黒猫と主人 | [simju]の詩集

[simju]の詩集

紡ぐ言の葉の箱

黒猫と主人
初出1995
016

黒猫と主人

Lyrics/詩麻

 

価値と重さを考えてあの猫はいつも彼女の部屋にいたい

あいつの黒い毛を彼女の醜いところに搦めて

主人に逃げられないように

 

彼女に起こり得る全ての可能性をその爪で否定し

主人の求めるべき全ての欲望をその牙でうえつけ

 

彼女の重さを その名を奪う そのもののみに変化させ

彼女は主人となる

 

その後でその猫にははじめて名前がつけられる

それは主人の名である