1億円の家を買うお話

1億円の家を買うお話

何を血迷ったのか1億円の家を買うことにした30代前半夫婦のお話です。

候補のHMはこちらに記したが、HM選びの基準はなんとなく聞いたことのあるところ、というレベルでの選択であった。

 

主なところでは、ベースの価格に大分差があり、当然それは検討に際して重要な要素となる。

価格の差については、性能含め様々な要素があると思うがその差についてはさもありなん、ということで理解の範囲内である。

とはいえ、予算についてはどうしても上限がありこちらに記載のとおり上限は1.1億で考えている。

 

いわゆるハイコストのメーカーに属する三井・ヘーベルハウスについてはプランニングの段階で、坪数を絞り、それでも上物は4000万オーバーと、予算ギリギリとなる。

当然、これはミニマムの数値であり、ここからオプション等を入れること考えれば相当絞ることは必須となる。


残りの三菱・桧家・アイ工務についてはミドル〜ローコストに該当し、プランニングの段階で3000万オーバーということで、オプションを含めても予算内での着地に余裕がある。


設備に関するこだわりが相当程度あり、オプションの追加は多岐に渡ることが想定されることは目に見えていたので、価格という観点は譲れない要素の1つである。


そうなると予算枠を上限いっぱいまで使うということも選択肢の1つであった。

金利・返済年数に金利上昇のリスク数値を見込んで計算すると、大体1000万の増額が月に2万5千ほどの増額となる。

その場合、月のローンは約24万、年のボーナス払いは約60万だ。


現在の支出状況を鑑みても、月の支出増は飲める範囲ではあったものの、予算内をギリギリまで攻めるのは支出面よりも総額の管理という観点からリスクが高い。


そうなると、土地+建物でまずは1億を見込んでおき、そこからオプション・外構含めて1.1億の枠内に収めるのが最も堅実な資金計画と考えた。


この時点で、候補は絞られることとなり、残るは三菱地所、アイ工務店、桧家住宅となる。














 

 

各社との打ち合わせに際して、一番はじめの段階では間取りを指定せず、条件のみを伝えることとしていた。

 

間取りを考えること自体は苦でなかったたので、自分たちで考える一案もあったが、発想の柔軟化のため、各HMから図面を見せてもらうことした。

 

各社、伝えている条件は同じであったが、それぞれウリとするものが違うからかやはり5社5様のものがでてくる。

 

なぜこの間取りにしたのか?ということも含め、HMの話を聞き、そこからいいアイデアについては他の社との打ち合わせに際してこちらからの提案としてアップデートする、というサイクルをひたすら続ける。

どこかで気が向いたら各社の間取りについては画像でも載せようとは

 

こうしてひたすら修正と提案を繰り返し、1ヶ月間の土日を全て打ち合わせに注ぎ込んだ。

時間としては短い気もするが、ほぼ全ての懸念ややりたいことは伝えることができたなと振り返る。

 

こうして、各社の金額・提案を踏まえた絞り込みを行う。

正直なところ、間取りの提案そのものについてはどの社もクオリティはほぼ同じであった。

各社のウリを活かした提案をいただいており、アプローチは異なれど機能は満たしている。

 

そうなると、最後の絞り込みの部分をどうするか、という部分が悩ましい。

HMを決定するに限らずだが、このような時に必要なのは「自問自答」である。

 

玄関の配置はなぜこうなっているのか?これじゃないといけないのか?

廊下の構造はこれでいいのかメリットは?デメリットは?

 

とひたすら自分で詰め、自分で答えていく、答えに窮するものは原因から掘り起こす。

 

こうして課題を整理し、最後に残ったHMと契約に進もうと考えた。

土地の契約がほぼ確定的になった段階で、HMを探す旅にでる。

HM探しは住宅展示場のモデルルームを見てすすめることとした。

とりあえずどんな建物になるのか、広さのイメージはどれくらいなのかを把握するという意味でも有意だろう思いもある。

 

アクセスが良さそうなところとして駒沢住宅展示場を中心とした見学を進めることとした。

もともと、HMの位置付け等は全く知らなかったので、とりあえず展示場のHPを見て、なんとなく知っているところ、なんとなくいいなと思ったところに一通りアポイントを入れる。

 

大体、全部で8社ほどにアポイントを入れ、最初に打ち合わせをした感触で3社を切ることとし、残りの5社と打ち合わせを進めることとした。

この5社は

・三井ホーム

・ヘーベルハウス

・三菱地所

・アイ工務店

・桧家住宅

である。

 

まずは整理した条件を各社に伝え、打ち合わせに臨む。

基本的な流れとしては

・HMからの間取りの提案(修正案)

・それに対する意見出し

・次回の日程調整

という進行を繰り返す形となった。

 

大体1社あたり1回3時間ほどの打ち合わせとなり、それを5社と並行して行っていくと土日の午前午後をフルに使ってようやく対応できる。

移動時間も加味すると朝から晩まで使ってようやくなんとかできるという具合である。

 

各社と3〜4回ほど打ち合わせを行い、間取りのイメージは固まる。

この間取りをベースに、見積もりをもらい絞り込みをかけることで最終的な決定をすることとした。

 

打ち合わせに当たり、改めて希望する家への要望を細分化して落としてみた。
当時のメモをベースに、こだわりの背景を記載する。


①間取り
4LDK 各部屋7畳ほど
・今の生活を鑑みると、ほぼリビングを中心として生活をしているため、各部屋についてはそこまで広くなくともいいかな、ということでとりあえず7畳としていた。
 元々、土地をいっぱいに使うことを考えていたので(上物の値段を舐めていた故)、とりあえずこれくらいにはなるだろうと考えていた。

②リビング
LDで20畳
・特にリビングが狭いのは嫌だったのでこだわった部分、ダイニングとの配分にもよるがこの位の広さがあれば十分かなと思う。

③キッチン
ある程度の広さ(作業スペース確保)
引き戸で開閉可能な独立型(猫侵入防止)
パントリー併設
ビルトイン食器乾燥機
・基本的に共働きということで家事を楽にしたいという要望が詰まったキッチン、冷蔵庫とは別に冷凍庫を置ける収納量が多いパントリー、大型の食洗機の導入といった基本的な機能は必須
・猫がキッチンに入るのは望ましくないので(衛生的にも猫の健康のためにも)、扉を設け、完全な独立型とする

④浴室・脱衣・洗面
洗面器幅広
着替えをおける棚設置
洗濯仕分けカゴを置けるスペース
・朝、出かけるタイミングが被るので、2人並んで使用できる洗面器は必須
・洗濯したものをそのまま置いておくことで服を持ち込まないでサイクルが簡潔する動線の達成

⑤部屋
主寝室+2部屋(子供部屋予定)
・2部屋については最初はつなげて、あとから壁で仕切りを入れることができるように。

⑥収納
シューズインクローゼット(防寒着含む)
ロフトor屋根裏収納
ファミリークロゼット
・趣味のものが多いので(ゴルフ、ダイビング、スキー、サーフィン、野球)そうしたものを収納できるスペース
・畳む収納が本当にめんどくさいの服はすべてハンガーにかけることを前提としたFCLの導入

⑦トイレ
2つ
タンクレスでない
・タンクレストイレは個人的に不要と考えている

⑧玄関
猫の脱走防止対策2重扉
・一番大事な部分、猫は玄関スペースに入れない用、玄関と室内を区切る形にできる設計とする 

⑨その他
猫のトイレスペース
メンテナンスフリーになる素材・構造
全館空調
・猫のトイレは生活空間から話したいので専用のスペースを設けたい
・全館空調についてはいろいろと検討をしてみると必要だなと考えるようになった。

 

 

注文住宅は面倒くさい。

なんとなく大変そうであるなという印象は持っていたがやはり想像以上に労力をかけていたんだなと振り返る。

 

注文住宅にしたいがポイントがよくわからん、という人に向け、私の考えるあれこれが参考になればと思い適当に書き記す。

 

手続き的な流れ等はまた別に書いていくが、ここではそもそも論として、注文住宅を建てるに際して留意するべき点をまとめてみた。

 

注文住宅は、その字のとおり、自身で間取りからなにから注文して決めるということであり、求める理想を叶えるためには以下のステップを踏むこととなる。

①自分の考えの整理

②理想の家の言語化

③HMへの伝達

④HMによる具体化

⑤相互認識合わせ

 

こうした前提を感覚的にでも把握していないと、注文住宅は失敗するだろうなと思う。

 

HMの評判について、ネガティヴな意見をちょこちょこみるが本質的な部分としては担当の能力+客側の能力それぞれの問題と考えている。

要すれば、自身の要望を他人へと伝わるような粒度にして共通理解を得るためのアウトプット能力(①・②・③)や、(この文脈においては当然ポジティブな意味で)図々しさを持つことが客側に求められており、担当にはそれを自社であればどのように叶えることができるのか、そもそもできないのか、代案を示すことができるのか(④・⑤)、という部分が家づくりにおけるHMとの調整と考える。

 

①〜③は自身の問題なのでいくらでも対処できる、④・⑤についてはHMの問題であるため、打ち合わせの中でいかに担当の能力の有無を確認できるか、というのが肝要だろう。

 

HMへの不満をぶつけている人のやりとりやブログを見ると、どうにもその点をうまく理解できていない(=自身の要望のアウトプット、コミュニケーション不足を認識できていない)ことが要因の失敗が多いのだなと感じていた。

無論、プロである以上は担当頑張ってくれ、という部分も多分にあるが、そこらへんの能力を感じとる力、というのが注文住宅における最も重要な能力だと考える。