近頃の若い者はという言葉をあまり聞かなくなった。それを考えるのも面白そうだが、今回は物事を考えるという事について〝考えて〟みよう。
近頃の若者だけではなく、何時の時代でも自分の頭で考えない人はたくさんいた。何事でも〝専門家〟が存在していて、その人達に任せておけば、自分は考えなくてもいいのだと思う人は昔も、今も存在する。だとすると、先に若者と書いたが、老若男女何時の時代でもと修正する必要があるかも知れない。
自分で考えない人の中で、少し気の利いた人は、専門家も意見が分かれる事があることは知っていて、そんな場合の方策として、複数の専門家の中から一人を選び、その人の意見を自分の意見としようとする。ほとんどがこのタイプだと言っていいだろう。
では、その専門家なる人の選び方の基準はあるだろうか。おそらくその容姿と挙措が多いのではないだろうか。挙措とは振る舞いである。例えば、百田尚樹が言うと、辛辣すぎて極論に聞こえてしまうけれども、声のいい紳士然としたそう姜尚中のような人間が言うと、耳に快く真実を述べているように聞こえるものだ。だから何の問題であれ、だみ声でしゃべるより、いい声でしゃべった方が意見を受け入れられやすいという傾向は否定できない。
出典: 47NEWS(よんななニュース)
出典:詩情を求めて…由無し事さんのブログより
大衆は自分で物を考えず、専門家の意見を自分の意見とすることを知っており、それを戦術的に用いているのが、所謂左翼陣営である。左翼と聞くと何を思い浮かべるかは人それぞれだろうが、おじさんはマルクス主義という大いなる謬説を信奉する者達であると考えている。もちろん『資本論』に一から取り組み、一定のレベルに達してから善し悪しを判断するのもいい。
だが、世にある総ての思想家の思想を、完全に理解する事は不可能である。またその必要もない。何故、おじさんたち自由主義陣営にいる穏健保守派が共産主義を忌み嫌うかを考えてみて欲しい。おじさんたちの少し上の世代は〝革命〟という言葉に取り憑かれた世代であった。言うまでもなく基となった思想は共産主義である。
まともな連中は日本民主青年同盟に入り、もっと過激な連中は生ぬるい共産党的な事をやっていては何時革命が成就するかわからない、暴力革命で日本を変えるのだと、鉄パイプという武器を携え、やっていた事は仲間内で小さな相違を巡って殺し合いをする謂わば革命ごっこであった。もちろん学業などはそっちのけで女遊びもせず真面目に勤(いそ)しんでいた。ただ、念のために付け加えておくと、共産党も暴力革命を否定したのはずっと近年になってからだ。
この零細ブログで何度も書いたように、一応公平な社会を実現するために、科学的社会主義なるものを突き詰めた結果、誕生したのが共産主義なんだそうだ。そこには本来の形の宗教はなく、芸術もなく、思想的自由も集会の自由もない。よくよく見れば、外部との情報を遮断され、公平すらなかったというオチつきの思想であった。中国を見て地上の楽園といえるだろうか。それが共産主義の答えである。
中国だけではない。これまで少なくとも10を超える実験国家で実証された紛れもない事実である。同じ国民を数千万、数百万単位で大量虐殺したという共通点がある。かろうじて数十万以下の人口なら、原始共産制の延長で比較的うまくいくと思われる程度の思想である。
おじさんの理解は偏っているかも知れない。しかし、一度たりとも成功した事例のない思想を今更学ぶ必要はない。こんなものに拘(かかずら)わっている時間的余裕はない筈だ。それよりも日本の近現代史を学んだ方がアイデンティティーが育成され、君の為になるだろう。もちろん、朝日や毎日の出した本や岩波出版の本や雑誌などを読むより、ネットで産経応援さんや、なでしこりんさんのブログなどをしっかり読んだ方が正しい知識が身に付くだろう。天皇制を語り始める前の小林よしのりの漫画もいい。
一つの目安として、現在、リベラル・中道を装った左派メディアに、右翼とレッテルを貼られた人こそ正しく日本を愛している人々だ。今の日本に右翼などとよばれるものはごく少数である。安倍首相が右翼なら、もっと右翼はいるだろうが。君がもし安倍首相の事がとても右寄りに見えるのなら、君が自分の意見とした情報を発した人物に問題がある。その人物に愛国心はあるか。柔らかい物腰でやさしく意見を述べたからと言って、その人が日本を愛しているとは限らない。むしろ君のような人を自陣営に取り込もうとして、計算で行っていると考えた方が間違いが少ない。
もうひとつの目印として、悲観的な暗黒の過去を語る者は避けよ。日本を貶める言動を吐くのが好きな者はスルーせよ。君達は自ら省みて純粋に日本を愛していると言えるのか。外国へ行って初めて日本を意識し日本の良さが分かると言うが、イマジネーションを働かせれば、外国に行かなくても良さは理解できるだろう。
だが、心配はいらない。君なら大丈夫だ。こんなおじさんの文章を最後まで読んでいるのだから。そうでなければ、とっくにここを離れているはずだ。小難しい理屈など言えなくても構わない。朝日新聞の言説に嫌なまとわりつくような感触を覚えたなら、君は正しい学びをしている。そのままその感性を鋭敏にすれば、すぐにぐらつくことはなくなるだろう。
by 考葦(-.-)y-~~~