No.284 ランチのアッコちゃん 柚木麻子 双葉社(2015/02) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




表紙の弁当がおいしそうです!


これって数時間で軽く読めますよ。


NHKのBSプレミアムでドラマ化された!?らしい。



このアッコさんのような人がいると刺激的で面白い毎日が過ごせそうだね。






働く女達の憂さや迷いを晴らすような楽しいお話の展開があるから。



あまりに深く考え過ぎて疲れ果てて、



すっきりと前向きな気持ちになりたい時など、




このアッコちゃんに出会うと、まさに元気が出てきますね!






 <目次>

ランチのアッコちゃん

夜食のアッコちゃん 59

夜の大捜査先生 111

ゆとりのビアガーデン 155





◎1981年東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。受賞作を含む連作短編集『終点のあの子』でデビューした。『伊藤くんA to E』『本屋さんのダイアナ』は直木賞候補に。『ランチのアッコちゃん』は2014年の本屋大賞にノミネートされた。







110P

「あの、あの、次はいつ会えるんですか?」

返事の代わりに、アッコさんはドアを乱暴に閉め、アクセルを踏みしめた。

公園を飛び出し、去っていくワゴンに向かって、夢中で手を振った。振り向くと、吹き付ける北風をものともせず、今日も東京タワーは青空を貫いている。

まるでどんな嵐の中でも煌々と輝く灯台みたいに、頼もしい佇まいで三智子を見下ろしていた。きっと、また会える。だって私たちは-。

車道の砂ぼこりが舞い上がり、ワゴンはいつの間にか完全に見えなくなっていた。




154P

この時間でも開いている本屋といえば、渋谷駅前の「山下書店」しかない。

この街のことなら、野百合はなにからなにまで知りつくしている。野百合が今までの人生で身につけたことで確かなものがあるとすれば、この街への誰にも負けない愛と知識だった。今手にしている世界が狭いのなら、この渋谷から少しずつ領域を広げていけばいいだけの話だ。

道玄坂を足早に下っていくと、懐かしい早朝の風景が広がっていた。

ひとずじの朝日がスクランブル交差点の中心に差し込み、町の歯車がゆっくりと回転し始めている。




199p

提灯が一斉にぱちりぱちりと点り、まるで花火が咲くように薄闇に赤や青が滲んだ。玲実が鼻歌を歌いながら、椅子を並べ替え始めている。

青くさくやわらかな夜風が頬を撫でた。