【No.612】疫病2020 門田隆将 産経新聞出版(2020/06) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

日本は、現在、他国と比較して死亡率が低いことや病床使用率が下がり病床の逼迫が解消傾向にあることなどから、新型コロナウイルスの感染をある程度に抑制しており医療崩壊を招いていないと思われる。

過酷な勤務体制のもと患者に行き届いた医療を提供しつづけた医療現場の方々のご尽力とご苦労の賜物だ。医療関係者の方々に感謝したい。

 

歴史的に見ると、長期にわたって権力を維持する者に寄り添う人たちにとって、現状維持することが居心地よく安住の地となり、権力者側の行動や判断に何かよどみが生じてくるようだ。

例えば、耳ざわりがないよい情報だけがトップに上がり、失敗したような悪い情報が意図的に途中で隠蔽される弊害があった。

これでは、権力者がいくら優秀でも正確な判断や機敏な行動ができないものだ。

中国の武漢での新型コロナウイルスの悲惨さ等正確な情報があがっていなかったのは、令和2年1月から3月までの外国から日本への入国規制の不備から推測するとそういう可能性が高かったと言わざるを得ない。

 

災害や戦争が起こっている、疫病などが蔓延しているなどの有事においては、普通の問題もない日常を過ごしている平時での対応とは異なるものになるのではないか。

物事の判断や業務を遂行する上で、平時と同じ考えではうまく働かないのは必定ではないか。

例えば、ウイルスの蔓延を防ぐために、法律などの手続きを省略して後ほど同意を取るような政治的なすばやい対処をしていくことが考えられる。

 

新型コロナ対策では、中国全土から入国禁止措置をして自国でのウイルスに罹る人を防御した台湾での早期の水際対策が功を奏した。

彼らは、以前のSARSでの経験の教訓を生かしたのだ。

日本において、武漢の新型コロナウイルスの蔓延状況やこの台湾の対応、過去の日本でのスペイン風邪や天然痘を乗り越えた事実などから、現在や歴史を踏まえて何かしら初期対処ができたらと考えると残念に思われる。

 

ドイツ帝国初代宰相のオットー・フォン・ビスマルクの有名な言葉に、

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」がある。

我が国も経験や歴史から真摯に学び、このコロナ禍を教訓にして、将来の感染症対策のほか、危機管理能力の向上に活かしてほしいと思った。

 

 <目次>

はじめに

第一章 飛び込んできた災厄

第二章 お粗末な厚労省

第三章 異変はどう起こったのか

第四章 告発者の「死」

第五章 怒号飛び交う会議

第六章 中国依存企業の衝撃

第七章 迷走する「官邸」「厚労省」

第八章 台湾の完全制御作戦

第九章 リアリストたちの反乱

第十章 「自粛」という名の奮戦

第十一章 武漢病毒研究所

第十二章 混沌政界へ突入

第十三章 中国はどこへ行く

第十四章 未来への教訓

おわりに

特別収録 佐藤正久×門田隆将 日本の敗北はどこから

関連年表

参考文献

 

作家、ジャーナリスト。1958(昭和33)年高知県安芸市生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社に入社。『週刊新潮』編集部に配属、記者、デスク、次長、副部長を経て、2008年4月に独立。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。