いつの時代からこのままだったのだろう?


そんな疑問が沸き起こる歴史ある建物が街に並ぶSOFIA。


自己主張の少ない"東欧"をイメージさせる外観とは裏腹に、そこに入っている店はブランドものなど
ファッション性の高いものが並ぶ。


寒さと天候の悪さから室内にいることが多かった毎日。
いざ街歩きをはじめるとこの国の人柄が垣間見える瞬間がある。


まず驚いたのは、信号をよく守る事。


もちろんそんなの関係ないっていう人もいるが、車が通っていないのにしっかり信号を守る人の多さに驚いた。

以前聞いたブルガリアの噂は、これまた"治安があまりよくない"というもの。


こんなんばっかりだな。


しかし、俺がいた間にはそんなそぶりはまったく感じられなかった。

今までの国のように闇雲に、適当に絡んできて声をかけてくるなんて人はまったくといっていい程いなくなった。


ちょっとドライなのかな?


なんて思って道を尋ねてみる。
すると、どんな人も紳士的に答えてくれる人ばかりだった。


なんとなく冷たいイメージがあった東欧という響き。


自分だけではなく他の外国人に対しても紳士的に、

協力的に対応している人の多さにいい意味で期待を裏切られた。


とはいえ、銀行のねーちゃんには、おれの姿を見た瞬間適当にあしらわれるわ、
中国人だと思ったのか、アジア人に対してあまり良い印象を持たない人もいるのも事実。


どの国、どの地域でもそうであるように『全員が』なんてことはない。



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そんなある時、SOFIAではメジャーな庶民の足、トラムに乗り込んだ。
このトラム、SOFIAでは交通のメインになっているものの不思議な点が多い。



まず気になったのが、トラムの乗り降りについて。


道路の中心に線路が通っているトラム。
中心を走ってるが故に端から歩道、車道、トラムの順番に道路にを占領しているが、
トラム専用の乗り降り場所のほとんどは歩道側にある。


なので、トラムを乗り降りするときは、大体が停車している合間の車道を通ることになる。

トラムが停車する時には、通過しようとする車は手前で一旦止まって人の流れが収まってから動き出す。


一見いつ人間がひかれるか、わからないような作りになっている。


紳士的な国民性?が手伝ってか何も問題なく毎日が過ぎているのが不思議なほどだった。


どれだけの人が1日にこのステップを踏むのか疑問は膨らむ。


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                     <歩行者用スペースがあるのは一部>



次にトラムの料金システム


車両の一番前に無人の料金BOXがある。
こいつにコインで1レバ分を投入すると、発券されるシステムらしいが俺が乗ったときには故障していた。


そのまま最終停車場に到着したとき、俺と同じくチケットを持たない人達が車掌に詰め寄っていたが、

車掌が「お金別にいいや~」みたいな感じで言って、全員が「メルシー」(ありがとう)と言いながら下車していった。


おれもなぜか得意のウインクをされながらなんなく下車。

これは社会主義、共産主義から来る考え方なのか?と、結論の出ない疑問に襲われた。



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最後に、チケット確認システム。


トラムに乗る地元の人を観察していると、すでにチケットを手に持っていた。
すると、日本でいうとバスの押しボタンの位置に黄色い小さなBOX型のものが取り付けられていて、
お客さんがチケットの頭をそいつに差し入れて、ガッチャン、ガッチャン何かしていた。

よく見てみるとチケットに自分で穴を開けて乗車を証明をして、自分でチケット無効の処理をしている。


なんて正直な人たちなんだ!


発券BOXが故障している時には、後ろからそっとおばちゃんがウインクをしながら
使用済みの券をくれたりした。


おばあちゃんもウインク。
非常にかわいらしい。


でも穴空いてる‥‥この券。


ありがとう。



宿が一緒だった人達は、お金の払い方がよくわからなかったから、そのまま無賃乗車をしてしまったけど、

お咎めなし。


バスもそう。

みんなお金払わないで乗って、適当に降りている。


なんじゃ一体この国の交通システムは?


ここって首都だよな。


完全自己申告、自己処理式トラム。



今まで社会主義の国にいてもこんな曖昧な乗り方はなかった。



ブルガリアって懐深い。






きたぞ東欧ブルガリア!


こっから本格的にヨーロッパステージの幕開け。


<ブルガリア情報>


通貨 : BGN(レバとかレフと呼ぶ)、1レバ約70円
言語 : ブルガリア語
成績 : 94年アメリカW杯ベスト4
名物 : ヨーグルトであってほしい
有名人: 琴欧州であってほしい


トルコからまたしても衝撃的に居心地のいいバスで国境越え。
国境を越える時、そこにいる警官がなぜか俺だけストップさせてパスポートチェックを始めた。


今までこんなことなかったぞ!


ドキドキしながら、パスポートを返される時に一言。


「コンニチワー♪」


そいつを言いたかっただけだな。さては。

これもブルガリア出身の『琴欧州』効果なのか。


そして、トルコとは比べ物にならないほど、
くたびれたIMMIGRATIONを抜けてちょっと興奮してしまうのは変態だからでしょうか。


バスで夜を越して到着したのは首都SOFIA。



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まだまだ薄暗い朝方、わざわざジーンズの前チャック全開なのに自信満々で
バスターミナルをうろつくパツキンねーちゃんに一瞬熱を覚えながらも、外の気温は0℃前後。


天変地異か?


トルコでは昼間半袖で歩いていたのに、急に真冬の地に来てしまった。


街を走る庶民の足トラムで宿まで移動しようと思ったが、あまりの冷え込みに久しぶりタクシーを捕まえた。


「メーターOk?」と、確認すると笑顔で頷くドライバー。

暖房を入れてくれ、極上の気分に浸っているのも束の間。


助手席と運転席の間で、

おっさんの華麗なマニュアル捌きに隠れていたメーターの上がり方が半端じゃなく早い。


お前はスロットマシーンか?


お初です。悪徳メータータクシー様。

逆にメーターの上がり方に夢中になってしまうのは、やはり変態だからでしょうか?


「おー!増えた増えた!」ってな具合に。

またそいつが一定じゃないのよ。


凄い勢いで上がったと思えば、ちょっと休憩を入れたり。
突っ込んだ時に運転手が「馬鹿なこと言っちゃいかんよ!」と、切り返す為なのか。
まったくもって真意は測りかねる。


あんまり遠くないことも知ってたし、何よりメーターよりあまりの寒さに負けて宿までスルー。
本来、5レバもあればお釣りが来るところを、なんと20レバ。

後半の巻き返しが痛かったが、お互い笑顔で宿に到着。


今回ついた宿はなんと世界Hostel選手権で2006年にベスト10入りした有名なホステル。
その名もHostel Mostel。


とはいえ値段もその他の宿とはさほど変わらず1泊20レバ(1400円)で、
Breakfast、夕食トマトソースパスタ&Beer、ネットfree、Free Teaと充実の内容。
清潔さと、ホットシャワーガンガンということに加え、
ここのスタッフが陽気で仕事を楽しみながらやってるから雰囲気最高。

必ず、滞在者と笑いを作っている彼ら。

目が合うと男でもウインクをごく自然にしてくる。

自然にできてしまうところに憧れて、おれも調子に乗ってウインク返ししたり。

Japaneseには無理があるのかイマイチしっくりこない‥‥こりゃ課題だな。



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                   <動物の胃袋が楽器になっている>


腰を振って鈴を鳴らしてファンキーなおっさん。

胃袋を押し付けてる間音が鳴り続けて、指で笛のようにピロピロやっている。


子供連れのおばちゃんが横で歌を歌ってそれにあわせてピロピロ。


なんかいいね。こういうの。



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                 <バス会社にさらっと書いてあるイラク行きバス>



天気は到着してから連日あいにくの雨。


こうなると散歩するにも気が進まない。

とりあえず、ここから先の旅のプランを練らなければ‥‥

西に向かえばセルビア、ボスニア、マケドニア、そして最近鎖国を解いたアルバニア。


鎖国‥‥


この響きは非常に魅力的。


考えを巡らせ、あらゆるルートで一番安くいけるルートの情報収集。
そしてどうヨーロッパを抜けようか、そんな事を考え続ける。

無数にあるルート。

バスか飛行機か、そこから電車かバスかフェリーか?

そもそもここには何があるんだ?

イタリアへのルートはあるか?

最も安くいける方法は?



考えて、


考えて、考えて、考えた挙句に答えがでなかったので‥‥




ストリップに行くことにした。




実はトルコくらいからブルガリアではストリップが有名という噂を聞きつけていた。
あるトルコ人はブルガリアに行く言うと、「女がBeautifulだから気をつけろよ!」という

忠告になっていない忠告をしてきた。


ならば見てやろうじゃないか。

どれほどのものか!



ストリップと聞いて「気持ち悪い」と思ったみなさん。

これは生けるアートです。

美しいものを見に行くという意味では、美術館に行くのとなんら変わりありません。

生けるアートを見に夜10時、開店と同時に入店。
開店と同時なんてとこが気合の表れとなっている。


中では、生けるアートがポールを中心にあんな動きやこんな動きをしている。
スピン等の大技が飛び出すこともしばしば。


それにしてもブルガリア人。
脚線美はもちろんの事、ツーケーの上がり方が半端じゃない!


重力ものともしねえ!


どこ見てんすかこのツーケー!


上見すぎー!


ただのアホですな。


そんなホットな時間は過ぎ、あんまり遅くなる前に岐路へ。


なにはともあれ、
これでアンマンのスーパーゲイ、ムハンマドの事も浄化できそうだ。


心のしこりが取れたSOFIAの夜。


早く本気ヨーグルト見つけたい。




見慣れないナンバープレートの車が夜行バスを追い抜いていく。


イスタンブールからソフィアへの道のり。

驚くほど快適なシートに揺られ、ふと思う自分の足跡。


アジアから中東に渡り、今まさにトルコからブルガリアへ行こうとしている。

世界地図を見ると、日本からずいぶん遠くに来たなと実感する。


右車線でバスが走っていることを除けば、時折見せる街の街灯の様子は日本となんら変わりない。

イスタンブールの日本人宿に泊まって思った。


日本と同じ食材が揃い、どっかのスーパーから醤油を買えば日本食は作れる。
必ず日本人が集まる場所もある。
インターネットで日本のニュースを見て、
日本の本に囲まれ、トルコ語を目にしなくてもいい場所は確かにある。


発展して経済的に安定した国。
その地に身を置くと、地図上ほど日本との距離を感じなくなった。


それは恐らく生活水準が上がる事によって、
世界共通で無意識に認識している"ゆとり"の形なのかもしれない。



先進国とは発展途上国とは何か?


その位置づけは実にあいまいなもの。

そしてその言葉の裏には、国やそこに住む人々の経済力がメインでクローズアップされていて、
人々の満足感や文化的な色の強さは含まれていないよう。


なぜ経済力が高く裕福な国と呼ばれる国々ではなくブータンが最も国民満足度が高いのか。
ブータンに行ったことがないから確認しようがないが、その話しが耳に入るだけでも不思議。


日本やヨーロッパ諸国が向かう先も、東南・南アジア諸国が向かう先も、
それはただの"変化"にすぎないんじゃないかな。


テレビが備え付けられた最高に居心地いいバスの車内で欧米人と同じくパソコンを叩きながらそんな事を思う。



そして、身の回りの人たちの事を考え、ふと思う。

自分は一人で旅をしているようで、常に一人ではないという事。


心配をしてくれて連絡してくれる人達。
帰ったらいつも通り迎えてくれるという安心感。
常に一緒にいることが重要ではなく、目に見えなくても繋がっているという思いが
より自由に、好きなように背中を押してくれている。


感謝。


そして、ろくに言葉も通じない地元の人達とのやりとりを思うと、
不快にさせられた回数の何倍も助けられてきたことが記憶されている。


なるべくガイドブックに依存しない、わからない事が多い旅を心がける程、
どこに行っても気さくに手を差し伸べてくれる人の多さに気づく事ができた。


与えられているだけではイカン!


そう思ってヨルダンのある日からはじめた。
出来る限り"Thank you"で終わるのではなく、"なにか形でも恩返し"。


お金を渡すとかではなく、もっと気持ちが伝わる何か。
まだまだアイデアは貧しいけど、とりあえずまた一つ自分の中で何かが変わった気がした。


"人の為にした事が結局自分の為になっている"


そういう事って後で気がつく事が多い。
恩返しする時には、"自分の為に!"、とは思わないけど、
相手も自分の喜びに変わるならこれに勝るものはない。


まずは実践する事から。



それにはまず、自分に降りかかった出来事に反応する心のスペースを空けておく事。

要は感じる為に確認する"心の空きスペース"。


自分の精神的な部分を大きな器に例える。
今やらなければいけない事、やりたい事、準備する事、心配事、保留している事、明日の事、その先の事‥‥
それらの感情で心の器が一杯の時には、はっきり言って不感症になる。


お腹一杯の時に、特上寿司を食っても、そんなに旨くない状態。
新しい出来事を消化できず器から溢れている状態。


壮大なものを見ても何も感じないし、誰かから受ける好意も印象には残らない。
そしていつしか義務的に日常を消化するようになる。


冷静とは程遠い状態。


一方通行。


出来る限り自分なりに整理しみて、考えてもどうしようもないものは右から左へ受け流す。


そして大切な事はいつでも引き出せるように片隅に保存しておく。

そうやってなんとか作り出す"心の空きスペース"。


発展途上国と言われる国と先進国と言われる国。

アジアを旅して経済的な余裕が必ずしも"この心の空きスペース"の大きさに比例しない事を教えられた。

"あったらいいな"と思うものを高い水準で満たしている、先進国。


それでも同じか、それ以上に自分以外の事に協力的になったりできる人たちの意識の
持って行き方がとても有り難く、興味深かった。


観察してて自分なりに気づいた事は案外単純な事だった。



"自分もされた事があるから人にもできる"って事。



生き抜くために助け合っている人たちは、人に何かを与える事がごく自然にできていた。

そのサイクルが何かしらの抱擁感を生み、心のゆとりスペースになっている、とも思った。


だからと言って、豊かな国は"悪"で、貧しい国が"善"なんてこともさらさら思わない。


国なんて関係なくどこに行っても、疑いたくなるような出来事ばかりではなく、助けられても来たからこそ。

そこにいる人も多種多様。


余裕が無くなって、せっかくの世界が等身大で見れなくならないように操縦するのはほんと楽じゃない。

考えていても答えが出ない事、整理できない事なんてたくさん積もっている。



そんな時はPassionという名のスパイスでPositiveなショック療法。



さて、ブルガリアで一息吐いてどんなスパイスにしようかな?



どこに行こう。


どこにでも行ける。



そんな事を考えていると、好奇心が刺激されて、また旅のモチベーションが一気に上がってきた。


どこへ行こう


どこにでも行ける


いいね。この響き。