【第4回再放送】が終わって市販された、

特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]

の作品から抽出しました。

市販品なのですが、東映chで再放送済みで、当方も視聴したことがあるため、過去のブログ記事に補足する形にとどめます。

 

 

※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。

配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。

 

☆・・・#607  砂の塔

特別機動捜査隊(第607回)砂の塔

 

 

(収録DVD)・・・VoL4、disc5、2021年3月10日発売

(本放送)・・・1973年6月20日

(脚本)・・・横山保朗

(監督)・・・吉川一義

(協力)・・・無し

(協賛)・・・御宿 ハック田園

(助監督)・・・加島忠義

(劇中ナレーター)・・・無し

(捜査担当・オープニング表記)・・・三船班+高倉主任

鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(田川恒夫)、関根部長刑事(伊沢一郎)、

倉岡刑事(倉岡伸太朗)、石原刑事(吉田豊明)、松木部長刑事(早川雄三)、

畑野刑事(宗方勝巳)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者・エンディング表記)

・・・配役名を省いた、ゲスト全出演者名を以下に表記

木下清、中川三穂子、鍋たかし、本田圭子、成田次穂、山口千枝、亀井三郎、

久松夕子、大阪憲、萩原信二、宮田洋容、ふじ由起江、花岡菊子、小林裕子、

目黒幸子、吉田義夫、里見浩太朗

 

 

(過去のブログ記事)・・・

#607 砂の塔

 

 

 

(補足視聴録)・・・

当作を一言でいえば、三船主任の「カッコよさ」が表現された一篇です。刑事ドラマとしては、真犯人追及の伏線が現場に晒され、犯行動機も亡き久保田刑事の墓参のとき明らかになります。さらに、これが人間ドラマとしても、久保田刑事の葬儀の際の、久保田家関連の面々と慶子周辺の面々との立場を逆転させているようで、この点も興味深い。

当作に至るまでの特捜隊作品は、個々(ワンシーン)に良いものがあっても、全体(全篇)には沈滞した感が強く、それはスペシャルセレクションシリーズでも#600 海は帰らない【スペシャルセレクション】 以降の作品を観賞された方ならわかるかもしれません。特に、#604 金と毒薬と 老嬢【スペシャルセレクション】 は、この時期のモチベーションダウンを感じます。

 

それが当作では、指揮官先頭の三船主任を主人公にしたこともあるのか、勢いよくラストの「いずみ市岩船・釣師海岸」でクライマックスを迎えるなど、見どころ充分の作品です。

役者の格では、この時期すでに「里見浩太朗>青木義朗」なのですが、特捜隊、それも当作では「三船主任>高倉主任」、すなわち

>青木義朗>里見浩太朗であり、時代劇で斬られている青木義朗の姿は

>微塵もありません。

(過去のブログ記事)で書いたことは、再見しても間違いではありませんでした。

 

そして、当作での三船主任のカッコよさが、停滞していた近作の流れを持ち直す機運が生まれ、それが次作#608  燃える炎の女【スペシャルセレクション】 で、好調時の特捜隊作品に戻ったと感じることになります。

悪役が良い味を出せば主役が光る、とはよく言われる言葉ですが、悪役が多い一俳優が「特別機動捜査隊」という番組の主演に祭り上げられたときどうなるか? それは、クライマックスで、三船主任が克哉・慶子に口で攻めるも決して手を上げない、克哉に殴られても手を上げない。自分ひとりが悪者となり、事件の遠因でもある「捻じれた若いふたりの恋模様」を解決しようとした信念を表わしているようです。主役ながらも一歩引き、「解決のとば口は開いたから、後は脇の人々に任せた」という雰囲気は、ラストひとり列の後ろを歩く姿でも表れており、主演・青木義朗の役者としての矜持をみているようでもありました。