日本の作家の中でノーベル文学賞の最有力候補とされている村上春樹さん。
世界中の人々をこれほどまでに惹きつけている日本の作家はあまりいないのでは!
1987年発表、100パーセント恋愛小説。型にはまらない恋愛ストーリー。
「すごく共感できる」から「”気の滅入る調子”が最高」か!
文章の平易さに対して、作品のストーリーはちょっと難解かな。
ワタナベトオル、キズキ、直子、緑等の各登場人物によって、いやらしさと甘美さとがないまぜとなったようなしがらみのある情景を奏でています。
上巻54P「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。
<死はいつか確実に我々をその手に捉える。しかし逆に言えば死が我々を捉えるその日まで、我々は死に捉えられることはないのだ>と。
生のまっただ中で、何もかもが死を中心にして回転していたのだ。」
村上さんの作品では「恋人や友だちなどの失踪(自殺・死)」が繰り返し用いられています。
ウェブなどで見ていると、この作品を高く評価する人と、そうでない人が両極端に存在しているのが面白い!
感情を共感できるかどうかで、この小説の好き嫌いが分かれるような気がしています。
最後に、ワタナベが緑に電話する場面で物語が終わります。
このあとその2人はどうなったのかと考えてみると、一番最初のシーンにループしていると考えると説明がつきやすいと思います。
先日、菊池凜子さんと松山ケンイチさん、水原希子さん主演の同映画を見てみました。
原作中の登場人物のイメージと映画の配役では、松山さんはそんな違和感がなかったけれども、菊池さんと水原さんが入れ替わったほうがよかったのではと感じていました。
時間の制限のある中での省略は仕方がないのですが、「ワタナベが緑の父親とキュウリを食べながら過ごす病院でのシーン」が感動的だったからこそ、やはりこれをぜひ入れてほしかったなと。カットされていたのは残念だったなと思いました。
