カイロ出発の朝、久しぶりの腹痛で目を覚ます。
エジプト滞在でまったく腹壊さなかったのに関わらず調子を崩したのは、
前日に食ったケンタッキーで贅沢したせいかな。


これからちゃんと質素に暮らします。


カイロ老舗宿のサファリホテルで再会した人たち、出会った人たちと別れの挨拶を交わして、
空港行きのバスに乗り込む。計算するとエジプト滞在39日間。


そのうち約半分は、毎日海に入って、ダイビングをして、うまい飯を食って過ごした紅海に面した町ダハブ。
そこで少しの増量と、心からリラックスができて、最後のブラックアフリカへの心構えはできた。



バスの最後尾から見えるのは相変わらず喧騒のカイロ……ではなく、
イチャつくエジプト人カップル…いいなぁ。
今から向かうストイックムスリムの国イエメンでは、
目にすることがないだろう光景を前に、出発に対する気持ちが一段と高まる。


紳士的なエジプト人にバスを降りるポイントを教えてもらい、下車。


よく整備されて綺麗な空港に驚きながら、
チェックインを済ませ、よく整備されたIMMIGRATIONを突破。


サナア行きの出発ロビーで待っていると、続々集まってきましたイエメンスタイルの男女。
ここにいるのはヨーロピアン一人、アジア人一人(僕)以外には、
気さくに声をかけてくれた黒人とアラビックの中性的な顔立ちをしているジプチ人と
猛烈にテンションが上がっている団体のムスリムインド人。


「おまえはインドネシア人か?」


少し見下したように言ってくる久々のインド人に少し嬉しくなってしまった。



飛行機に乗り込むゲートに向かう。
機内に乗り込む時には、何故か異様に焦り、押し合いへし合いをしている乗客。
少しでも順番が遅れようものなら、乗れなくなってしまうと勘違いしているような必死さ。


席を探すときには、大声を上げて自分の席を探す乗客。
自分の席を見つけるとテンションが上がってしまい、

反対側に座っている知り合いに大声で声をかける渋いおっさん。

フライト中も、想像を超える騒がしさで、飛行機に対するテンションが高すぎる。

フライトアテンダントが、段々と小学生を引率する先生に見えてくる。


無事着陸すると、満面の笑みを浮かべ親指を立てて合図を送ってくるマフィア系スタイルの渋いおっさん。


い、いかん。


この流れ…大好物。



エジプトとの時差が1時間進み、イエメン時間の18:00頃。


飛行機の外に出ると乾燥した生ぬるい空気と、切り立った背の低い岩のような山々。
イスラムの、砂漠の国に降り立った雰囲気十分だった。


バーゲンでもやっているかのようにIMMIGRATIONに走り込む人々。
違和感を覚えながらも、何故か自分も走ってIMMIGRATIONに突っ込む。


手荷物を受け取り、薄暗くなった外に出る。


事前にイエメンに行っていた人から、空港から中心部までの

タクシー料金の相場を教えてもらっていたのが功を奏し、大した揉める事もなくタクシーに乗り込む。



その待っている間に早速発見!


ジャンビーアと呼ばれるイカツイ剣を腰に刺しているイエメンスタイルのおっさん達。
純粋なアラビアスタイルを前に、久々に極度の緊張と興奮。


宿のある中心街に行く途中、

物腰の柔らかい5児のパパドライバーにいろいろとイエメンの事について教えてもらっていた。


「イエメンには19のStatesがあり、人口は約1200万人、ジャンビーア一本1000リアル~2000リアル、奥さんは4人まで大丈夫で、結婚するときには最低300000リアルは必要……等など。」


その話の流れで、ジャンビーアと呼ばれる剣の話になった時、うれしそうにドライバーは言った。


「剣も大事だけど銃のほうが好きだな。家にももちろんあるよ」


「みんな持ってるの?」と聞くと、


「たぶんほとんどの人が持ってるよ My Gunを。」


地域によって、銃を持つ人もいるイエメンの人々。

凶器と捉えるか、文化的なものと捉えるか、もう少し彼らの事を知る必要がある。


宿のチェックインを済ませ

、夜のサナアですれ違うイカツイジャンビーアを刺している人を見ても、それが凶器には感じられない。



突然カーチェイスをはじめるインドのバスの方がよっぽど凶器に思えてしまうのは僕だけでしょうか……。



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さて、アラビア半島の先についに到達。


どんな変化が待ち受けてるとやら…



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               YEMEN!



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視界にピラミッドが混じるだけで


               場所だけでなく、時間もワープ




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        この先……何屋っすか?




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あるドイツ人が言った。


      「僕は自分が写る写真が好きなんだ。日本人のようにね。」


ある日本人は言った。


         「カメラの魅力に最初に目をつけたのは日本人だけど、
           今となっては他の国の人のほうが写真は好きだよね。」


断言しよう!



世界一写真好きなのは日本人じゃない!




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カフェに入ると、埃だらけでボッロボロに散らかったイスとテーブル


                    そこにはずっと笑ってる陽気な誇り高き少年店主。

彼の入れたシャイが最高にうまかった。



ここがエジプトで唯一チップを渡した店。



チップは精算に組まれるものじゃなくて、


                    自然に出てこそチップだと強く思う。




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地下鉄にはアラビアンな時計。


社会の先生が元旅人だったら、こういう細かいとこまで教えられて、
子供の好奇心ガンガン煽れるのにな~と思ったりもする。


「違う」っていうことは、

怖いことでも、危険なことでもなくて、
当たり前の事で、だからこそ面白いって事を伝えられたら、
もっと個人の違いが光る魅力的な見え方になると思うんだけどな。



実際、先生が昔旅をしてて、

その話を今でも覚えてて旅に出るきっかけの一つになったっていう人もいた。


海外に出るってのが最高の決断かどうかなんて、

人それぞれだからわからないけど、


子供をその気にさせる大人ってだけで魅力的じゃないかな。




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額に祈りの痕を付けている老人。


いろんな人や文化が流れ込むエジプトでも揺らがないイスラムの世界。


どんなに国が荒れようと彼らがバラバラになる姿が想像できない。



そう思わせる瞬間。





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こんな素晴らしい景色を見てると……無性に……





テトリスがしてーー!!




世界文化遺産の街・カイロ。
モスクが乱立し、千の塔の都と呼ばれる街。


中世には世界で最も繁栄した街の一つだったカイロの中にあって、

旧市街はかつての雰囲気を残す活気のある市場が広がる。


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中国のシルク、インドの香辛料、地中海の魚介類、アフリカの宝石、そして金銀細工。

世界から物品が集まり、その活気と、昔から大きく変わってないだろう建物の隙間を通るだけで興奮してくる。


迷路を探検する感覚でちょっと脇道にそれると、新しいが発見があり、

おみやげ屋のみならず現地の人にとっても大きな買い物をする巨大なスークとなっている。


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イスラム地区に行くまでの道のりには、すでに人、モノ、人、モノの連続。


意味不明な商品まで乱雑に置かれているが、そこは大人の対応であっさりスルー。



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少し脇道に入ると肉屋通り、よくよく見ると……ブタじゃないっすか!?!?

ブタの顔面と足じゃないっすか!?


エジプトにブタがあるって事にショックを隠しきれないが、

そんなことより…食いてーー!!ブタ!


中国以来まともにブタ食ってねー。



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魅惑の肉屋通りを抜けると、最初に目に付いたのが使い古し電話機屋さん。

(見えづらいけど。。)


使い古しの電話機だけを売るというスタイルがどうしても気になる。



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いよいよ観光客でごった返すハン・ハリーリ地区へ。


とにかく日夜ここは凄い人。

周囲のお土産屋には、同じような商品がずらり。


その中にも香水屋、香辛料屋、シーシャ屋など、アラビアンな雰囲気を楽しめるお土産屋もたくさんある。



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     <エキゾチックな香辛料屋>               <シーシャのパーツ売り>



ここに来て思ったことは、ここで買い物は難しいということ。


売り手は、旅行者(特に短期の人)の金銭感覚を重々承知。

承知な上に、言葉も巧みで、吹っかけ方もローカルプライスと比べて2倍3倍は当たり前で5倍のものもあった。

商売や交渉事に慣れきっている彼らにとって、時間のない旅行者を引き込むのは毎日の日課のようなもの。



もちろん全員ではないが、人の質も総じて良いとは思えなかった。


いきなり足を踏んでくる子供、道を塞いで店に引き込もうとする人、

「いらない」というと、どこで覚えたか「バカヤロウ」の声

「ツーリストプライスだべ!?」というと、大声で「アンターー」といって血相を変えるものetc……。

※アラビア語で"you"は"アンタ"。



ここの接客で共通するのは、突然「How much?」と聞くと、

「エジプシャンポンド? US$?」という返しがある。


間髪入れず「エジプシャンポンド!」というと、不自然な間で、二言三言挟んでようやく値段を言ってくる。



そう!!



この無駄なやり取りは、相手を見て値段を考えている単なるシンキングタイムとみた。


「高いからいらない」といって帰ろうとすると、お馴染みの"ちょっと待ったコール"がかかり、

値段がみるみる下がっていく。


「おっ安い!」と思って買っても、しっかり高くついてるんだな~。

中世から続くスークで、商人気質のアラビア人が利益薄で売るわけがないってもんさ。


とはいえ、ほしいものがあったら他がどうとか考えすぎず、しっかり交渉して買うのが良いと思う。


よくすれ違う旅行者が「絶対ボラれたー」と言いながらムスッとしてすれ違うことがある。

元々『定価』なんていう概念が薄い国に来て、自分で選んで観光客が集まるお土産屋に来て、

最後は自分で財布からお金を抜いてる。

要するに自分で決めて買っているわけ。


悔しいのは非常によくわかる。

でもせっかく旅行が出来る恵まれた国に生まれたのだから、

ここで笑っていられる強さがほしいところ。


『納得して買ったなら、それが定価』



最近買い物するときの格言だな。


お土産も楽じゃないね。



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少し内部に入っていくと大きなモスクが見えてくる。


もうカメラを握り締め、夢中になってしまう通り。


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活気を失わず、タイムスリップできたような空間。


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顔を洗うと真っ黒になるほど空気が汚れたカイロでも、このTHE喧騒から刺激はたくさんもらえる。


特別居心地がいい場所ではないけど、長く居たくなる不思議な街だった。



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さらに、ここカイロでは旅の再会も多かった。

宿では、ダハブで一度会っていた人との再会、まだ宿にいた人との再会だけじゃなく、

なんと中国の成都で同じ宿だった人とも再会を果たした。


何がどう巡って、同じタイミングで同じ宿で再会するのか、旅の不思議が詰まってる。



さて、イエメンビザも無事GETし、航空券も問題なし。


3月2日、14時の便でこの旅最後のアラビア圏、『幸福のアラビア』とも呼ばれるイエメンへGO☆