※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#583  初笑い トバッチリ三船班】

 

(本放送)1973年1月3日

(再放送)2016年6月23日

(脚本)横山保朗

(監督)鍛冶昇

(協力)プロモーション プラス・ワン (エンディング表記)

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

関根部長刑事(伊沢一郎)、村井刑事(北村晃一)、白石刑事(白石鈴雄)、

石原刑事(吉田豊明)、畑野刑事(宗方勝巳)、三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

森次浩司、岡田由紀子、葵三津子、和崎俊哉、久富惟晴、川合伸旺、藤岡重慶、

杉山元、泉洋子、見明凡太朗、清水京子、中川三穂子、本田圭子、野村順子、

原田久、藤田弓子、吉田義夫、中尾彬

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

年明けて、三船班にも春が訪れる。

ゆっくりと手足を伸ばそうと思うもつかの間、

ちょっとした縁を頼りに、

大阪の孤児たち6名が三船のマンションにあがりこみ、

三船主任も宿無し同様・・・。

そこへ、その腕は大阪仕込み、

猫捕りのプロフェッショナルたちが正月早々の初仕事、

昼夜も分かたずマンションに出没、その慌ただしさは年末同様・・・。

そして、またまた周辺に噂も高き美女たち、

砂村家三人姉妹のパンティーマークが

次々と盗まれるという事件発生に及び、

鬼の三船も泣けば良いやら、笑えば良いやらというお粗末・・・。

次回、「初笑い トバッチリ三船班」に御期待ください。

 

 

(備考)

・子供たちのエンディング配役は以下の通り。

東映児童研修所:秀男=松坂峯男、忠夫=藤田敏美、克巳=高橋仁

劇団いろは:誠=池田義彦、健一=石井孝行、明=皆川義光、敏雄=兼安宏文

 

 

(視聴録)

 

元旦の初詣、三船主任、関根部長刑事、畑野刑事、石原刑事、白石刑事、村井刑事、三船班のそうそうたるメンバーが八幡宮に揃い、三船主任は自宅マンションで一杯催しを提案するが、畑野、白石、村井の3刑事はスキー旅行で早々と離脱、残ったメンバーで催すことになった。

 

そのマンションの周りでは子供たちがホッケーで遊び、三船、石原も交じるが、誤ってパックを隣の砂村家に飛ばしてしまう。石原刑事が取りに入るが、三姉妹(岡田由紀子、泉洋子、中川三穂子)に痴漢扱いされ袋叩きに。誤解が解け三船宅に帰るも、さっきの子供たちが部屋を占拠、住人たち(藤岡重慶、川合伸旺、藤田弓子)も苦情に来るやら、大阪からの猫泥棒の一団、兄貴分(和崎俊哉)、杉原(杉山元)、手下(原田久)も乱入する逮捕劇になるやらひと騒動。これは、昔掏摸で「ピン公」と呼ばれたが、今は孤児施設で働く森山いちろう(森次浩司)が、熊本→札幌施設移動の途中で東京見物をしたもので、後に園長・見谷(見明凡太朗)が迎えに来るという。

しかし、子供たちは7人で1人多く、その子は誠といい、先ほど兄貴分は逃したが捕まえた猫泥棒・杉原の子であった。三船主任は、まとめて面倒を見ることにする。

 

一方、スキー旅行を準備中の3刑事、白石刑事のミスもあり、車を手配した女性3人(清水京子、本田圭子、野村順子)は三下り半を突きつける。さらに、通りかかった俳優・中尾彬(同役)に鞍替え、3刑事を車から降ろしてしまう。そこに、関根部長刑事が通りかかり、一緒にマンションに行くことになる。

 

着いた三船宅には、砂村家三姉妹も揃っており、最近ドクロマークのついたタイツ(通称・月曜タイツ)が盗まれる事件が続き、犯人を捕まえてほしいと陳情していた。そこに、交番巡査(久富惟晴)から猫泥棒犯人の引き渡しの連絡もあり、三船主任は、夕飯のすき焼きの肉を買うついでに白石、村井刑事を交番に行かせて、砂村家には畑野、石原刑事が行かせることにする。

 

白石、村井刑事は、交番の後に肉屋に向かうもあいにくと休業中。しかし、運よく肉屋の主人(吉田義夫)が通りかかったこともあり、カギを開けてもらうと、そこでは店を任せている元関西の御座敷ストリッパーの2号さん・洋子(葵三津子)が男としけこんでいた。そして、その男というのが・・・。

 

 

#451から再開した特捜隊、その中で本放送・正月番組は

1971年1月6日放送 #479 浅草の唄

1972年1月5日放送 #531 わが作戦 敗れたり

で、当作は1973年1月3日放送作品になります。肩ひじ張らずにくつろいで見ようという姿勢が特徴で、#479は殺人事件があっても関敬六ならずとも三船主任も歌い出すという、ミュージカルの要素があります。#531は殺人自体が発生せず、コミカルな調子とアクションの融合などの要素があり、面白く見れます。

 

当作は、タイツ盗難事件、行方不明事件とあり、コミカルというか楽屋落ちというか、笑いに徹した要素があり、前2作と大きく違うところであります。しかし、振り返ってみると悪ふざけの感は否めず、これは監督・鍛冶昇ということで、ユニオン映画でのコミカル作品を期待した器用なのでしょう。特捜隊の雰囲気にあっているかといえば・・・、個人差はあるでしょうが、再々放送でご覧いただきたいと思います。

 

しかし、特捜隊らしさは、開始39分たってわずかな時間ながら発揮され、今までおちゃらけていたレギュラーの顔つき、行動、声までガラリ一変するのだから大したものです。音楽も、これに合わせたようにシビアになるなど、正月番組の特番として見るには面白い作品でしょう。

ところで、以前触れた畑野刑事こと宗方勝巳の「ありがとう」第2シリーズレギュラーが、1973年1月18日に終了するので、これまでの中途半端な特捜隊出演が大きく変わることになります。水木刑事こと水木襄は、中途半端なことをせず特捜隊降板を選択したのですが、これから両者がどのように特捜隊に関わっていくか、これも興味あることだと思います。

 

(2018年1月12日 全面追加)