エンターテインメント警察小説。
相変わらずのテンポとスピード感溢れる展開が目白押し。
導入部がちょっと長いが、話が転がり出すと急に速度が上がってくる。
「知らない世界を知るって面白い!」
陽の当たる場所ではない暗躍する世界が、小説の中にあることを知ってしまいました。
だから、大沢在昌さんの描く物語の続きをまた読みたい。
◎1956年、愛知県名古屋市生まれ。79年「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門を受賞。94年『無間人形 新宿鮫4』で直木賞。2001年『心では重すぎる』、02年『闇先案内人』、06年『狼花 新宿鮫9』、12年『絆回廊 新宿鮫10』で日本冒険小説協会大賞を受賞。04年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞、10年に日本ミステリー文学大賞、14年に『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞
144P
「本性を隠し、上べをとりつくろって裏で犯罪に手を染める奴が許せない。
法や条例で暴力団を規制しても、見かけ上のやくざが減るにすぎない。
あたかも社会に存在していないかのように仕向けたからといって、存在が消えるわけではないのだ。」
むしろ消えたと思いこむほうが危険だ。
表面の清潔さに人は用心を忘れ、疑いを捨てる。
結果、気づいたときには犯罪の牙が喉もとにつき刺さっていることになりかねない。
規制と犯罪は、殺虫剤と害虫に似ている。
どれほど強力な殺虫剤が開発されても、決してゴキブリが根絶されないように、規制が強まれば強まるほど、より狡猾で凶悪な犯罪者が現れる。
規制をせず野放しにしろということではない。
規制の結果、表面的にはいなくなったのを、消滅したと勘ちがいするのが危険なのだ。
