すみません、今頃、去年の話題ですわ。

何せ、キーシンとベルリンフィルによる
グリーグのピアノ協奏曲の
あまりの素晴らしさを伝え忘れておりました。

有名どころでは、抒情的なルプーの演奏がありますが、
キーシンの演奏は、情景的であり、なおかつ
ドラマティックに展開する点で、
同じ方向性の演奏では、もはや並び立つものが
ないのではないか、
とまで思ってしまいました。

もちろん、ラトル指揮べルリンフィルの支えもあってですが、
それにしても素晴らしい記録映像でした。


後期作品の中にあって
12番に続いて作曲された曲ですが、
分り易い12番と
美しいカヴァティーナや大フーガで有名な13番に挟まれ、
その人気は今一つの気がします。

しかし、私はこの曲の第三楽章に
大きな魅力を感じています。

下手をすると、

冗長で退屈な曲に
一変してしまいかねませんが、
 
感情表現の上手な演奏だと、
このゆったりとした美しい調べの中に
ずっと浸っていたいと思わせてくれます。

この気難しい曲を献呈する
ベートーヴェンもまた人が悪い・・・。



先日、放送された
N響の1720回定期コンサートからですが、
レナード・スラットキンの指揮は然りながら
N響の反応が良く、

素晴らしい出来だったと思います。
興奮した観客がブラボーと叫びたいのでしょうが、
「うおーっ」としか聞こえない雄たけびを
上げているのが、ちょこっと羨ましかったですね。