充実の一日~その2~ | それはとりあえずおいといて。

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こんにちは、Lunaです。広範性発達障害を持つ昭和人です。「ポジティブカレンダー」よりも、ヒロシの「ネガティブカレンダー」を手に取ってしまいますが「元気があれば何でも出来る」はずなので、その「元気」を探す旅に出ています。

開演時間の2時になり、

赤いドレスに身を包んだ司会進行役の

稲村なおこさんが登場しました。


舞台の上にはスタインウェイのグランドピアノの他に、

向かって右端の方にショパン時代の古い

プレイエル(ショパンが愛用したピアノメーカー)の

小さなピアノも置いてあります。

現在のピアノに比べてとても小さく、全部木製、

鍵盤数もずいぶん少ないものです。


一番最初にアンリ氏がそのプレイエルを

弾いてみてくれたのですが、

やっぱりか弱く、はかなげな音。

ショパンは大ホールでコンサートをする事が少なく、

サロンで少人数のお客を前にするコンサートを

好んでしていたらしいので、

か弱い音でもお客様を満足させられたのかもしれないですね。

力強く、超絶技巧で知られるリストは

ショパンのパリ時代の親友だったのですが、

リストの愛するピアノの中には、

かのベーゼンドルファーも入っていたそうです。

昔から、思いっきり弾く人に愛されるピアノだったんですね、

ベーゼン様は。


稲村さんの朗読する物語に連れて、

スクリーンには写真や絵が映し出され

アンリ氏の演奏が進んで行きます。


私にはピアニストのうまい、ヘタはわかりませんが

(プロと習いたての区別はつくけど)、

アンリ氏のピアノの「感じ」はとても私好みでした。

失礼ながら早く「英雄ポロネーズ」が聞きたくて、

どういう「英雄」を弾いてくれるのか、

最初のうちから楽しみで仕方ありませんでした。


ロシアの弾圧からいつか誰かが立ち上がって

ポーランドを救ってくれる・・・・!

そんな「英雄」は当時のコンサートでも大人気で、

曲が終わらないうちから

スタンディングオベーションの嵐だったそうです。


そして、アンリ氏の「英雄ポロネーズ」が始まりました。


考えてみれば、生で「英雄」を聴くのって

生まれて初めてだったんです。

もうね、




「そうそうそう、これこれこれ、

これなのよ!!!・°・(ノД`)・°・」




と言うような

「英雄ポロネーズ」をアンリ氏は弾いてくださいました。

(残念ながらオマケのCDには入っていませんでしたが・・・)


あと、すばらしかったのが

演奏もしてくださったし、CDにも入っている


「ノクターン 嬰ハ短調『レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ』

 KK Ⅳa-16」

(Lento con gran espressionne en ut diese mineur

 Op.posthume)


でした。

これは映画「戦場のピアニスト」でも使われていますから、

ご存知の方も多いかもしれませんね。

私もそうだったんですが、タイトルを聞いてわからなくても、

曲を聴けば「ああ、知ってる!」となる方、多いと思います。


この企画は小学生対象でしたが、

小学生ともなると大人しく聴いているものですね。

私の隣に座っていた男の子は途中飽きてしまったのか、

もぞもぞやってお父さんに注意されていましたが、

しゃべったり笑ったりして演奏の妨げになるような事をする子は、

少なくとも私の目にはつきませんでした。


LFのライブではお子さんの声はプレイヤー公認であり、

赤ちゃんの泣き声も守也さんのバラードの味になりますが、

お子さんがこんなにいっぱいなのに

シーーンとしているコンサート、というのも珍しかったので、

「小学生(特に女の子)はオトナだなあ」と思ったのでした。


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すべてのプログラムが終わって、

またご挨拶まわりです。

国立楽器のN社長はさぞホッとしている事でしょう。

そして、問題はイヴ・アンリ氏です。


「私が子どもの頃、一番最初に好きになったクラシック曲が

『英雄ポロネーズ』でした。

今日はまさに私の前に英雄が現れてくれました。

素晴らしい『英雄ポロネーズ』をありがとう!」

なんて、そんな難しい英語は私の脳内電子辞書には

載っていないんですっ!!!


ですから、おフランス語を話せる通訳の方に

全部おまかせです。

なんてこたーない、フランス語で「英雄」は

「エロイカ」ですよ!!「エロイカ」!!

マンガのタイトルでも有名ですね。


正確に言うと、


「Polonaise en la bemol majeur Op.53<Heroique>」


これがおフランス語で言うところの

「英雄ポロネーズ」です。

通訳さん、ご苦労様でした・・・・・。


すると、なんとアンリ氏が私の本を手に取って

「サイン、サイン」と言っています。

見せるだけのつもりで編集K氏が渡した私の本を、

アンリ氏はもらえると思ったらしい。



ちょっとお!!( ̄□ ̄;)

それならそれで家でちゃんと

描いて来たのにさ!!!

言ってくれよう!!!!



シャーペンとボールペンしかない上に、

廊下の照明は暗く、

しかも私は舞台を見る用の遠目コンタクトを入れていて、

近くがぼやけてよく見えない状態だったのでした。


仕方ないのでぼやけた視界の中で

なんとか簡単に顔を描き

(その間アンリ氏は横で私の手元をガン見)、

日本語で「イヴ・アンリ先生へ」

英語で自分の名前を書く、と言う大変マヌケな

サインをして本を差し上げました。


く~~~~~~~~っ!!

何日か前に守也さんが

「Merci Beaucoup(ありがとう)」

おフランス語で描いていたのを見たばかりだったのに!

それも書けやしない!!(*`д´)ノ


でもアンリ氏、Merci Beaucoup!」

ニコニコと本を受け取ってくださいました。

それだけでも光栄な事ですよなぁ・・・・・・o(TωT )


ご挨拶が終わって会場へ戻ると、

残っていた何人かの子どもたちが

ショパン時代のプレイエルをいじっていました。

そうだよねえ、今度いつさわれるかわからないもんねえ。

本当に、いい企画でした。


この企画に参加した子の中から、

将来世界的ピアニストが生まれるかもしれません。

アンリ氏も、時々来日されては

国立楽器で生徒を募集してピアノを教えてらっしゃいます。

日本で外国のプロのピアニストのレッスンを受け、

「本格的に留学したい!」なんて思う子もいるかもしれませんね。


でも、「言葉が通じない」って本当に大変。

ちょっとした挨拶や旅行ですら汗をかくのに、

暮らしたり勉強したりって、

どうなのよ。

うちの姉はギリシャで何やってたか知りませんが、

どこかの兄弟を改めて尊敬するよ、あたしゃー・・・・・ガーン


とにかく私は、


「もうちょっと(挨拶くらいは)

 フランス語を勉強して行けば良かった・・・・」


「アンリ氏に本をプレゼントするなら、

 ちゃんとしたものを用意して行くべきだった・・・・(ノ_-。)」


そればかりを考えながら

ため息、しかし満足の帰途についたのでした。