
余命宣告を受けて書き始めた寓話集を取り上げるのはこれで3冊めにして遺作のようです。
寓話は擬人化した動物などによる教訓話、そんな中から一番ウケた話をかいつまんで1話だけ
紹介して終わりたいと思います。
『トリクルダウン』
ゾウゼイスル象・ザイム大臣のパートナー、”ゾウゼイヘイ象”(とは何とも秀逸なネーミングだこと)
(*゚▽゚*)
が、テレビに出演しています。
MCの”オオカミさん”(これもまた匂わせぶりが秀逸)(笑)が、問いかけます。
「この構造改革策を拝見すると、大企業や富裕層への減税が中心で、
一般国民への減税措置がみられないのですが、これで経済は復活するのでしょうか」
「もちろんです。トリクルダウンという言葉をご存知ですか。
経済を復活させるためには、まず大企業や富裕層から立て直さないといけないんです。
そうした強いところが復活すれば、その恩恵が中小企業や一般国民に
滴り落ちて経済全体が活性化するんですよ」
「ちょっとにわかには信じられないんですが、本当にそんなことが起きるのですか」
「例えば飛行機が離陸する姿を想像してみてください。まず前輪が上がりますよね。
それが大企業や富裕層です。ただ、そこから飛行機が舞い上がっていくと、
自動的に後輪はついていきます。それが中小企業や一般国民なんです。
後輪から離陸する飛行機なんて存在しませんよね」
その後、ヘイ象構造改革は実行されました。
確かに前輪、すなわち大企業や富裕層は景気が回復しましたが、
後輪は地上に残されたままです。
それどころか、どんどん地中に沈んでいきました。
アニマル王国の国民は、飛行機の構造を調べることにしました。
そして大きな発見をします。
飛行機は、ロケットのような構造になっていて、後輪がついていた1段目のロケットは
発射直後に切り離されていたのです。
そうして前輪のついた2段目のロケットだけが、空高く舞い上がったのです(完)
(⌒∇⌒)ノ””