ゴミが散らかり砂塵が舞う路上で、メッカの方角にお祈りを捧げる敬虔なムスリムの人たち。


サイドミラーは吹っ飛び、金属剥き出しのドアノブ、異常に風通りのいいバックシート、
違う車のドアを無理やりはめ込み、錆びが車体の半分を埋め尽くすボディ、
今も現役で走っているのが信じられないようなボロボロの車が当たり前に町を行き交う首都。


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激しいのは車だけではない。


首都の中心部にあるマーケットもタイソンばりのパンチ力。

このマーケットがまあすごいインパクト。

これは戦争直後かと錯覚するほどの荒れた路上の散らかりようと、ボッロボロの建物群。



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                         <首都の中心部にあるマーケット>



そこに民族衣装バリバリのアラブ系ムスリムとアフリカンとド派手な衣装のおばちゃんと、

物乞いの少年・少女とゾマホンがごっちゃまぜになって人間の熱気が乗っかる。

さらに砂塵が舞い上がり、車は最強とばかりに荒々しく行き交い、
ちょっと横に目をやれば、廃車と勘違いするタクシー群に群がる人。


統一感ゼロ。

新しい商品ほぼゼロ。



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首都の中心部の一部は一種異様な居住地区?難民キャンプ?のような印象すら受ける。


モーリタニアってなんなん?


どんどんわかんなくなるわ。


これほどまで散らかって、古びてる首都のマーケットは今まで見れなかった。
カルチャーショックを受けたい人にとって、
日本からダイレクトにヌアクショットマーケット巡りなんか最高のツアーになること間違いなし。


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古着市。

近づくと古着台の下からニョロっと昼寝から目覚めた人が出てくる。

辺りを見渡すと、そこら中で足がはみ出てるではないか。

ムクッと起き上がった時はビクッとしたが、フレンドリーで好奇心旺盛ないい奴ら。


売れてんのか?というか仕事してるのか?

いや、寝てただけ。



さらに合間を路地を歩いて抜けると、肉やゾーンに突入。

こいつも非常に激しい。

なんといっても、剥いだヤギの皮が目の前の路上に落ちているのは序の口で、

足までゴロンと目の前の道に捨ててある。

そして皮と足がないヤギの原型そのままが、くたびれた木の台に乗っかっている。

極めつけはガンガン太陽の下に照らされた肉に集るハエの量。
基本的にちょっとくらい汚かろうが、汚れてようがあまり気にしないが、コレばかりは食えん。

いや、食わん!!



「そこの兄さん肉どうだい?」 


「買わん!!」



言葉は通じずとも、このやり取りは確実にあった。


道を抜けるとさらにスラムのようなとこでちぎれた服を着た子供が遊んでいる。
マーケットを抜けたのも束の間、路上に敷かれたシートの上で売られていたのは大胆にも猟銃でございます。


目に飛び込んでくる情報が多すぎて処理しきれない。



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さらに歩いていると、なんとついに出ましたリベリア人!

前置詞と冠詞を排除した英語が公用語のリベリア。

そのぶっ飛んだ英語は、ネイティブのアメリカ人に、
「お前はフランス語をしゃべってるのか?」と言わせたという説があるほどの逸材国家。


すべての語尾に「メーーン」と付け加えるリベリア人。


チャラい!


名前はチンゲ氏。 ギャグか!?

しかもモロッコを追い出されたから、10000$くれとか言い出す、お茶目な奴。
彼のすべてが笑いのツボにヒットしてしまった。

しまいには、集まってきた子供達に「Get out me---n」と言い放つチンゲ氏。

ここはフランス語圏だぜメーン。


首都としてのインパクトはビエンチャンを遥かに凌ぐ。


謎のリベリア人を除いて、人もめちゃくちゃ親切だし、それほどボッくるわけでもないし、
一見恐そうに見えても、フレンドリーでやさしい人ばかりだし、
ナチュラルに物乞いに施しをする人も多いし、「シノワ、シノワ(中国人)」といってからかってくれるし、
困ってれば助けてくれるし、路上でマネーチェンジの依頼はひっきりなしで寂しくないし、日本と被ってる景色はほぼないし、刺激と親切とゴミがたっぷり、観光皆無のバラエティー豊富な不思議な首都。



旅にマンネリ感を感じた方、是非ヌアクショットへ。




11月30日付け、CNN報道より。


「アルジェリアを拠点とする、マグレブ(日の没する国)のアルカイーダによって、
11月29日未明に人道支援団体関係者が乗る車が襲われ、スペイン人3人が拘束された。
事件があったのは、ヌアディブからヌアクショット間の道沿いで、
武装グループによる襲撃ポイントは首都ヌアクショットから北方170kmの位置。
車両の中にあった現金を含む金目の物は手付かずで残っていたという。
拉致犯は武装していたとの情報がある。スペイン政府の関係者が現地に飛び、

3人の解放交渉などに当たる見通し。
事件を受け、スペイン政府はモーリタニア政府に対し残る車両13台に軍兵士の護衛を要請した」



不可解なのが、13台でキャラバンを組んでいたのにも関わらず、最後尾にいた1台が前方車と離れ、

最終的に襲撃にあった事と、襲撃があった後、荷物は車両に残されたまま拉致された事。


これらの情報からは、金品を狙った無差別な襲撃には思えないようだが、
これも正式な声明がでない限り、予想の範囲を越えない。


この時のドライバーは犯行グループとの何らかの接点があるという事は想像がつく。



このニュースに気が付いたのは12月1日。

北部から南下するルートは事件のあった一本道のみ。


実は私、まったく同じルートを事件のあった前日(11/28)に通ってました。


このニュースを聞いたときは、さすがに背筋が凍りつき、
事件前日での乗り合いタクシー乗り場での騒々しさを思い出した。



さらに、12月8日付けのニュースでは、


「スペイン外務省当局者は8日、アルジェリアに拠点がある
"イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織"が犯行を認める音声テープを公表したと述べ、
中東の衛星テレビ、アルジャジーラがこのテープを報じた。
スペイン外務省当局者は犯行声明について信ぴょう性があると述べた。
同組織はテープの中で人質解放の為の条件には触れず、今後スペイン政府に突き付けるとしている。」との事。


未だ目的も明らかにならないまま。



報道があった12/1の夜には、キャンピングカーが宿泊していた宿の欧米人がシリアスな表情で話しをしていた。
そのうちの何人かには、「ニュース知ってる?」と声をかけてもらい、情報を共有しあっていた。


中には、さすがの様子で

「こういう事件があった後には、国全体でより警備が強化されるから問題ない。
 逆に普段より安全になると考えることもできる」という考えの人もいた。


確かに。朝から珍しくヘリコプターの音が聞こえるくらい、警備は厳重になっているよう。

町には警察の姿も増えた。しかし、町はやはりいつも通り。人もいつも通り。



実際、宿には事件発生後も、次々と人の出入りが激しく、どこかでスタックしている様子はまったくなかった。

まったく先が読めない。



そんな時こそ大使館の出番でしょ!
ネットで調べるとモーリタニアになんと日本大使館があるではないか。


という事で、事件の記事を読んだ翌日(12/1)に、偶然知り合ったもう一人の日本人とともに
町の唯一のビルに入っている日本大使館へ。


上層階にある一室にかまえている事務所に行ってびっくり。
ここがモーリタニアであることを忘れてしまいそうなくらい立派なソファ、キラキラなごっつい高級テーブル、
そして目の前にドカーンとある薄型巨大テレビ。王様の部屋か!


タイパンツにヨレヨレのロンTとサンダル姿だと、どうも落ち着かない。

程なくして、スーツ姿の大使館員の方が現れ、ビックリ仰天発言。


「今日から在モーリタニア、日本大使館オープンです。
 なのであなた方がはじめての来訪者となります」


こいつはなんたる偶然。
記念すべき第一号ではないですか。


それはさておき、本題のアルカイダ事件の情報を聞いてみるが、ネット上で流れた情報以外の新しいものは聞くことができなかった。連絡先を書いて、何か進展があれば連絡もらえるようにして退散。

旅に出て来て、初めて日本大使館行ったけど、想像以上にみなさんの税金をかけた作りになってました。
セネガル行ったときにも要チェックだわ、こりゃ。



さてどうしたものか。

町にいる分にはまったくいつも通り。



新たな面白い出会いもあったし、少し様子見るのが懸命だな。
という事で、ここからもうしばらくヌアクショットにいる事に。



※日記更新は12/10。今現在モーリタニアを脱出しマリにいるので問題なし。






モーリタニアと言えば、何でしょう??



そう!



T・A・K・O・・タコ!




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             <Fish Marketの熱気。ここに自分がいると目立つ目立つ。>



モーリタニアの西側は大西洋に大きく面しており、そこでは新鮮な魚介が取れるそうな。


そして日本とモーリタニアとの大きな接点はまさにタコ貿易。


食料自給率が低い日本にあって、タコの輸入量はモロッコとモーリタニアで1、2位を争うほどで、
近年モーリタニアからのタコ輸入量が1位になったとの噂も聞くほど。


みんな大好きなタコ焼きも、ここモーリタニアから取れたタコがあってのものでしょう!


銀だこで食ったたこ焼きの中にモーリタニアがいたかもしれない。
スーパーで"モーリタニア産"のタグを見たことがないかな?


そう思うと急に湧き上がる親近感。



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ヌアクショット唯一の観光地?のFISH Market。


その規模は想像とは裏腹にちょっとした広場に魚を置く石台があるくらいこじんまりしてる。
とはいえ、平日の活気のある日を選んでいけば、そこには新鮮な魚介を求める人で溢れ返っている。


タコ以外にも、サバ、平目、カレイ、ロブスター、でっかい魚(名前不明)、タラみたいな魚etc。

後はサカナくんに聞いてください。



今回このFISH Marketには合計3回もおじゃま。

そして、当たり前にタコ購入。(たこの写真撮り忘れた。。)


値段は驚くなかれ、新鮮なタコが1kg=1000ウギア(約330円)。
1kgって言ったら、到底一人では食いきれない程の、ちょい小ぶりのタコ丸ごと買えちゃう安さ。
特大サイズのタコ丸ごとですら、1.8kgくらいで1800ウギア(600円くらい)
ちなみに冷凍されたものは、気持ち値段が上がる。


そして、宿で調理してタコづくし。
タコ刺、タコメシ、タコスープ、タコパスタ、タコ・たこ・TAKO。


おかげで今まで不足していた栄養が過剰に補給できたような。

日本に行く前のフライングたこづくし堪能させていただきました。


これぞ大人の修学旅行だな。




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                   <大西洋とヌアクショットの海岸兼漁港>



そしてもう一つ、ここで嬉しい出来事が。

Marketのすぐ目の前がビーチになっていて、ボーっと大西洋を眺めていたとき、
一人のサッカーボールを持った現地人と目が合い、笑いかけながらパスをくれた。


一緒にパス交換をしていると、どんどんガマンしきれなくなった人が集まり、
サンダルをゴールにしたビーチサッカーがスタート。



前回のオーストラリアと今回の旅で何度か国際試合を経験してきた。


強烈なフィジカルコンタクトが武器のイングランド代表。
同じくあたりが厳しいオースラリア代表。
玉際に執念を燃やすバングラデシュ代表。


そして今回。
瞬発力とキープ力のモーリタニア代表。

初めてアフリカンに紛れてサッカーしたけど、玉際で足がグングン伸びてくるのにはビックリ。
バネが全然違う。そしてみんななかなかパス出さない。自分でキープしたい。

いや~好きだね。サッカー。


誘ってくれた人は、わざわざ水を持ってきてくれたり、人数が増えると審判になったり、ほんといい奴だった。

そして、終わった後には、なんとも言えぬ気持ちよさ。


道端でちょろっと話すより、一緒にサッカーを一回したほうがずっと距離が近くなる。
すごいわスポーツの力は。不思議なもんだわ。



アフリカンと大西洋のビーチでサッカー。


最高だね。



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            <翼くんと岬くん>            <ビーチに謎のテレビカメラ、そして人だかり>



                地図を見て思うわ。


         意外に自分が西の果てにまで来た事を。


              部屋とワイシャツと私。


             大西洋とサッカーとタコ。。



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遠いモーリタニアという国から、


           今日も海の男が日本の食卓にタコを運んでくれている。