乳癌と私2014⑥~手術当日(後篇)~ | お散歩の途中

お散歩の途中

2014年6月30日、乳がん告知
2014年8月27日、エキスパンダーを入れた。
2015年2月25日、アナトミカルインプラント(しずく型)インプラントによる乳房再建完了。
東京在住 47歳、159㎝、49kg、Dカップ

目が覚めると手術室にいた。

「38度まで熱が出ましたので、経過観察していました。」

との事だった。


タンが絡み咳き込む。

かすむ声で「ティッシュ、ティッシュ」と言った。

ティッシュにタンを吐く。

のどがイガイガする。

まだタンが出る感じだ。

咳も出る。コホンコホン

タンというより、吐き気をもよおした。

少し吐いた。


力が出ず、起き上がる事が出来ない。

それでも、力を振り絞って顔を横に向ける事ができた。

看護師がこれに吐いて下さい。

と洗面ボールのような物を置いてくれた。

オエーと少しはいた。

再び「ティッシュ、ティッシュ」と言った。

タンをしばらく吐いていた。


症状が治まり、病室まで移動しだした。

エレベーター(患者搬送中)ってやつだ。

ずっと目を閉じていた。

見知らぬ誰かにジロジロ見られてるかと思うと気分が悪かった。


私の階に辿りついたのか、母と夫の声が!

二人とも手を握り、私の名前を呼んでいる。

「お母さん、お母さん」と答えた。


部屋に戻ったのは14:30だった。

7:45出発、14:30帰床


夫に行った第一声は、

私「乳首、乳首ー」

声を振り絞り、乳首は無事か?を聞いた。

夫「乳首は大丈夫だよ。」

私「リンパは」

夫「リンパも大丈夫だと。」


ほっとしたのか、力尽きた。

尿管がついていた。

全身麻酔中にいろんな管が刺されたのだ。

不思議なのだが、全然尿意が無い。

尿管おそるべし。


しばらく経つと、ベッドに寝たままレントゲンを撮った。

肺のレントゲンを撮ったのだ。

背中に板を入れる時、体を4人がかりで持ち上げられた。

「痛い痛い痛い!」を声をあげた。

体が斜めになっているが、OKになった。

人生で2番目の痛みだった。

猛烈にムカついた。

もっと優しくできないのかよ!と・・・。


数時間、タンを吐いて、咳をしていた。

なぜだか涙が止まらず、ハンカチで拭いていた。


心配だったので、人生初のナースコール(夫に押してもらった)

主治医と若い医師がやってきた。

私「涙が止まらないんです、なぜですか?」

主治医「点滴が入ってるから余分な水分が出てるでしょう」

心の私(ガーン、痩せてるせいかなぁ~(ToT))

主治医「点滴が終わったら連絡下さい」


点滴が終わり、数時間後には水を飲んでもOKとなった。

のどがイガイガするー。

はやく水飲みたいヨー。


のどのイガイガは全身麻酔中に強制的に呼吸軌道確保の為にのどの奥まで鉄の棒をさして酸素を送っていたそうだ。

ドラマみたいに、何かくわえていたらしい・・・。

のどの奥までそんなことになっているとは!


許可になった時間になり水を飲む為、体を起こそうとした。

しかし・・・。

自力で起きる事が出来なかった。

信じられなかった。

筋肉まで切除になったのかと不安がよぎるが、そんな事はなかった。

夫が、ベットの背を起こすボタンを押し、上体を起こしてくれた。

グイーン。

なるほど!

パラマウントベッドって快適だな。

パラマウントさんに感謝した。

高さも調整。

テーブルにペットボトルを置いてもらい、自力で水を飲んだ。

腕は少しは上がった。

歯磨きも出来た。

食事をしていないのだが、気分転換に歯磨きした。

口をゆすぎ、吐くのだが、吐く洗面器?のような物を看護師さんにお願いした。

すぐそばの洗面台まで行けない・・・。

早くベッドから降りたいと願った。


夜、夫が帰り、一人の夜2日目。

寝れない!

足に何かマッサージ機?が付いていた。

ふくらはぎを揉み上げる感じだ。

気持ちよかった。


暑い・・・。暑い・・・。

微熱が続いた。

しかも寝返りがうてない!マジか!

痛み止めの点滴で痛みは無いが、力が出ない!!!

ずっと天井を見上げていた。

だが、我慢していたが、さすがに腰&骨盤の両脇が激痛になり、

人生初!

自分でナースコール!

「助けて!すいません、寝返りがうてなくて、腰と骨盤が痛いんです!」

枕?かな?

体を斜めに傾けてくれた。

あああああああ、サッパリした~。

背中の汗も尋常じゃない。

敷いていたバスタオルをはがしてくれた。

「すいません、アイスノンありますか?暑くて暑くて!」

その後、アイスノンを頭においてくれた。

頭を起こすのも困難だった。


その後、わずかに寝たようだった。


気がつくと、早朝のセミが鳴きはじめていた。

ミーンミーンミーン