池井戸さんの本を読んでいると、ぼくはこう思います。
困難を克服して成長していくのっていいなあ。
熱い人たちに囲まれて、一緒に生きていけたら幸せだなって。
今回もテンポよく話が進みます。期待を裏切らない面白さがありました。
佃製作所の佃社長を始め殿村部長などの出演者たちの顔が目に浮かびます。
まるで大家族のよう。
今回もなにか問題が起きたら責任や対応を一人任せにしたり押し付けずに、自分のことのようにみんなで考えて、みんなで悩んで、みんなで行動して解決に導いています。
義理と人情。
問題が起きて頼ってきた他社に対しても、自分のたちのことのように考えて対応しています。
効率と採算を取るのか。情熱や技術を取るのか。
ほんとお節介焼き集団のよう。
ほぼ毎日の飲みにケーションも活発な昔の終身雇用制や年功序列型の日本の会社のように。
会社トップの社長に対しても奇譚のない意見を言えるような雰囲気が羨ましいのです。
佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化や主要取引先のヤマタニからの非情な通告、そして、経理部長の殿村の父親が倒れたために……。
順風満帆に見える状況下、取引先の変化や外部環境によって、大きな危機と転換点をまた迎えることになります。
シリーズ第4作目「下町ロケット ヤタガラス」が2018年秋に発売されます。
佃製作所VSダイダロス&ギアゴーストの戦い。
どんな結末となるのか!
いまから楽しみです。
次に続く終わり方がとても憎い。
殿村さんの言葉に頷けます。
「意に沿わない、仕事を命じられ、理不尽に罵られ、嫌われ、疎ましがられても、止めることができないのがサラーマン、経済的な安定の引き換えに心の安定、人生の価値を犠牲に戦っている」
<目次>
ものづくりの神様
天才と町工場
挑戦と葛藤
ガウディの教訓
ギアゴースト
島津回想録
ダイダロス
記憶の構造
青春の軌道
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。「果つる底なき」で江戸川乱歩賞、「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞、「下町ロケット」で直木賞を受賞。ほかの作品に「空飛ぶタイヤ」など
