事の本質はどうあるべきなのか、しっかり見極めなければならないと。
そう感じる良い機会が持つことができてよかったと思う。
<目次>
プロローグ 世界はグラフとミスリードにあふれている
序章 毎日、グラフにだまされる私たち
第1章 だまされないためのグラフ・リテラシー入門
第2章 ひどいデザインでだますグラフ
第3章 怪しいデータでだますグラフ
第4章 不適切なデータ量でだますグラフ
第5章 不確実性を隠してだますグラフ
第6章 誤解を招くパターンでだますグラフ
終章 グラフで自分(と他人)に嘘をつくな
アルベルト・カイロ
スペイン出身のジャーナリスト、情報デザイナー。マイアミ大学スクール・オブ・コミュニケーションの教授でビジュアル・ジャーナリズムを担当。教科書を複数執筆したほか、同大学のコンピューター科学のビジュアライゼーション・プログラムのディレクターを兼任する。グーグルや欧州連合(EU)をはじめ、企業や公的機関に対するコンサルティングやトレーニングに携わる。スペインとブラジルでメディア企業のインフォグラフィックス担当のヘッドを務めた経験を持つ。
藪井真澄
共同通信社経済部 担当部長。慶應義塾大学文学部仏文科卒業、地方テレビ局、外資系銀行を経て共同通信社に入社。経済記事の翻訳に携わるほか、ロンドン支局勤務を含めて主に金融市場の取材を担当
【No.614】グラフのウソを見破る技術 マイアミ大学ビジュアル・ジャーナリズム講座 アルベルト・カイロ 訳・薮井真澄 ダイヤモンド社(2020/07)
