『NO!梗塞ねこ』~その124~
2017.2.21.10:15頃
入院4日目に、初めての朝食が運ばれて来たのだが、それは今までの私の基準からすると“重病人が食べる流動食”だった。
しかも離乳食かと思うくらいの少量だったのに、私は全部で4~5口しか食べられず、トレイを下げてもらった。
何の理由も根拠も無いが、その時まで私は自分の事を重病人だとは考えていなかった。
「ただ体調が悪いから入院してる」
と、漠然と思っていたのだ。
でも、この朝食を境に私の気持ちが180度変わった。
〈こんなに食べものを残すなんて・・・、俺は本当に病気なんだ・・〉
と、力なく横になって窓を流れて行く雲を眺めながら考えていた。
ショックなのは、気分が悪いから食べられなかったのではなくて、食べたいのに食べられなかったことだと・・・。
こんなのは、生まれて初めての経験だと思う。
雲を見ながらぼんやりしていたら、メガネの看護師さんがやって来た。
「しらはまさん!入院申込書なんですけど、ご自分でサインしてもらえますか?」
と、朝食を下げたテーブルに一枚のA4版の紙を置いた。
看護師さんは、私の方に用紙を置いて言った。
「読めますか?字が小さすぎたりしませんか?」
と尋ねた。
「大丈夫です」
「それじゃ、一通り読んでみて分からないところがあったら言って下さい。誓約書にもなってるけど、何処にでもある一般的なものなので問題なかったら一番下にサインしてくださいね。」
と言って、私が申込書を読むのをじっと見ていた。
私は、普通にサラサラ読むことが出来た。
入院を申し込む旨、また入院に当たっての注意事項や、医師や看護師の指示を受け入れる旨の諸注意が書いてあった。
「ここにサインですね?」
と、空欄の“担当医”の下にある“自署”の空欄部分を手に持ったボールペンで指した。
「分からない単語とか、文章とかありませんでしたか?」
と重ねて聞かれたので、
「大丈夫です・・・・注意事項は忘れる事があるかも知れないけど、そのときは注意してください」
と言って“自署”の欄に名前を書こうとした。
ここで、本格的な体の変調を知ってビックラこいた!(なんだか・・・古いな!)
“自署”の欄と“主治医”の欄の下に“下線”が引いてあったあったので、そのガイドラインに沿って『しらはま あきら(仮名)』と書こうとしたら、文字を覚え立ての小学生の様にヘロヘロで、しかも右斜め上方に名前がうわずっていくのだ。
「うわっっ!字が・・・真っ直ぐ書けない」
看護師さんは、
「大丈夫ですよ。これは形だけですからサインさえしてくれたら大丈夫ですから、どんなになってても大丈夫・・・ふふっ」
と、私の気持ちを落ち着けようと誘い笑いをしてくれた。
しかし、私は自分の名前の出来上がりを見て凹んだ。
「あぁ・・・先生がサインする場所がなくなっちゃった」
出来上がりは、小学2年生のテストの名前の記入欄のようになった。
書き取り・ハードだ!!!!!!
文字を覚えたての頃のを思い出した。
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