※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#527  焼死体と 五人の女】

 

(本放送)1971年12月8日

(再放送)2015年12月24日

(脚本)小川記正

(監督)天野利彦

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班+高倉主任

鑑識課員(田川恒夫)、鑑識課員(西郷昭二)、

その他三船班は(備考)を参照。

 

(出演者)

小林勝彦、加藤和夫、清水京子、照井湧子、頭師孝雄、塚田正明、山口千枝、

松波志保、水島京子、岩城力也、伊藤陽子、直木みつ男、石井富子、由紀梨絵、

村田知栄子

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

年の瀬を火事に見舞われ半狂乱の人々・・・。

火元、船員の部屋に、判別しがたい女の焼死体が残された。

身元を突き止めるべく、横浜に飛ぶ刑事。

焼死体を巡って、三船刑事が推理した五人の女、

院長夫人!

看護婦!

保険外交員!

船員の妹!

そして、肉体を誇る院長の情婦!

謎が謎を生み、迷路に落ち込む不思議な事件だが、

その中に物欲・色欲・復讐のすさまじい情念が煮えたぎっていた。

次回の特別機動捜査隊、

「焼死体と 五人の女」、どうぞ御期待ください。

 

 

(備考)

・劇中に、特捜隊メンバー(男優名)の表記、三船主任(青木義朗)、関根部長刑事(伊沢一郎)、畑野刑事(宗方勝巳)、石原刑事(吉田豊明)、白石刑事(白石鈴雄)、水木刑事(水木襄)、田中係長(山田禅二)、高倉主任(里見浩太朗)、がされている。

・若手時代の誠直也(後番組の特捜最前線で吉野刑事を演じる)が、アパートの麻雀仲間の一人としてゲスト出演。

・村田知栄子の、写真ながらも貴重な(?)セミヌードを見ることができます。

 

 

(視聴録)

ある夜、アパートでガス爆発が起こり全壊、発火元の船員・川島(小林勝彦)の部屋跡から女性の死体が発見されたが、三船班は索条痕から絞殺と断定。家主・後藤(岩城力也)、大工夫婦(直木みつ男、石井富子)の証言から川島に着目するが、事件当夜はクラブ・バンブーのホステス・カルメン(照井湧子)と一緒だったという。

しかし、川島は渡辺クリニックを訪れ、院長・渡辺(加藤和夫)に面会を求めるという不可解な行動をとる。病院自体も、渡辺は絵画に凝っているが、モデル・もりむらみさ子(由紀梨絵)とただならない様子である。そして、渡辺の妻・敏子(村田知栄子)は行方不明、看護婦・さやま久子(清水京子)は盗み聞きの癖ありと一筋縄でいきそうにもなく、三船班は川島、渡辺に事情を聞くことにした。そこで、渡辺は霊安室の死体を妻・敏子と証言するが、絞殺されたと聞いてなぜか驚く。

さらに捜査を進めると、川島の死んだ妹・いづみ(山口千枝)は渡辺クリニックで勤務していたこと、敏子は死亡保険金5000万の生命保険に加入していること、その保険担当員は渡辺クリニックの元看護婦・いけだマチ子(伊藤陽子)だったことが明らかになる・・・。

 

当作は、小川記正脚本、天野利彦監督作品で、#451以降は、「#478 謎の女」、「#503 純愛の海」以来3作目のコンビです。前者は(紹介はまだ先ですが)傑作「#562  真夏の逃亡者」の先鞭をつけたアクションもの、後者は革命に対し中道的立場から社会正義を訴えたものとして、なかなかの仕上がりでした。

ところが当作は、もともと三船班ストーリーだったところを強引に高倉主任を入れてきた感が強く、別段登場させなくてもいい場面ばかりでした。これが、ストーリーに影響を及ぼしたのか、ネガフィルムのくだり、女性同士の関係の描写不足が起こったような気がします。

 

それでなくても、膨大な材料が散りばめられた小川記正の脚本を、当時若手の天野利彦監督が演出するわけですから、かなり演出に苦労された形跡はみられます。しかし、遺留品をもう少し伏線にできなかったのか、犯行の動機はラストに示されたもので本当に良かったのか、など目立つのも事実。様々な境遇の女性を登場させるなど(実見すると五人を超えています)、小川記正の着眼点はさすがベテランと思うのですが、どうしても粗が出てしまうのは残念。

特に、犯人はアクシデント的犯罪と主張しているようにも見えますが、どうしてもある程度予測していたとしか思えない展開ですから・・・。

 

それでも、駄作とならないのは、大筋がしっかりしているから多少の?がついてもグラつかないベテラン脚本、今回は謎解き部分に焦点を当てた若々しい演出、時代劇なら主役を譲っても刑事ものなら譲れない三船主任役の貫録もあるのでしょう。何よりも、再見しても飽きないところは、その表れだと思います。次作の2人の作品が傑作であることを祈りましょう。

 

さて、高倉主任と畑野刑事は今回が3回目でしたが、これで終わりではなく、次回は高倉班+三船主任で、再度かかわります。「掲示板特捜隊 7」では共演3回とありましたが、もう1回見ることができそうです。自分自身、この2人がどういう会話をしたか覚えていませんので、次回どうなっているか、ちょっと楽しみ。

 

(2017年12月1日 全面追加)