※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しましたR6.9.17 (出演者)をエンディング表記された「全男優・女優」に訂正

 

【#517  華麗なる 沈黙の街】

 

(本放送)1971年9月29日

(再放送)2015年11月19日

(脚本)松本昭典

(監督)北村秀敏

(協力)無し

(協賛)無し

(助監督)小笠原猛

(劇中ナレーター)無し

(捜査担当)高倉班

荒木部長刑事(金井大)、岩井田刑事(滝川潤)、鑑識課員(田川恒夫)、

田中係長(山田禅二)、笠原刑事(伊達正三郎)、森田刑事(北原隆)、

高倉主任(里見浩太朗)

 

(出演者)

真家宏満、吉岡ユリ、菅原チネコ、水町千代子、山本緑、岡部健、中村門、山口譲、

木村修、山田甲一、安田孝吉、藍幸治、香味加代子、里木左甫良、水村泰三、

片山明彦、加藤和夫、若山セツ子

 

 

(あらすじ・予告篇から)

 ※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

東京近郊の住宅が、次々に暴漢に襲われ殺人事件が発生した!

特捜隊・高倉班は、暴漢がいずれも新宿から40円区間内の住宅を

狙っていることに気づき、捜査を始めたところ、

地方から母親を探しに上京した岡部圭太郎が容疑者として浮かんだ。

そして、圭太郎は母親に会えぬままに、

いつの間にか麻薬中毒になり、その生活は荒んでいた。

素朴で真面目な青年の転落の陰には、冷酷な大都会が・・・。

次回の特別機動捜査隊、「華麗なる沈黙の街」に御期待ください。

 

 

(備考)

・荒木部長刑事役が、細川俊夫から金井大に代わった第1作目の作品。

・協力、協賛は無いが、群馬県高崎市でロケされている。

・ペーカン(ペイカン、ペイ患)とは隠語で麻薬中毒者の意。

・再見時視聴=#517 華麗なる 沈黙の町【スペシャルセレクション】

 

 

 

(視聴録)

上北沢駅近くの住宅で強盗殺人事件が発生した。遺留品、目撃証言による犯人の特徴から捜査に挑む高倉班だったが、ほどなく4日前の経堂駅近くの住宅強盗事件の犯人と同一だということが判明する。2件の共通点から、高倉主任は犯罪防止対策を田中係長(山田禅二)に進言するが、不明瞭な理由もありいい顔をしない。その後、阿佐ヶ谷駅近くの質屋に不審な男が質入れ、男は新宿・西村工業所勤務、高崎市出身の岡部圭太郎(真家宏満)とわかった。

高倉班は、西村工業所の社長(片山明彦)、社員(未詳)、恋人・哲子(吉岡ユリ)からの聞きこみから岡部はペーカンではないかと推察。保安第二課担当(加藤和夫)に相談するも、その間隙を縫って鷺ノ宮駅近くで、またもや住宅強盗事件が発生、さらに岡部をも取り逃がす。

高倉班は、岡部の故郷・群馬県高崎市に調査を広げ、知人の清掃人(里木佐甫良)、友人の養鯉場勤務員(未詳)、中学時代の担任・村越(水村泰三)たちからの証言で、岡部を捨て男を追いかけた母親(若山セツ子)の存在が浮かび上がる・・・。

 

 

当作は、ある程度犯人の目星はついており、事件解決までどのようにストーリーが展開していくのか、犯人はどうなっていくのか、に焦点を当てた作品です。なので、ここではテンポよい展開よりも、事件の原因部分に重きを置くべきであり、この点はねらいとして認識されていると思います。しかし、原因部分が、4つの駅の謎、母親、麻薬、と分散して、これらが上手く融合できなかったところが、中途半端な印象を抱かせる結果に見えました。真家宏満のオーバーアクションだけ記憶に残る感じで、それはそれで成功しているのでしょうが。。。

 

上手く融合できなかったのは、内容が濃いゆえに効率的な時間配分ができず60分枠におさめるには困難だったと考えます。正直、4つの駅の謎解きだけでも十分時間がとれる内容であったのですが、短時間ながら高崎ロケを行なうなど付加部分が多岐に亘り、いくら器用さのある北村秀敏監督でも、まとめるのは結構骨が折れたことでしょう。個人的には、せめて麻薬の件を省き、単に母親恋しの思いから精神的に異変をきたしたという展開のほうが、まとめやすかったのでは? と思いました

 

気づいた点では、高倉主任に対しての田中係長の態度が変わっていること。あれだけ「#512 高倉主任誕生」で絶賛していたのに、意見具申されると頑固親父みたいになるキャラは、脚本の違いとはいえ少し不自然。脚本の松本昭典は、このあと「#533 爆弾時代」を担当してから、#657 華麗なる挑戦状まで脚本を担当していません。

何か、新生・特捜隊になって、まだまだ不慣れなところがあるのかもしれません。

 

(2017年11月29日 全面追加)