足付き微妙というところから始まったトランザルプの感想ですが、それ以外ネガなポイントは本当に無かったです。足付き、足付きさえよければ… NT1100やTracer9を差し置いてハンコ捺してただろうなぁ…
ただ足付きって発進時はもとより、信号で停車するとか交通整理で停車するとか進路に何か飛び出してくるとか景色に目を留めて停車するとか、あらゆるシーンで発生するイベントなので、ここに毎回毎回着座位置を前にずらして腰を左にずらしつつ「この角度この姿勢この地面の状況この傾きで足を付いて大丈夫か」という思考・判断リソースを割くのはマジ危ないと思ってます。ただトランザルプの感想が「以上終了」かっていうとそんなことは無いので、こんなバイクだったよ、ということは述べておきたい。
乗車感
アイポイントがめっちゃ高い…
たぶん高さとしてはTracer9GT+ Y-AMTなんかも相当高くて大差ない気はしていますが、トランザルプはスクリーンの高さもほどほどで、視界がスクリーン越しになりません(スクリーンが視界に入るのは邪魔とか、そういう話ではないです)し、周囲の乗用車はトランザルプからすれば低い場所で蠢く物体Xです。
あとオフローダーなので当然ですが、スタンディングがアホみたいにしやすいです。結果、周りが開けていると意味もなくスタンディングして風と風景を楽しみたくなる。後続車からするといきなり前方のドライバーが立ち上がるのでびっくりしたことでしょう。
そしてハンドルが広いので、座っている時のコックピット感も下手するとNT1100より強いです。しっかりコックピットに収まりつつ非常に広い視界。これは気持ちいい。とにかく視界が広くて気持ちいいバイクなので、走ってるだけで気分爽快です。山に行きて~
乗り心地
シートの座り心地は普通です。いわゆる上半身直立のアップライトなスタイルで乗ることになりますが、これよく楽な姿勢って言われるけどそんなことないと思うんですよね。なぜなら振動が全部腰に来るのと、上半身の重さがケツの一点にかかるから。
結果腰痛とケツ痛を誘発します。一番楽な姿勢は若干前傾で着座位置を自分で前後にずらせるシートに座ることだと思ってます。
トランザルプはハンドルが広いので、たまに前傾姿勢を取ってみたりするといいかもしれません。着座位置を後ろにずらすと不意の停車時に足付きの悪さからスッ転ぶリスクが上がるので、高速道路や自動車専用道路以外ではやめた方がよいかも(トランザルプでも足が楽々つく人はOK)
エンジンは中低速でドコドコ感がありますが、90km/hを越えると甲高い吸気音が響き始めて、あぁ今めっちゃ加速しとるわ感が爽快です。そしてどの速度域でも安定感は素晴らしいです。NT1100が105km/hからケツ穴直撃の微振動に見舞われていたことを思うと、トランザルプは振動こそあれ不快な振動はほぼ無かったです。
走行フィーリング
けっこうオーバーステア気味かも。
ハンドルがめっちゃ切れるので、他のバイクのつもりで倒しこんでコーナーリングすると内側に入り気味です。あっと思ってアクセル捻ってえらい勢いでコーナーから飛び出すというのを3回くらいやりました。まぁこの辺は慣れの問題。
このバイクで龍ヶ崎市から下道を走って東筑波ユートピアへ行ったのですが、レンタル開始時に「林道とかはやめといてくださいね~」「行く予定ないっす~」とかいう会話をした気がします。
50分後「こっ、これは林道じゃあないのか… 本当にこの道で合ってるのか…」とか呟きながら必死で前方を見透かしつつ濡れたほっそい路面に積もった落ち葉の上をグラベルモードにして走る自分がいました。グラベルを使うとか思いもせんかった。前日猛烈に雨降ったからね…
結果から言うと、落ち葉の上だろうが狭隘路だろうが登りヘアピンだろうが物ともしませんでした。中型バイクだと2速でバックトルクを半クラで逃がしつつ後輪スリップに怯えて走るところですが、EクラONのままギア上下だけで走って何の不安もない。
車体もデカく見えてその実細く、ハンドルは切れるしパワーも十分というかなんならミドルクラスのアドベンチャーでパワーだけならトップクラス、21インチ90mmの大径で細いフロントタイヤが落ち葉をかき分け落木を乗り越えてガッシガッシ進んでくれます。
途中から安心感がすごかった。
あとは高速道路ですかね。80km/h巡航は低回転でおとなしく走っていますが、追い越しをかけようとアクセルを捻るとユニカムエンジンが吠えてトルクが湧いてきます。5速に落とすとか必要無かった。そのまま機嫌よく120km/hとかで走って行ってもどこも無理してる感がありません。そして6速だと120km/hでも大して回ってないです。3~4000の常用域レベル。振動も大したこと無いので、そのまま120km/hでずっと走っていきたい。聞いているのかNT1100。これがツアラーに求められるものだ。
防風性
トランザルプのスクリーンは大きくて防風性が高いという人と、いや大した防風性は無いという人がいます。
今までその人が乗ったバイクの中での相対評価にならざるを得ないので、この辺はもう各自で乗ってみてくれというしかないのですが、個人的な感覚で言うとADV160に近いです(ADV160に乗ったことのある人にしか分からない表現)
高速走行時にどの辺に風が当たっているのかを調べてみると、上はヘルメット直撃。だいたい目の高さ。両サイドは腕には風が直撃している感じです。首から下、胸の前あたりは無風です。
これは脇を締めて上半身を伏せるとスクリーンの防風域に隠れることができるということで、やってみるとアクセル開度はそのままで速度がメーター読みで10km/h上がりました(これもADV160と同じ)