パリに抱かれて
Paris, Tu M'As Pris Dans Tes Bras
エンリコ・マシアス
作詞 ジャン・ペニエ Jean Pégné 作曲 エンリコ・マシアス Enrico Macias
1963年に作られ’64年にオリンピア劇場で発表し、好評を得たというシャンソン。
原題を直訳すると「パリ、君はその腕に僕を抱いた」となるようですが、アルジェリア動乱のあおりを受けて家族でフランスへ移住し、シャンソン歌手になる決意でパリに出てきたマシアスにとって、自分を温かく迎えてくれたパリの街に対する感謝の念を込めて作られ、歌われたとされている。
マシアスは、アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人です。
アルジェリアは、1962年に独立するまで1世紀以上フランスの植民地でした。
マシアスもアルジェリア独立後に追われるように帰仏した入植者(ピエ・ノワール)の1人にならざるを得なかったのです。
帰国した後も、決して順調だったわけではなくピエ・ノワールとして差別・区別視されていたと思われます。
ピエ・ノワールという言葉自体に差別的な意味合いが含まれるようですが、そうした人たちの強力な支援が、大きな力となったに違いありません。
また、世界中をコンサート・ツアーしているマシアスですが、最後の「パリ」のところを現地の地名に置き換えて歌い、ファンを喜ばせていたようです。
日本のコンサートでも、「Et toi Tokyo et le Japon. je suis bien dans tes bras.」と歌い、
聴衆の大喝采を受けたそうです。
シャンソンとしては、なんとなくオリエンタル風なマシアスの曲は、それまでにないエキゾチックさをもって当時の人々に新鮮に響いたのではないでしょうか。
参考
「君の話をしておくれ」
https://youtu.be/K8LFIFz3Gjo
「愛しあう二人」
https://youtu.be/aYhpqIzWgNM
「愛は生命」
https://youtu.be/rid2CzBf2vM
「幸せに涙して」
https://youtu.be/DEQFidfbO-A
訳詞・歌 Sima
Pf. 江口純子 in 市川 ラ・メール
訳詞 no.171 (初稿)
シャンソン・訳詞のチャンネル
chanson de Sima (Sima World)
https://www.youtube.com/user/fwhy3109/videos