※ 補足版・特別機動捜査隊 まえがき
【第3回再放送】でアメーバ記事とした#451-#466ですが、スペシャルセレクションシリーズでは、
しか収録されなかったこともあり、ある程度ネタバレをしても良い時期と考え、過去のアメーバ記事を、多少の改変のもと2022年12月にオープンにすることとします。
更新は1日おきに行ない、12月31日の大晦日に完了予定です。
かなり前に書いたものであるので、いささか拙いところもあるのですが、年末年始の気晴らしに読んでいただければと思います。
☆・・・#455 金髪と口紅
特別機動捜査隊(第455回)金髪と口紅
○過去のブログ記事・・・#455 金髪と口紅
○アメンバー記事本文(更新年月日=2018年04月15日(日) 09時30分34秒)
当該記事は、特別機動捜査隊のエピソードについて、すべてでは無いものの真相に触れています。
なお、評価は、
◎=傑作、秀作、
○=佳作、
▲=敢闘したが佳作に届かず惜しい作品、
△=不出来だがなんとか視聴に耐えうる作品、
×=駄作
と判断しました。
公開済みの各エピソード(多少の追加有り)と併せ読んでください。
なお、文中で「ある人物」というのは、不特定の人物を指しています
#455 金髪と口紅 (捜査班)立石班・・・波島進
(事件の形態) ※本篇で書き切れなかったので詳細に書いています。
*中野区松が丘公園で、杉本恒夫(水木襄)が高所から墜落、脳底骨折死体で発見された。死亡推定時刻は昨夜8時前後。5万円、クラブ・キャラバンのマッチ箱、花房流の舞扇、「杉本家関係」と書かれた今泉法律事務所の封筒(中は空)、口紅が遺留品として発見。
*杉本家では恒夫の父が逝去。遺族には、先妻の子・恒夫、後妻・佳子(ヨシコ、三田登喜子)、父の妹=恒夫の叔母(花岡菊子)、その夫・鈴木(清水一郎)、その娘(小磯マリ?)と夫・三上(鶴賀二郎)がおり、遺産問題を抱えていた。担当弁護士は今泉正二(武藤英司)。
*立石主任、荒牧が杉本家・女中(本間文子)への訊問中、庭先に捨て子を見つけ、親の発見まで久保田医院へ入院となった。さらに女中によると、昨夜6時ごろ、佳子が1,2時間で帰ると出かけた折、派手な女(沢宏美)が庭先で赤ん坊を抱える姿を目撃していたという。
*桃井、森田が花房流家元(片山明彦)に聞きこむと、舞扇は名取になった人に贈ったものであり、通し番号から、ゆき江(阿部寿美子)の娘・弘美(竹中国恵)と判明する。
*弘美は、前日空地にて、派手な女がお腹を押えて苦しがる姿を目撃、近所のしまむら洋二(富田ジョージ)を連れてくるが、派手な女は血の跡を残し姿をくらましていた(註・自力出産を匂わす)。
*クラブ・キャラバンでは、恒夫が山根(柴田浩貴)、有田(肥土尚弘)の遊び友達とつるみ、来店した女3人組、京子(秋とも子)、秀子(山口千枝)、もう1人の娘(川島育恵)を誘っていた。
*昨夜8時ごろ、たまたま、森事務員は、ホテル楓から逃げる京子、追う恒夫、通りかかった洋二が2人と追跡する姿を目撃していた。
*弘美は洋二のペンダントを何処かで拾うが、それには京子の写真が埋め込まれていた。が、洋二は橘、岩井田の追及に、京子、恒夫も知らないと言い残し去っていった(その後、橘、岩井田は地面に付いた洋二の足跡を採取)。
*派手な女は佳子を脅迫、赤ん坊は恒夫の子だと慰謝料をもらっていたが、尾行中の立石主任、荒牧に現場を取り押さえられる。
*今泉は入院中で、桃井、森田は妻(花原照子)同席のもと聞き出すと、昨夜2人連れから襲撃、鞄を奪われ、その拍子に後頭部を打ちつけたという。さらに、立石主任、橘も加わり、鞄からは杉本家遺言状だけが盗まれ、2人連れは山根、有田だという証言を得る。
*山根、有田は恒夫に頼まれ遺言状を強奪したと告白、恒夫に有利な遺言状内容であると予想されるも、遺言状を恒夫は不所持。佳子、鈴木夫妻、三上夫妻が疑われる。
*鈴木夫妻は山林に土地を買う手付金確保に奔走、三上はモデル(未詳)と関係を持ち、2カ月の子を宿していることが明らかになる。
*現場の足跡と、採取した洋二の足跡とが一致する。
*その後、弘美の実の母が佳子だとわかる。旧友・ゆき江は、佳子が杉本家に嫁ぐのに子連れでは辛いことを慮り、弘美を引き取るという過去があった。そして、ゆき江は事件当日、過去を知らない弘美を連れ、名取を取らせたいための援助を求め、杉本家へ佳子を訪ねていた。
(真相追及の決め手)
*ある人物のハンカチと、ある遺留品からの血液型が完全に一致する。
*容疑者のアリバイ有無からの絞り込み(註・ナレーションの「その他の傍証」からの推察)。
*回想による、弘美の松が丘公園での目撃。
(ツッコミどころ)
*今泉への襲撃時刻が不明確。午後8時以前であることは間違いないが、恒夫、山根、有田がクラブ・キャラバンに入る前でないと整合性がとれないため、時間的に難しい。さらに、今泉が2人と面識があった描写が無いため、病院での証言が唐突すぎる。
*ゆき江、佳子、派手な女の行動は、「子を持つ母」としての描写であるが、行動が(善から悪、悪から善に)変わるタイミングがわかりにくいいため、自分勝手に見えがち。
*なぜ、舞扇が事件現場にあったのか、説明不足。
*恒夫が遺言状を持っていることを、真犯人はなぜわかったのか? 恒夫が呼び出したと仮定しても、乱痴気騒ぎの後なのは説明がつかない。
(評価) ▲=敢闘したが佳作に届かず惜しい作品
初見のときは、「子を持つ親」-ゆき江、佳子の描写が浮いており、感情移入しにくいという感がありました。ところが、もう1人の派手な女については、脅迫行為に及んだものの、子の未来のために遺産相続問題未介入を暗黙のもと描いたようで、当作での「子を持つ親」全般への嫌悪感は避けたのだと再確認しました。
ブログ本篇では、「遺産相続主体に話を展開させた方が良かった気がします」と評価したのですが、上記の(ツッコミどころ)に書いた通り、そちらも(恒夫が死ぬ経緯も含めて)?がつくところが目立つと、改めて感じました。ただ、ストーリーのテンポは良いこともあり、▲=敢闘したが佳作に届かず惜しい作品と、評すのが無難でありましょう。
(ブログ本篇で書けなかった、意外な脇の出演者-エンディング表記より)
源三=森野五郎(洋二の養父)、女医=若山みち子、看護婦=神鳥よし恵、根本=亀井三郎(出演場面が見当らず)