1億円の家を買うお話

1億円の家を買うお話

何を血迷ったのか1億円の家を買うことにした30代前半夫婦のお話です。

 1.  全館空調
HM選びの際も触れたが、当初は全館空調には特にこだわりがなく、たまたま最初に話を聞いた三菱地所ホームのウリの1つが全館空調ということを聞き、全館空調を入れるかどうかという選択肢が生まれた。

 

当初は全館空調は特に不要では、と考えていたものの、これまで紹介したとおり、我が家は全体的に居室ではないが滞在時間がそれなりに長い空間が多くなるなと思い直したこと、近年の夏は異常な気温であり、一昨年前、昨年と夏の期間はほぼ24時間いずれかの部屋の空調を稼働させていたことから、むしろ全館空調をいれた方がいいのでは、と思い直した。

検討したHMはたまたま、いずれの社も全館空調を取り扱っていたため、この点が各社の選定に際しネックとなることはなかったが。

 

家の構造を考えると、FCLを独立した部屋にし、キッチンを独立型にしていることなどから、この選択は間違いでなかった(多分)であろうと思う。

答え合わせはまだ先だが。

 

2.キッチン

キッチンは鯖トラのこだわりであり、我が家においては料理は私が行うため、その前提でキッチンを選ぶこととした。
その際重視したのは下記の条件かなと思い返す。

a.仕様
<メーカー>

キッチンはタカラスタンダードのグランディア(桧家住宅の標準品)を入れることとした。
メーカーにはこだわりはなく、ビルトインタイプの食洗機を入れることができればなんでもよかったのと、ホーローの手入れのしやすさを気に入っていたのでそこに悩むことはなかった。
オプションを考えるにあたり、タカラスタンダードのショールームは大変参考となった。
シンクの種類やメリデメについて紹介をいただき、HMと連携してオプションの見積もりを行ってくれたので大変スムーズに事が運んだ。

タカラスタンダードのキッチンを考えている方は、一度足を運ぶ価値があると思うので、おすすめしておく。

 

<高さ>
キッチンの高さを私に合わせることは必須であり、高さは選べるものの中で最大の90cmとした。
これでも適正高さの算定式(身長÷2+5cm)からするとまだ足りないが、そこを特注にするメリットは感じなかったので、とりあえずこの高さがあればなんとかなるだろう、と考えている。

<オプション>
オプションはいくつか入れたが、主なところでいうと
・ユーティリティシンク
・ボッシュ食洗機

あたりが大きなところであると考える

さて、ユーティリティシンクについては、そもそも桧家住宅のオプションにおける選択肢として提示されておらず(シンクのオプションは家事らくシンクというもの)、ショールームに行って確認した結果、こちらの方が個人的には使いやすいそうだということで見積もりをお願いした。
当時何を思っていたか、もはや忘れたが、キッチンをなるべく広く使いたい、ということが最重要であり、その観点からだと、ユーティリティシンクの方が広く使える、という話だった気がする。

ボッシュの食洗機については、かなり当初から入れたい、と考えているものであった。
とにかく家事の負担を減らしたいため、食洗機の導入はマスト、その際、とにかく大容量を求めていたことから、必然的にボッシュかミレーかのいずれかの選択肢しかなく、乾燥方式などから最終的にはボッシュ(幅60cm)を入れることとした。
これが一番高いオプションであったが、大体50万前後での導入になった。


b.広さ

キッチンの広さとして、作業スペースが十分に確保できること、をとにかく優先した。

通路幅自体は、人がすれ違うのに困らない程度の広さであればいいが、料理をしている際、とにかくスペースが狭いことはストレスになるのでこの点はこだわりを持った。

 

 



c.パントリー
とても広いパントリー。

冷凍庫を置いて作り置き+食材やらなにやらをとにかくストックし、買い物の回数を減らしたいのでスペースを広く設けた。

もともと、独立型のキッチンとするため、ある程度のデッドスペースが生まれることは想定していたので、それであればその空間をパントリーにする、ということで活用できればと考えた。

空いているスペースは、ゴミ箱を置いたり、後から棚をDIYしたりと生活に合わせて使い方を変えることができればと思う
 

 

こだわりポイントの2つめとして、モノの管理が楽なおうちというのが挙げられる。

我が家は共働きであり、平日はそれなりに遅い時間に帰宅することがほとんどであるため、平日はほぼ家事をしている時間がない。
そのため、平日はストックを食い潰し、休日にまたストックするというライフサイクルが理想の1つであった。
また、ダイビングやゴルフ、スキーといった趣味の用品がかなりの量に及ぶので、これを保管しておけるスペースの確保も課題であり、とにかくモノをどのように管理するか、に重点をおいた。

②モノの管理が楽なおうち
他方で、それを実現するためにはストックをしておけるだけのスペースは必須であることから、その確保がまず課題である。
ストックをしたいものとしては
1.服の収納と洗濯
2.食料ストック
3.趣味の品

が大まかなところである

 1.  服の収納と洗濯
これについては、洗濯と収納を楽にする、という部分が大半を占める。
今のところ、ドラム式洗濯機を活用しており、一度入れたら乾燥まで自動的に、というのは楽ではあるのだが、結構な時間がかかるため、休日でも予定を入れるとワンサイクルしか回せない(容量が小さいのもあるが)。
そのため、洗濯機と乾燥機を別々に導入し、平行して洗濯乾燥を行えるようにするとともに、乾燥機の使えない服は室内干しできるよう、ランドリースペース的な空間を広くとることとした。
ここでは、洗濯をして、干してをするとともに、下着やバスタオルなど、ランドリールーム内で動線が完結するものは全て置いておけるだけの空間を併せて確保しており、後述のWICとの階層分離のデメリットを極力低減させることとしている。

また、洗濯の手間となるのは洗うことそのものもそうであるが、服をどのように収納するか、という点も家事として負担の大きい作業である。
可能な限り、畳んで収納するという行為をなくすため、広めのFCLも併せて所望した。
構造として、ランドリールームとWICを隣接させるかという部分は最後まで悩んだが、それぞれの空間の広さを優先させ(水回りの収まりとか他の空間の使い方とか含め総合的な衡量により)、ランドリールームとFCLは2Fと1Fに分けることとした。
その代わりというわけでもないが、WICは6帖ほどの広さを設け、干したハンガーをそのまま収納できるだけのスペースを設ける構造とした。

このように、洗濯という家事をなるべく効率的に行えるように、収納と洗濯を一体とした空間形成をうまくできたのではないかと思う。


 



 2.  食料ストック
平日は基本的に早く帰ることができれば作るが、そうでないときには外食ですませることが多い。
とはいえ、なるべくであれば家で食べたいので、できる限りの調理を週末にして、ストックしておくということができるのが理想である。
そのため、冷蔵庫とは別に冷凍庫を導入し、作り置き材料を朝に冷蔵庫に移し、帰宅後解凍されたものを食べる、というサイクルを構築したいので、とにかく広いキッチンとパントリーを設けることとした。
パントリーについては可動棚を1つ備え付けとし、あとは用途に応じてゴミ箱スペースを設けたり、棚をDIYしたりと拡張していく。
キッチンについては他にもこだわりがあるので、これもまた別に紹介をする予定。

 

3.  趣味の品
趣味の品、特にアウトドア関係のものはとにかくかさばり、汚れもつくことからどのように収納するかは悩みどころである。
主立ったものを挙げれば
・ダイビング器材×2
・ゴルフバッグ×2
・スーツケース×4
・スキー用品×2
とかなりスペースをとるものが多い。
それに加え、電子機器も大量にあるので、それらの外箱やらなにやらとかなりのモノが我が家には存在する。

現在住んでいる賃貸の数少ない美点の1つが、収納の多さであり、なぜかロフトスペースが複数あるので、これらの品々についてはどうにか収まってはいる。
他方で、シーズン毎の上げ下ろしは面倒くさく、外で使うものはなるべく外に近い状態にしておくことが理想であるのでSICを物置として使う前提で配置した。
できる限りアウトドア関係のものはここに詰め込み、入りと出を楽にできればと考えている。
 

HMも決定し、あとは理想の間取りを追求していくことが大きなミッションとなる。

時系列的には、HMを決定する時点でかなり大部分が固まっていたが我が家のこだわりポイントを改めて紹介できればと思う。


まずこだわりポイントを整理するにあたって、大きく分けて3つのポイントがあるので、まずは第1ポイントを紹介する。


 ①猫ちゃんファースト
今回建てる家はこの2ニャンのための家といっても過言ではない。
猫と暮らす家として求めるものは

 

 1.  猫の自由移動

 2.  玄関からの脱走防止策

 3.  独立型のキッチン

 4.  トイレゾーンの確保

 5.  快適なひなたぼっこ生活を確約する屋上

が大きなポイントとなる


 1.  猫の自由移動
我が家では常に猫が自由に移動できるようにしており、現在の賃貸物件にはお手製のフェンスを作りキッチンや玄関への侵入を阻止している。
当然、今回建てる家も猫が可能な限り自由に移動できるような構造はマストであり、侵入してほしくない場所を整理し、それ以外は自由に動けるような構造を考えた。
侵入を防ぎたい場所としては
・玄関
・SIC(シューズクロゼット)
・FCL(ファミリークロゼット)
・キッチン
・洗面所
・ロフト
が挙げられる。
特に玄関とキッチンについては、構造による隔離をしているので後述するが、これらの設備には猫はアクセスできないようにしつつ、家の大部分を自由に往来できる構造が確保するという点ではほぼ満点の構造ができたものと自負している。

 2.  玄関からの脱走防止策
この点はとても重要であり、猫と生活する上での検討は必須と言える。
脱走の防止にあたっては様々な手段があるが、人間の利便性も確保しつつと考えると、最も手っ取り早いのはそもそも玄関に侵入できないような構造にすることである。
そのため、我が家の玄関は二重扉のような構造とし、仕切りを透明なパーティションのような扉とすることで、圧迫感を減らしつつ、帰ってきた人間をお迎えする猫を眺められるというパーフェクトな構造ができた。

 



 3.  独立型のキッチン
我が家の猫はほとんど人間の食べ物に関心を示さないが、やはり火を使う空間であり、かつ、ニンニクやたまねぎ等の毒の欠片を万一口にしたらという不安を解消するべく、独立型のキッチンを志向した。
この点が注文住宅に決めた最大の要因であり、そもそも独立型のキッチンを備えている物件などほぼ存在せず、それこそ猫と暮らすリノベマンション、のような物件でなければあり得ない構造であった(あとはそもそもキッチンとダイニングが別の部屋になっているようなとんでもない広さの家)。


そのため、キッチンの構造はかなり当初からの要望であり、この家の中心といっても過言ではない。
機能的な部分についてはまた別途紹介するとして、猫と暮らすという観点からのこだわりを整理する。
独立型であるため、仕切りとしてのドアがあり、猫の侵入を防止している一方で、人間の配膳が不便になるというデメリットを解消するため、内窓を設けることでそこからの受け渡しを可能としている。
この構造はかなり気に入っており、自慢のポイントの1つとなるであろうと予感している。



 4.  トイレゾーンの確保
トイレをどこに置くか、というのは悩んだ点の1つであった。
リビングの片隅というのも考えたが、やはりトイレが生活空間にあるのは抵抗があったため、どうせならということで納戸兼猫のトイレスペースを作ることとした。
階段下のスペースをうまく使い、猫のトイレの奥に納戸を設けるような形とし、衛生用品の収納件、隔離されたトイレゾーンを確保することができた。
このような空間の使い方も注文住宅ならではのものであると考える。



 5.  快適なひなたぼっこ生活を確約する屋上
やはりひなたぼっこは猫の健康に必須であると思われるので、採光窓を配置しつつ、屋上を設けることで完璧なひなたぼっこタイムを提供できるようにする。
当然、屋上からの脱走(というか転落)は最大の懸念事項であるため、屋上の壁を可能な限り高くし(約2mの壁)、中庭のような囲まれた構造としつつ、日の光を浴びることのできる屋上を設けることとした。
我が家ではそこそこの頻度でおうち焼き肉やBBQを行うため、そのための空間としても活用できるのもポイントである。


 

他にも自動給餌器の位置を前提としたコンセントや、猫専用出窓など細かな仕様がたくさんあるが検討の中心となったのはこのくらいかなと振り返る。

猫のためのおうち作りについては少しづつ市民権を得ているが、まだまだ情報は少ないので参考となれば幸いです。

 

 

 

 

HMの決定契約が11月末に済んだので、HMとの最終的な詰めの部分や、銀行ローンの検討が残る課題となる。

HMとの詰めについては、家のこだわりポイントについて触れる中で紹介できればと思うので、ローンの基礎的な部分については、資金繰りの章にて触れていない、土地・建物それぞれのローン実行に関する振り返りをしようと思う。

土地のローン実行については、当初予定よりも一ヶ月遅れることとなっていた。
元々、古家付きであった土地を交渉の末、建物取り壊しの上引き渡しとしていたが、解体工事のスケジュールの関係から、土地の引き渡し契約について遅らせることできないか、という相談があったためである。

基本的には手元の資金を使いたくない+現状賃貸物件に居住しているため、そもそもローンの実行については建物完成後、引き渡しがされてからを希望していたので、いずれにせよ、ローン実行後は当面金利のみを支払う、ということで調整を進めていた。
そのため、引き渡しが遅れることについては、建物工期との関係がなければ後ろ倒しになることは基本的にはこちらにとってメリットが大きい+元々の古家付きの条件を譲歩してもらっていたので、こちらとして拒む理由は特段無かったことも大きい。
そのため、土地の引き渡しについては最終的には3月半ばころを待つこととなった。

土地の引き渡し自体は極めてスムーズに進行し、特段のイベントなく終了し(解体自体は1週間かからず終わっていたが)、ローンの手続きも土地に関してはつつがなく終了した。

もともと、諸費用も込みでローンの金額を算出していたので、土地の手付けとして準備していた200万が返ってくるような形で余りは出たが。

 

さて、ローン周りの話で言えば一点、注文住宅は土地と建物のローン実行を別々に行う、という点がややこしい部分である。

上記手続きを終え、すでに土地についてのローンは実行されているが、それとはまた別に、建物のローン実行を見る必要がある。

当然、審査は建物に係るため、最終的な実行は建物の完成後になるが、HMとの関係では着工のタイミング、中間タイミング、そして引き渡し時のタイミングと支払いが複数機会到来することとなる。

基本的には、建物代金の割合に応じて決まるものではあるが、建物のローン実行とHMへの支払いのタイミングが不一致であることがネックとなる。

 

HMへの支払いを手元資金で賄えるのであれば、特に気にする必要はない話ではあるが、通常は数千万のキャッシュを保持していることはないと思われるので、建物ローンの分割実行を行うこととなる。

 

その点、なぜかすっかり失念しており、着工直前になり気づくという大変マヌケなハプニングが生じてしまった。

土地のローン実行の際、銀行の担当から「建物実行は完成時。。。」といったことを聞いていた気もしたが(支払い計画諸々含め、資料を渡していたので気を回して欲しいなとも思いつつ)なぜか意識の彼方に消えてしまっていた。

 

慌てて銀行側に分割実行の旨伝えたところ、1週間足らずの駆け足で対応できたがとても焦ったことを思いだす。

 

注文住宅における土地+建物融資に際する留意点、というか分割実行についてはなかなか調べてもでてこないので、何か参考になればと思う。

このようなタイミングで、分割実行を申し出て受けてくれるのか否かについてどの程度一般的な対応なのか不明なのでなんとも言えないか少なくともn=1のサンプルとしてはあるよ、という例として。

 

 

 

 

 

こうして最終的に契約をすることとしたのは桧家住宅である。

決定については最後の最後まで悩んだが、価格・間取りの両方をバランスした時最も自分たちの要望を満たせている、と感じたのが決め手である。

決め手となったのは、プランの柔軟性が一番大きなポイントとなった。
無論、注文住宅である以上、どのメーカーも自由度はあるのだが、他のメーカーはベースの金額が高いということもあり、複数あるプランのうち、基本的なフレームは指定されておりその中から間取りを考える、という方式(ミドルレンジのプラン)。

そのため、構造上の柱、壁等に関する制約がそこそこ大きく、改善の提案についても構造上の理由から対応できない、ということも何度かあった。
他方、桧家住宅については、最も柔軟性の高いプランを選択できたことから、基本的にはほぼ制約なく(土地に起因する制約、斜線規制等どうしようもない問題くらい)、間取りを考えることができた。

HMとの打ち合わせを繰り返す中で、間取りについては相当程度のこだわりが生まれており、商品上の理由から自由度が減るということは選択肢として許容できず、必然的に候補は絞られることとなったと考える。

色々な調整を踏まえた契約見積もり段階の金額は3,500万、土地の金額6,000万と諸費用を合わせ大体1億円の着地である。
ここから、オプションや外構、その他費用に1,000万を見ておき、1.1億円を最大値として勘定する。

こうして、怒濤の1ヶ月を乗り越え、HM選びは決着した。
1ヶ月での決定は短いようであるが、使える空き時間をほぼ全て使っていたので十分な時間をかけられたかなと思う。