ポット最終章


 ポットの事だけでこんなにたくさんの秘密が隠されていると思わなかったのではないでしょうか。

 

 実は今から六十年前から少しずつ製造方法を簡単にしてしまい現在にいたっているのです。

 

 これはアメリカ型ウオーターダウン。

なんでも薄めて簡単にしてしまうアメリカ文化をそのまま受け入れてしまった処に大きな起因があるのです。

 少しでも消費者に良かれと思って単純化したばかりに、どんどん粗悪なものに変化してしまったわけです。


 これはポットだけに限りません。

(陶磁器だけでなくそのほかの製品にもそういった感が見られます)


できれば少し高いかもしれませんが本物のポットを利用してもらいたいと思います。

 

さて何度も申し上げていますが、ポットを買う時の心得として・・・


 1)まずポットを持ち上げる。

 2)傾けてみる。

 3)蓋の頭をつまんでみる。

 4)水の流して放物線をみる。

 5)蓋が落ちないか確認して、ボディーの中の切り口を見る。

 6)ボディーの中に11個の小さな穴が空いているのを見る。


これだけの確認は必要です。

でもこれだけでおしまいではありませんよ。


 ティーポットには背の高いポット、それに低いポットとあります。

 背の高いポットはテーブル用に、大人数用に。

 背の低いポットは持ち運びできるように。小人数様に。

 

どちらかを選ぶかは目的に応じて考えてみてはいかがでしょうか?

さて値段の方ですが 


 \1,000前後ではこのような製品はありません。

 最低でも\2,500~は必要でしょう。



あとは買う人の心意気でしょうか?

でも使い勝手のいい紅茶がつい飲みたくなるようなポットを購入していただければ

少々高くても“Priceless”ではないでしょうか笑


それではすばらしいティータイムを楽しんでください!


続く!!


                      ハンドル

 

 最後はハンドルです。

 皆さんがポットを買う際にハンドルをつかんだ瞬間、どこかしら感触が変だと感じた時はないでしょうか。


 実は前にも書いたようにハンドルの形の元々のオリジナルはアメリカ人が使ったポットをコピーして作りました。それが何十年も掛けて徐々に変化し日本人用に作り変えられて行きました。

そのためポットの形が日本古来の急須に近づいて行ったのです。


 じっとポットの形を眺めて下さい。

 なんとなくポットの背が低く日本の急須に似ていると思いませんか?

 西洋では背が高く立派に見えたポットも、日本では背を低くして運びやすくしたのですね。


 それがポットを持ちにくくしたのです。


 その為に

 1)ハンドルの幅が狭すぎたり、低すぎたりする。

 2)ポットのハンドルを持っても指が入らない。


 ポットの背が低すぎるために指を二本入れるべきか?三本入れるべきか?つい迷ってしまう。


 3)さらに滑り止めがありません。


 その理由はどこに滑り止めを作っていいのか、分からないのです。

 アメリカ人の様に大きな手ならともかく、日本人の手は小さい。

 要は日本のポットは背が低すぎるのです。



 ハンドルを持った時に口先が傾かないような、背の高さが大切です。

 やはりポットは出来るだけ背の高いポットを選ぶべきです。


 

続く!!



                      

 

 

                    胴体に穴を


 ポットの蓋を開けて胴体の中を見て下さい。胴体と口先が別々に作られているポットにはその境目には9個ないし11個の穴があけられています。

 

 この穴は必要な分だけ水が出るように制御の働きをしています。

 

 胴体に穴をひつよな分だけ開けることによって、コーヒーが放物線を描いて出るようになる。川の流れを制御するダムのような役割を果たしていると考えて下さい。

 これが本来のポットなんですよ。


 しかし胴体と口先がつながっている穴が無いのは胴体と口先が一つの型で作られた証拠であります。


 こうして作られたポットはコーヒーがぼとぼとで出過ぎたり、ちょぼちょぼとしか出なかったりと色々です。

 もちろん中には簡略化した形でも上手く出るポットもありますよ。貴方がたまたま運のいいポットに当たったことになります。


 つい“ラッキー・おめでとう!”と叫んでしまいたいですね。



 続く!


                  一体化した胴体と口元



 しかしながら、こうした作り方は極めて難しく、熟練した労働者しか作ることが出来ませんでした。

 たとえば胴体と口元を直角にくっつけなければならない、、ect。 


そう言ってイメージできないですよね、ゴメンナサイ(笑


 私が言いたいのは、“直角にくっつける技術・・ect”は何年もの経験を必要とするプロの仕事ということです。


そこで考えられたのが

 胴体と口元が一緒になっている型を予め作る事るということです。


これにより、そういったプロの仕事が省けますよね?


 しかしそれには大きな矛盾が出てきます。


 もともと胴体を少しぶ厚くしないと、

 1)高温度の焼成段階でぺちゃんこになってしまう。

 2)同時に口元が分厚いと口先が細くなってしまう。


それでもこうした矛盾を抱えたまま製造しました。

価格を考えるとこちらの方を選択せざるを得ませんでした。

とにかく安く作らなければならない。


続く!!


                 

                     胴体と口元


本来の作り方は“胴体と口先”は二つのパーツに分けて別々に作っていました。


その理由はとは・・(ここからは技術的なお話ですよォ)


 1)胴体を高温度で焼成すると胴体本体の重みで背の高い形の場合、崩れてしまうから。


 そのことを踏まえて、しっかりとした胴体にする為に胴体の型に流し込んだ泥の厚みの比率を他のパーツより多少高く設定していました。


 2)また口先は水が通りやすいよう少し肉厚を薄めに作ることが出来たのです。


 この二つのパーツをくっつけてポットの形にしていました。


 

 そういったしっかりとした技術的構造をしていれば、複雑な形をした胴体でも焼いている間に変形せず、その上蓋をはめる穴は円形を保ち、傾けた時に蓋がずれ落ち無いような一つあるいは二つの穴を作る工夫を設計することが出来るのです。


 どういうことかイメージできました?


 そうですねェ、例えるならばこういう経験がありませんか?

暑い日に背の高いソフトクリームを食べたら・・?

その先端は原型をとどめておれずドンドン溶けていきますよね。実は粘土も背が高くなればなるほど、それを支えるだけの構造をしていないと高温度で焼いている間に形が崩れてしまうんです。

 土は生きているんですよ(笑)


 さて、話を元に戻しましょう。 


 ですから、蓋を開けるとその縁に蓋のフックを通すための穴があけられているのが本当のポットです。

 そうすれば蓋のフックと胴体の穴を重ねて、90度回転すれば凹凸がかみ合って蓋は落ちなくなりますよね。



 これが本物のティーポットです。



続く!



 実は2月中旬から2週間ほどドイツの窯元を訪ねる予定でおります。日本では手に入らない製品を製作している小さな窯元からメジャーな窯元までですw

 貴重なお時間を割いてこのブログを読んで頂いている方のためにも本場のポットが手に入るのならば幾つか持ち帰る予定でおります。ひょっとしたらご興味のある方に安くお譲りできる“かも”しれませんので、ご興味のある方はお楽しみにw