【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なのですが、東映chで再放送済みで、当方も視聴したことがあるため、過去のブログ記事に補足する形にとどめます。

 

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。

 

☆・・・#469  絶望の詩

特別機動捜査隊(第469回)絶望の詩

 

 

 

 

(収録DVD)・・・VoL6、disc3、2021年10月13日発売

(本放送)・・・1970年10月28日

(脚本)・・・西沢治

(監督)・・・中村経美

(協力)・・・警視庁

(協賛)・・・呼子町観光協会、小城町観光協会、多久町観光協会、

       川棚町観光協会、御船山観光ホテル

(助監督)・・・小笠原猛

(劇中ナレーター)・・・島宇志夫

(捜査担当・オープニング表記)・・・三船班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、事務員(森るみ子)、関根部長刑事(伊沢一郎)、

内藤刑事(巽秀太郎)、山口刑事(山口暁)、荒牧刑事(岩上瑛)、

笠原刑事(伊達正三郎)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者・エンディング表記)

・・・配役名を省いた、ゲスト全出演者名を以下に表記

松本朝夫、浅沼創一、神鳥ひろ子、伊東昭雄、福鎌康隆、小野進也、伊原静江、

日暮里子、春江ふかみ、島田太郎、大阪憲、河原裕昌、箕輪律子、増岡泰之、

新林イサオ、青沙れみ、里木佐甫良、杉幸彦、中村恭子、清水一郎、

筑紫あけみ

 

 

(過去のブログ記事)・・・

#469 絶望の詩

 

 

 

〇当作とロケ2本撮り作品、#464 玄海灘の夕焼け【スペシャルセレクション】

 

 

 

(補足視聴録)・・・

 

久しぶりの再見でしたが、やはり面白いことに変わりはありませんでした。

吉永秀和(松本朝夫)の周辺、夏木ゆたか(浅沼創一)の周辺との違いは、東京と九州の地域的なものだけでなく、経済性、人間性、生き方であり、「将来への展望」という点は共通しているものの「方法」が同じベクトルを向いていないため、「対比」の描写が上手く決まっています。そして、その2つの周辺を行ったり来たりしている、吉永の妻・美保子(中村恭子)が事件の犠牲者というのも印象深い。

 

さらに、何度も触れてはいるのですが、「鉄の男」の三船主任が、ファイロ・ヴァンスばりの活躍で「情の男」となるところも、三船主任に反抗的な笠原・内藤の対比と併せて上手く決まっています。そして、#512 高倉主任誕生【スペシャルセレクション】 (以下、参考作と略)で触れた通り、当作の笠原・内藤の立場と、参考作の笠原・岩井田の立場が本当に似ており、両作にも登場する関根は「常に捜査主任を信じる」立場を変えないのも印象的。おそらく、脚本の西沢治自身も、当作の出来に満足したからこそ、高倉班初登場の参考作に当作のプロットを拝借したのでしょう。

個人的には、当作での三船主任の

>笠原、内藤・・・、煙草1本だけじゃ騙されんぞ

と屈託の無い笑顔で締めた場面が印象的で、参考作を上回ったと感じます。

中村経美監督の、脚本をそのまま映像化するよう演出するスタイルからすると、当作の功労者は脚本・西沢治といえるでしょう。

 

ただ、どうしても粗の部分はあるもので、刑事ドラマの観点からは、計画的犯行と偶発的犯行をまぜこぜにしている感は否めません。犯行の手口からして、誰が犯人であろうと計画的犯行には違いはないのですが、犯行動機の回想場面では偶発的犯行の描写となっています。まあ、事件の直後、犯人が頭を働かせて、さまざまな工作を行なったならば可能ですが、それでも事前にやらねばならないことがあるのですから、回想場面はもう少し工夫の余地があったでしょう。

しかし、それでも粗を大きく包みこむ、人間ドラマの展開、犯人の追及など面白さがありますので、傑作・秀作レベルの出来にあることは確信出来ます。

 

そして自分としても、当作は【第3回再放送】でDVD録画したものの、保存が悪かったのか、モザイクやノイズがある状態でした。こうして、スペシャルセレクションシリーズで収録してくれたおかげで、気持ちよく再見出来たことに感謝いたします。