「黄昏のビギン」は、第一回レコード大賞をうけた水原ひろしのデビュー曲であり、中村八大がポップス界に進出する起点ともなり、同時に作詞家としての第一歩ともなった八大の後輩・永六輔の作詞家デビューともなった「黒い花びら」に続く、シングル第二弾の「黒い落葉」のB面として1959年10月プレスされたもの。
1959年、中村八大は東宝映画『青春を賭けろ』の音楽監督に応募、ジャズ奏者であったが作曲家として何の実績もなかった八大は東宝側から翌日までにロカビリー曲を10曲用意するよう要求される。
中村は偶然出会った後輩で放送作家の永六輔をつかまえて、自宅マンションで一昼夜かけて映画のテーマ曲「黒い花びら」等の10曲を提示して音楽監督の座を射止めた。
「黄昏のビギン」もその中の一曲と思われるが、八大が一部の詞を書き足して同年の末に公開された東宝映画「黒い落葉」の挿入歌として水原ひろしが歌い、レコードにして発売されたがB面ということもあり、ほとんど反響もないまま埋もれていたものだが、一部の音楽フアンからは評価を得ていて、根強い秘かな人気作としても知られていた。
この作品は、永六輔と中村八大の共同作詞・中村八大が作曲とあるが、のちに永六輔は作詞も八大だとラジオ番組の中で明言している。
ワンコーラスだけの唄として、当時作られた映画の中でロカビリーの歌手によって歌われたものを、上述のように八大が書き足して仕上げたことからの言と思われる。
1991年、ちあきなおみのカバーアルバム『すたんだーど・なんばー』に黄昏のビギンが収録されることとなり、アルバムの先行シングルとしても単独でリリースされて話題となりヒットにつながる。
同年10月から半年間、京成電鉄「スカイライナー」のCMに使用されたり、1999年にはちあき版がネスレ日本「ネスカフェ・プレジデント」のCMに起用、2003年まで4年間にわたり採用されていた。
Cover盤は、ちあきなおみの他、中村美律子、憂歌団の木村充揮、石川さゆり、さだまさし、菅原洋一、中森明菜、中村中、稲垣潤一、岩崎宏美、鈴木雅之・鈴木聖美、小野リサ等々数多に及ぶ。
参考(私選・和シャンソン)
ワインレッドの心
https://youtu.be/r3NbPdFzKY4
見送った季節のあとで(by Sima)
https://youtu.be/Tw_-kmBdw-E
過ぎ去りし想い出は
https://youtu.be/JcqdkQ0DZvI
季節の中に埋もれて
https://youtu.be/eVK_876CrU0
翌朝
https://youtu.be/Wsb8PNeUcQI
歩きつづけて
https://youtu.be/M21qmIwXb5I
時代おくれの酒場
https://youtu.be/_mRZYO4wh0U
涙をふいて
https://youtu.be/UmcXcv6wcE8
身も心も
https://youtu.be/IoBKqW9Oy8Q
光る河
https://youtu.be/OePtQPk8LWc
昔聞いたシャンソン
https://youtu.be/SARNQLq7kyM
仏語版 わかって下さい 「信じているよ」
https://youtu.be/Y120MMPYx0U
酒と涙と男と女
https://youtu.be/efSTPB1viGQ
小心者
https://youtu.be/EFbUqgOy3Bg
Cover by Sima
Pf. 江口純子 in 市川 ラ・メール
シャンソン・訳詞のチャンネル
chanson de Sima (Sima World)
https://www.youtube.com/user/fwhy3109/featured