※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#528  その拳銃を追え】

 

(本放送)1971年12月15日

(再放送)2015年12月24日

(脚本)佐々木武観

(監督)中村経美

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)高倉班+三船主任

鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(田川恒夫)、鑑識課員(西郷昭二)、

その他高倉班は(備考)を参照。

 

(出演者)

真家宏満、本多さち子、生方功、千早隆子、丘寵児、逗子とんぼ、花村えいじ、

内山千鶴、小沼和延、笹方清晴、陶隆、小園容子、佐伯徹、加藤春哉、森山周一郎

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

・・・・・・・・(ガラスドア越しの男女のシーン)

女「今まで、いったいどこに行ってたのよ!」

倒れこむ男、驚く女

・・・・・・・・(以下、ナレーション)

ある小さなおもちゃ工場(コウバ)の社長が殺害された。

被害者(ガイシャ)の足どりを追って、直ちに捜査は開始され、

捜査線上に浮かんでくる

被害者(ガイシャ)とキャバレーの支配人との関係は何か?

事件の裏に隠された、貧しい男女の愛。

事件は、改造ピストル暴発事故を捜査中の

三船主任の別件捜査と関わってくる。

売れっ子漫画家と改造ピストル事件との関係は?

ある殺人事件を通して、

貧しい者同士が傷つけあわねばならぬ社会の矛盾を鋭く突いた、

次回、「その拳銃を追え」に御期待ください。

 

 

(備考)

・劇中に、特捜隊メンバー(男優名)の表記、三船主任(青木義朗)、畑野刑事(宗方勝巳)、高倉主任(里見浩太朗)、関根部長刑事(伊沢一郎)、水木刑事(水木襄)、白石刑事(白石鈴雄)、石原刑事(吉田豊明)、田中係長(山田禅二)がされている。

・中千鳥は改名して、本多さち子になったものと思われます。

 

 

(視聴録)

殿村玩具製作所は、社長・殿村せいさく(佐伯徹)、妻(未詳)、工場番・松三(陶隆)で廻し、緊急時は野上ごろう(真家宏満)の手を借りる零細工場。野上も、妻・ユミ(本多さち子)の入院費のため、工場のほか新聞配達やキャバレーのボーイの仕事も掛け持ちでやらなくてはならない事情があった。そして、殿村はドルショックの影響もあり金策のため午後4時に出かけたが、深夜1時に帰宅するなり玄関に倒れ込む。すでに頭蓋骨骨折で死んでいたのだった。

捜査に当たる高倉班は、殿村が襲われた犯行現場を特定。さらに、殿村の外出後の足どりを捜査。そして、吉野金融社長(安田隆)、人気漫画家・秋山きょうすけ(加藤春哉)、キャバレーレディファースト支配人・加藤(森山周一郎)、殿村と同業の工場長(片山滉)、OA玩具製作所・社長(生方功)と接触していたことを突き止める。

また、別件で、キャバレー裏のゴミ集積場に遺棄してあった改造ピストルが暴発する事件があった。担当の三船主任は重要参考人のチンピラ・サブ(西念順二)にたどり着くが、改造ピストルの出元を聞き出すうちに、ふと閃くものがあった・・・。

 

キャスト配列やカテゴリーの分類上から「高倉班+三船主任」と表示しましたが、実質の主役は三船主任です。前作「#527 焼死体と 五人の女」では「三船班+高倉主任」で高倉主任の出番はごくわずか、しかし、当作は三船主任の出番は絶好のポイントで、存在感は高倉主任以上でありました。これは、見た人により個人差はあるかもしれませんが、未見の方には是非とも再々放送をおすすめします。時代劇で斬られる青木義朗の幻影は、微塵もありません。

 

ただ、ストーリーとしては、殿村事件が多分に現実的でないところがあります。(以下は、人名指摘は避けますが・・・)

いくらフィクションだとはいえ、こんな理由で「犯罪」を犯すか、というところがあるからです。また、考えようによっては情状酌量の余地がありそうなのに、なぜ放っておくのかよくわかりません。さらに、最後の最後に及んでは利己主義丸出しと、正直共感できないのです。

 

捜査のほうも、かつてエリートのイメージのあった高倉主任、石橋を叩いても渡らないキャラだったのですが、当作は聞きこみ重視。三船主任の別件追跡を盛り立てようとする演出的意図もあったのでしょうか、バランスがとれていたかというと。。。

また、高倉主任と畑野刑事、会話も少なく微妙な空気は当作でも流れています(笑)

ただし、共演がこれで4回目ですので、これが最後だったとしたら、両者とも相容れないものがありながら、リアルタイムでは1年後に高倉班の終焉となります・・・。

 

(追加)

その後の高倉班ストーリーでは、、「#607  砂の塔」で高倉主任と畑野刑事の微妙な邂逅(カイコウ)があります。2人が接する直前に、互いに別件ですれ違うというものです。当時は、これが良かったのかどうか?現在は、役柄上違う立場・思想の2人を見てみたかった感はあります。

 

(2017年12月1日 全面追加)