※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。

 

【#604  金と毒薬と 老嬢】

 

(本放送)1973年5月30日

(再放送)2016年9月8日

(脚本)小川記正

(監督)天野利彦

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

田中係長(山田禅二)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(西郷昭二)、

鑑識課員(田川恒夫)、関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、

倉岡刑事(倉岡伸太朗)、松木部長刑事(早川雄三)、畑野刑事(宗方勝巳)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

沢村貞子、鈴木サチ、鈴木志郎、逗子とんぼ、五月晴子、田辺進三、石川敏、

堀川雄二、松沢勇、安藤三男、丘寵児、河村弘二、森山周一郎、村田知栄子

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

さて次回は、事件現場の死体が次々と消え失せるという

ちょっと変わったお話です。

死体を乗せたワゴン車が、謎の洋館に消えた。

洋館の主はイヴォンヌ、アンジェラと名乗る、

鹿鳴館時代の優雅な生活を営む老嬢であった。

その屋敷の奥深く、

地下の冷凍室に百体近くの死体があるという。

全体的な品不足の中で、解剖用死体の買い占めである。

そして、老嬢の行くところ、次々と買い占めが続く。

麻薬、食料品、

果ては暴力団もお手上げだという武器、弾薬に至るまで・・・。

果たして、三船班は、

この怪奇な難事件の手がかりを、どう見出すのであろうか・・・!?

次回、特捜隊、「金と毒薬と 老嬢」に御期待ください。

 

 

(備考)

・検証本、東映ch第3回再放送時での「金と毒薬と老嬢と」の題名表記は誤りで、リスト特捜隊の通り「金と毒薬と 老嬢」が正しい。

・かつて特捜隊で西本係長を演じた鈴木志郎が、傘修理業者役でゲスト出演。

・劇中でいう「からゆきさん」は、海外渡航して娼婦業を営む日本人女性のこと。

・エンディング表記で河村弘二の役柄が市村とあるが、劇中表記・台詞に従い永田とする。

 

 

(視聴録)

 

三船班は、事件は起こるのだが、何故か死体が見当たらない案件に悩まされている。

一方、屋敷を構える老女2人、通称アンジェラ(沢村貞子)、通称イヴォンヌ(村田知栄子)は小間使い・紋太(安藤三男)を使い、死体を運び入れ保管している。このことは、路上に転がった死体を、3人の男女が遺族と称し引き取っていった事案を、警官(丘寵児)が目撃したことから発覚した。調べていくと、2人の老婆は戦前に欧州を放浪、1949年帰国した「からゆきさん」で、金回りもよく屋敷は元華族から買い取ったもので、茶髪女・テレサ(鈴木サチ)も出入りしている。そんな中、この2人の老婆は武器・弾薬にも手を出すようになり、暴力団、永田(河村弘二)、矢野(森山周一郎)に関わるようになっていった・・・。

 

 

当作は、検証本にもありますが、コミカルなドラマということもあり、今までの特捜隊のイメージで見ると、とんでもないことになります(笑)これは、冒頭、三船主任の語り口からも垣間見れるので、肩を凝らせずのんびり見る作品です。

 

とはいうものの、面白いかといえば、正直つまらないといった出来で、脚本、監督とも揃っているのに何でと、初見、再見ともに感じました。

とにかく、ひとつの流れがすぐ途切れる、行き当たりばったりの流れになっていることが大きな理由です。コミカルなものでしたら、過去にも「#583 初笑い トバッチリ三船班」があり、おふざけながらもストーリーはまとまっているのですが、当作はまとまりに欠けると言わざるを得ません。それと、おふざけとはいいながらも、まったく仕事をする気のない三船班を見ているのは苦痛で、怒鳴り声をあげる田中係長がまともに見えるほどです。

 

1973年10月のオイルショックによる買い占めを、予見した風刺ドラマとも見えなくもないですが、それと作品の出来とは異なるものです。もし、特捜隊特集なるものを東映chでやる機会があり一般参加のステージで開催するのであれば、このような作品をつくる事情があったのかどうか、聞いてみたいような気がします。

 

(2018年1月13日 全面追加)