製造効率のために・・ 

 

 これは全て製造する側の問題にあります。


 “蓋の形を複雑にすればするほど”作業時間が増えてしまい、能率ががたんと下がってしまうからです。

 同一型にして簡略化すれば一日200個出来る製品も、二つのパーツに分けて作るとたったの50個しかできない事もあります。

 蓋だけで値段が三倍になってしまいます。


 また蓋の頭をつまもうとしても、蓋の頭が滑ってしまう。こんな経験をされた方も多いと思います。

 これは熟練した製造者の最も力を入れたデザインでした。


 しかしながら熟練した製造者に高額の給料を支払わなければならず、彼等に支払うだけのポットを買う消費者が激減し、結果的に簡単な製造方法を選択せざるを得なくなったようです。

 

 ポットの頭に”いきな計らい”されたデザインが無いのはそのためです。

 ”頭がくびれて”いてどことなくポットを象徴するデザインだったはずがいつの間にか”ずん胴な形に変化し、滑りやすい簡単な形になってしまいました。


 これが一つ目の手抜き作業の始まりです。



 続く!

                              同一型では


 話を始める前に、陶磁器知ったかぶり第五五号 ティーポット製造法(4)

を参照してくださいね。


“蓋の頭と蓋を一の型”で作ってしまうと、複雑な形の蓋が出来なくなってしまうのです。

 どういうことかといいますと、、ここからは技術的な話にないますが

“くにゃくにゃ”した、例えばS字の形をするような複雑なラインを描く蓋は出来ないのです。


 試しにイギリスのウェッジウッドやドイツのマイセンのポットの蓋をご覧いただけれはわかるかと思います。蓋の頭と蓋のラインが曲線を描いていることがよくわかりますよ。


さて、“蓋の頭と蓋を一の型”にしてしまうことで

 1)ふたの頭の形をストレートにして作業しやすくするのです!

   形は煙突型とか台形型です。これでは蓋の頭をつまめば滑るのは当然ですよね。

  

 2)”蓋の底”のフックを失くしてしまうと!

   傾けるだけで蓋が落ちてしまう。


 3)蓋の袴・底が深くせず浅く作ってしまうと!

   重心の関係で傾けただけで突然蓋が滑ったり、落ちそうになってしまいます。



続く!!


 

                     蓋の頭と蓋


蓋だけのトラブル
 ○ティーポットを傾けた時に蓋が落ちてしまった。

 ○落ちそうになってあわてて蓋を押さえた。

 

 こんな経験をした人には大変大きな問題です。



そこでこんな蓋があるポットを探してみてはどうだろうか?

(もしこうしたポットをお手元に置いてある方は見る眼がありますよ。えっ、当然ですって?笑)


 1)蓋の底に傾けても蓋が落ちないようにするフックが一つ付いている。

 2)完璧を求めるとすればそのフックが二つ付いている。(ごくまれにあるんですよw)


そうなると、当然フックを動体にはめる分だけの穴が削られているはずだ。

(ここまでしてあるポットを見つけるのは最近では難しくなりましたね)


さらに、蓋自体にもちょっとした工夫があります。 

 3)蓋の袴(底の部分)が長い。(蓋全体の背が高い)

  (重心が下にあるために傾けた時に落ちにくいという工夫がなされている)



 このような蓋を持つポットは絶対に蓋が落ちる事はありません。


 どうです?お手元にあるポットはそういった工夫がなされていますw?

 


続く!


製造方法


その作り方とは・・

 1)蓋の頭(つまむ部分)と、蓋を合わせて一つの型に

 2)胴体と袴と口元を合わせて一つの型に

 3)ハンドルだけを単独で一つの型に


 こうすれば三つの型で簡略化出来るわけです。


 こうした作業過程を経て作られたポットが日本の市場に出回っているのです。


 まさにこれこそが本来のポットの役目を100%果たさず、コーヒーを注ぐ際にあらゆる矛盾を抱えてしまいます。


 そこで今まで書いてきた内容のトラブルが起きて来たわけです。

 


それでは蓋の矛盾から説明しましょう!



続く!

                    簡略化した製造


 前号ではティーポトを作るに六つの作業工程を必要とする、と書きましたが

こうした製造方法はものすごく高い値段になってしまいます。


それを消費者に手が届く値段にする為にどうするか・・


知りたいですw?


メーカーは考えました。

実は六つの型パーツを一気に三つの型パーツに減らして、三つの型だけ完成できる“型”を作ってしまうんです。


 そうすることによってなんと半分の作業でポットが出来てしまうのです。


それでは、どう三つの型に収めるのか見ていきましょう。 

続く!