しろがねのバイク語り -7ページ目

しろがねのバイク語り

しろがねがバイクについて試乗やツーリングの感想をあれこれ書き連ねているブログです。世にもっとバイクの情報が増えますように。

DCTについては前回感想を述べたので、今回はNT1100のクルコンと防風性能について。

どちらもNT1100の売りのひとつですね。

 

 クルーズコントロール

 

で、さっそくクルコンですが、使いにくいねん。

クルコン関連のボタンが右に集中しているので、アクセル捻りながらクルコン操作しなくちゃならんです。

例えば80km/hで走ってるときにクルコンセットしようとして右手でボタン操作しようとする ⇒ ホールドしているアクセル開度が右手を動かしたことで変わる ⇒ 狙った80km/h外れるというのがお約束パターン。

この配置考えたデザイナーほんまにバイク乗っとるんか。

 

まぁセット速度がずれたとしてもその後ボタン操作で速度修正すればいいんですが、ボタン操作したとて今何km/hにセットされているのかさっぱり分からない。

そんな手元の速度にこだわるより流れを見て速度調整しろというホンダのスパルタンなメッセージでしょうか。まぁ正しいけど。速度が修正されてるのかどうか分からなくて車間詰まっていくのが怖いんだよ。

 

これTracer9GT+ Y-AMTならクルコン関連のボタンが左にあるのでアクセル開度調整しながら速度セット簡単ですし、その後の巡航速度もセット速度が表示されるので超分かり易いんですが(そのかわりに左にボタンが密集していて左手が忙しい)

 

とはいえクルコンなんて右手を使わずに走るのが本題なので、適当な速度で流しておいて、周囲に他車が増えてきたらクルコン解除してちゃんと気を付けて走りましょう、で十分なんですけどね。

NT1100の巨体が何も操作しなくても爆走するのが楽しいです。

やっぱりクルコンはあるだけでもえらい。

 

 防風性

 

防風性についてはNT1100は現行バイクで最高級の一台でしょうから何をいわんやですが、敢えて言うなら「夏は手加減してくれ」

暑いねん。

スクリーンを一番上まで上げればドライバーは走行風の直撃からは完璧に守られます。せっかく気温警戒して中に冷感シャツ着てメッシュジャケット羽織って高速道路走ってるのに汗ダラですよ。

たまらずSAに入ってスクリーンを一番下に下げました。下げたが… 素晴らしい防風能力ですこのバイク。ヘルメットの目線より上辺りくらいにしか直撃風来ねぇ。

手もディフレクターで直撃風から守られているので、気温高い日にNT1100で走るならなんか冷える工夫が必要です。走行風はあんまりアテにならん。冬は快適だろうなぁ…グリップヒーターもあるしなぁ…

あと最新モデルのNT1100はスクリーン上下も簡単になっています。手が届きさえすれば跨ったまま片手で動かせます。

排熱は常時熱風ではありませんが、エンジンが景気よく回ると大排気量にふさわしい熱風が靴底辺りを加熱します。

まぁでもこれはTracer9GT+ Y-AMTよりはマシ。あいつの熱風は走っている間中ずーっと左足の脛から下をこんがりローストしてくる。

 

最高クラスの防風性能にクルコンで快適に走れるツアラーNT1100。真夏のツーリングはつらたんですが、走りに行くなら涼しい地方に走りに行きましょう。たぶん片道300kmくらいなら苦も無く走れますから、日が昇る前に出発して気温が上がる時間帯は高地にいるとかで。

Tracer9GT+ Y-AMT(車名が長い…)をレンタルして7.5時間 250kmほど乗りました。

コースは都内から首都高に乗り、渋滞回避のために途中で高速を降り、多摩市内を走って下道で宮ケ瀬湖まで。そこからヤビツ峠を越えて秦野丹沢ICから東名に乗って首都高です。

 

高速も市街地も峠も走ってついでに風景も楽しんでやろうという欲張りコースですね。

 

Tracer9GT+ Y-AMTはNT1100の翌週に乗ってますが、この二台を乗り比べてどっち買うか迷っているドライバーは多そうです。

NT1100に負けず劣らずTracer9GT+ Y-AMTは盛りだくさんなバイクなので、まずはY-AMTから。

 

 Y-AMT

 

初手のアクセル捻った時の飛び出し感はNT1100と大差なく、ブレーキ引きずって発進するようにして、慣れたらブレーキ無しでも滑らかに発進できるようになりました。

最初はATモードで走っていましたが、何せDモードで44km/hくらいまで2速で引っ張るので、信号の多い市街地や混雑気味の道路を走るには向いていません。2速だとアクセルオフにしたときのバックトルクがそれなりにきついです。

高速に乗ってしまえばDだろうがD+だろうが6速で走ってるのでどっちでもいいんですが、微妙な中低速の下道が厄介ですね。

ATモードでもシフトレバーを操作してギアチェンジできるので、2速でシフトアップOKのサインが出たら手動でシフトアップすることで中低速も走れましたが、だったらこれもうMTモードでいいやってなもんでATモードはさっさと見切りました。このバイクはMTで走るのが楽しいんやきっと。

 

で、実際脳が痺れるほどMTモードが楽しかったです。

 

通常、バイクのシフトチェンジは

①よっしゃギア変えるで

②アクセルオフ

③クラッチ握る

④ペダル操作

⑤クラッチ戻す

⑥アクセル回す

⑦ギア変えたで

という行程で進みます。

実際には

①よっしゃギア②③④⑤⑥アクセルクラッチオフペダル握る操作戻せ回せ⑦変えたで

てな感じですね。

脳内で「ギア…」と思った瞬間に②~⑥を行って⑦で「ギアを変えるなんて言葉は俺たちの世界にはねーんだ… ギアを変えた、なら使っていい!」と脳内プロシュートの兄貴が言ってます。

この間1秒はかからず、熟練者なら0.2秒ほどで一連の操作が完了するでしょうか。

 

が、Y-AMTは指先一つでシフトチェンジが完了します。ギアのギが思い浮かぶかどうかの刹那に0.1秒でシフトチェンジが終わっている。しかもペダル操作ミスって3速⇒3速(恥)とかアクセル戻ってないのにクラッチ切っちゃってエンジンがガオン(恥)したりなんてことは100%無い。

脳にギアが直結してるイメージ。電光石火のギアチェンとか爆速シフトとかそういう概念じゃない。ギアだのシフトだのそんなもんを操作する必要はねーんだ。

俺が。俺がバイクだ。

YAMAHAも人機一体って言ってるしね。

 

ライバル社のDCTと比較すると、マニュアルシフトはどちらが早いかは微妙なところですが、DCTが「… レバーカチッ」「(カシャ)」にっこり、みたいなシフトチェンジのアクションを可能な限りドライバーの意識から排除しようとしているような静かな挙動になっているのと比較すると、Y-AMTは「レバーを弾く」「キュボッ(ガシャン)」ニヤリ、みたいなシフトチェンジしていることをドライバーに伝える挙動になっています。お前は今バイクを操っているんだ、とY-AMTが言っているかのよう。DCTの「変えときました」とは真逆の体感です。

また、Y-AMTのMTモードはドライバーが設定したギアをかなり保つ傾向があります。6速60kmで走っていて流れに合わせて速度ダウン…45kmでまだ6速…ここから捻ってまた60kmてな感じで、ATモードだと45kmなんて速度域はさっさと3速にシフトダウンするのですがMTモードはドライバー主導な感じです。

NT1100のMTモードだとギアごとの速度領域がきっちり決まっていて、ドライバーの意に反したシフトチェンジをけっこうしちゃってくれるのですが、Y-AMTのMTモードはドライバー寄り添い系ですね。

 

これは峠楽しいんじゃなかろうかと期待してヤビツへ。

あ、MTのドライブモードですがStreetとRainとSportsがあります。どれがイイかは自分で試してください。私は結局終始Streetで走ってた。

 

ヤビツは2速3速をバシバシ切り替えて脳内麻薬ドバらせつつワインディングを楽しみました超楽しかったまた行きたい(でも後ろから来たGIXXER 250の方がだいぶ速かったけどね。しょうがないね)

 

ヤビツを抜けた後は高速走って帰ってきましたが、街中を走る際もY-AMTのシフトチェンジは脳直結で、思ったときにはチェンジしているダイレクト感が病みつきになるほど楽しいですし、何よりミスらないのがいいですね(へたくそ的感想)

DCTがオートマ感を前面に押し出しているのに比べるとY-AMTはあくまでもマニュアル操作を主軸にしているんじゃないかと思います。ATでも走れるってだけで、DCT車とは方向性が違いますね。比較して悩むようなものじゃないね。

 

高速走行ではY-AMTの出番はほとんど無いので、他の機能やら走りの感想はまた別の機会に。

 

NT1100と比べた際のTracerの感想は「こいつはツアラーっぽく走れるスポーツバイク」と巷で言われている通りです。日帰りツーリング主軸で峠も行きたいし高速も楽に流したいしとにかくいろいろやりたいって人はTracerでしょう。600km走って「んー今日はもうこんなところまで来てしまったのかフフフ」って余裕綽々で言いたい人はNT1100です。

 

ちなみに停止するとギアを自動的に1速まで落としてくれるのはDCTもY-AMTも同じなのですが、DCTが静かに落していくのに比べるとY-AMTは通常のバイク同様のシフトダウン音がカッツンカッツン発生するので、周囲の人に「あ、あいつ今頃シフトダウンしてる?」と思われること請け合いです。

NT1100をレンタルして7.5時間 250kmほど乗りました。

コースは都内から首都高に乗り、関越道から花園IC。そこから下道で140号に入り、バイパスを通って秩父グリーンミューズパークです。

 

特に秩父に用があったわけでは無く、単にNT1100を乗り回したかった。

 

NT1100は盛りだくさんなバイクなので、まずはDCTから。

 

 DCT

 

最初にアクセルをひねった時は若干飛び出し感を感じましたが、リアブレーキを踏みながら発進すればよいと聞いていたのでそのようにしたところ滑らかな発進が可能でした。

そのうちアクセルの癖にも慣れてきて、ブレーキなしでもスムーズに発進できるようになりました。

首都高に入るまで大渋滞だったので、さっそくDCTで渋滞走行を堪能。時速8km以下の極低速でもわずかにアクセルを開けていられる限りクソ重車体は安定していますが、アクセルを戻してトルクが抜けると高い重心が災いしてフラフラします。低速でのパーシャルスロットルがコントロールできるとDCTで渋滞は楽々ですね。信号は敵。薙ぎ倒したい。

この辺の低速でトルクがかかるかどうかの微妙なアクセルワークはスクーターの経験があると簡単かもしれません。ADV160と同じ感覚で操作できました。

 

高速道路ではDCTに完全にお任せ。Dモードならギアを高めに保って低回転で回そうとするので、燃費もよくなります。ライディングモードはほとんどtourで走っていました。rainもurbanもわざわざ使おうとしない限り使わんでしょこれ…

 

高速道路を走っていて気になりましたが、100km/hを超えた辺りからアクセルを捻っても振動が激しくなるばかりで速度はさほど伸びていく感じがしません。メーター読み105km/hを超えて微振動がケツの穴を直撃し始めたのでこれ以上の速度を出すのを諦めることにしました。NT1100は欧州では平均160km/hで走ることを想定して設計された車種らしいので、この個体だけの症状かもな… もしくは100km/h近辺はさっさと通り過ぎて120km/h辺りまで突き抜ければマシになるのかな。

 

下道に入ってATからMTに切り替えてみました。

速度を上下して手元のボタンでギアチェンジ… うーん、微妙。

ドライバーがギアを保ちたいのに速度を下げるとけっこうあっさりと落してしまいます。

この辺り、次にレンタルしたTracer 9GT+ Y-AMTなどは、MTモードだとかなりギアを保ってくれるので手動シフトでの走行がかなりやりやすかったのですけどね。代わりにATモードが街中などでは微妙なのでNT1100の特性とは真逆でしたね。

 

ATのDモードは使いやすいというか、これこそ大排気量ツアラーであるNT1100の燃費稼ぎ用としてデフォルト用途に設計されているのでしょうけど、上り坂などでも早々にシフトアップしてトルクが不足してスナッチングっぽい動きになってしまうのがあまり賢くないところ。君IMU付いてるでしょ… こういう時は手動でシフトダウンしてあげるとイイ感じです。

ただまぁ、慣れてくるとDモードが苦手とするシチュエーションも分かってくるので、その辺はドライバーが手元のシフトチェンジボタンで補完してあげればよいだけのことですね。基本的には凄く優秀で変速ショックもほとんどなく、早め早めにシフトアップして燃費を稼いでくれます。

なお、ワインディング路でSモードも試してみましたが、それまでドコドコと機嫌よく走っていたNT1100がエンジンの咆哮と共に低ギアを引っ張り始め、エンブレによるバックトルクが襲い掛かってくるので、それまでジェントルに走っていたNT1100に調教された体には違和感が凄い。別にDモードでも普通にワインディング走れるし… まぁこういうのが好きな人にはDCTでもこういう走りもできるよってアピールにはなるかもですね。

あくまでもNT1100はDCTによるお気楽ツアラーであってスポーツっぽくも走れるけどツアラーが本分という感じです(大排気量によるパワーとめっちゃよく利くブレーキ、高い重心を備えているのでスポーツ走行が不得意というわけではないはず)

 

基本的にDCTのDモードでお任せで走っても快適ですが、ところどころドライバーが補助してあげると快適度さらにアップというところですね。

というわけでNT1100に乗ったらATモードのDモードで95%くらいは事足りるという結論でした。