【No.605】任侠シネマ 今野 敏 中央公論新社(2020/05) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

義理と人情に厚いヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとには、学校、病院、公衆浴場など一風変わった経営再建の話が次々と舞い込んでくる。

今回は、北千住の古い映画館『千住シネマ』の経営再建の話が舞い込んできた。

マル暴の甘糟達男らに監視されながら、代貸の日村誠司ら阿岐本組の面々は、存続危機の映画館をどう守るのか!?

 

こういうことってよくあることではないでしょうか。

主催がとりあえず開催できたことで満足することです。

目的は開催することですか!

例えば、何か大切なことを人々に伝えることがないでしょうか。

その後の参加者へのフォローアップが次回に繋がるから重要なんです。

 

242P

「た……、たいていのイベントって、労多くして結果がついてこないんです。主催者側は疲れ果て、イベントを開催したというだけで満足してしまいます。参加者は、その時だけ盛り上がったとしても、会場を離れればすぐに忘れてしまうんです」

 

ぼくは、読書会などに参加したり神社仏閣の参拝で旅行などに行く機会があれば、その時は、目、耳、鼻、口、手など五感を使って楽しむことにしています。

非日常の体験ができることって幸せです。

この体験は二度とないくらいにもったいない時間。

有難いから。

 

例えば、ぼくが読書会に参加して参加者らと語り合いながら楽しんでいる様子を知ると、興味を持ってぼくあてに参加したいんだけどと訊いてきます。

これは、ぼく自身が素直に楽しんでいるからです。

この楽しさは必ず伝わる。

自分が本気で楽しんでいないと、決して相手には伝わらない。

また楽しくても面白くても、自分からほかの人を誘う必要はありません。

興味があれば、相手の方から自然に近寄ってきて連絡をくれるからです。

 

243P

阿岐本が聞き返す。

「好奇心?」

「はい。だから、つい興味を引かれることがあるんです。そして、自分から興味を持ったことを体験すると、たいていはそれが習慣になります。」

「お嬢たちは、そうやったら人々の興味を引けるかって話をしてるんだよ」

「楽しめばいいんです」

「楽しむ……?」

「他人が興味を引かれることって、誰かが本気で楽しんでいることなんです。人にどう思われようと、自分は楽しい。そう思っている人を見ると、人は引き付けられるのです。」

「言いたいことはわかるが、具体的にどうしていいのかわからねえな」

「人を引き込もうなんて思わないで、自分がただひたすら楽しめばいいんです。その姿を見ている人は必ずいます」

 

せっかくの機会なので、楽しい時間は大いに楽しみましょう。

 

 

1955年、北海道三笠市生まれ。78年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。2006年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、08年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞及び日本推理作家協会賞、17年には「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。空手の源流を追求する、「空手道今野塾」を主宰