映画「おいしくて泣くとき」 | ネコのつぶやき

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森沢明夫さんの小説「おいしくて泣くとき」が映画化されました。

この作品、実は私は3回読了しています。

1回目は面白くて一気読みしてしまいまして。

2回目は噛みしめながらゆっくりと読もうと思っていたのに飲み込むように読んでしまい。

3回目に至ってはなめるように読み切ってしまった作品です。

 

 

 

 

こども食堂が登場します。

ネタバレになるので詳細は控えますが、主人公のおとうさんが経営するご飯屋さんでご飯を満足に食べられない子供達に”こども飯”を提供しているという設定です。

そこに同級生達とのエピソードがからみつつ、現在と30年前を行ったり来たりしながらストーリーが進みます。

 

 

 

 

森沢さんは大好きな作家さんのひとりです。

ストーリーの展開が優しい・・・

 

本を読んでいた時に何となく思っていたことが映像を観ることでより一層クリアに浮かび上がってきました。

 

ネグレクトも虐待も貧困も・・・子供達を取り巻く悲しい出来事は全て大人の責任です。

子供達には何の罪も無いし、責任も無いし。

周りの大人達の関わり方次第で回避できることはたくさんあるはずなのに。

大人の大人としての在り方を問われた気がしています。

(虐待する親はもちろん、論外ですが、事なかれ主義の大人の姿も痛いほど刺さります)

 

 

 

 

映画として2時間弱にまとめなければいけない都合上、エピソードが省略されていたり、内容が変わっていたりはしましたがそれは致し方ないことです。

原作を読まず、いきなり映画を観に行ってもそのまますんなりと受け入れられる内容かと思われます。

 

一応、こども食堂を運営している立場としては複雑な想いでストーリーを見守っていたことも確かです。

現実問題として、私には何ができるんだろうね?

バッターボックスに立っても、ずっと空振りしているような無力感に満ち満ちているのだけれど。

それでも、”居場所”としてのこども食堂はやっぱり必要な場所なんだろうな。

 

 

映画の中で”偽善者”という言葉が出てきます。

わからんでもない。

こども食堂の運営を自己満足だと言われたこともありますから。

それでも、誰かが何かを続けなければ守れない命があることも事実です。

偽善者でも自己満足でもいいねん。

誰かがホッとしてくれたり、笑顔になってくれたらそれでいいねん。

 

 

そして、映画を観終わった後に心揺さぶられる出来事に遭遇したのです。

 

映画の後、トイレに行きました。

鏡の前で若い女の子が二人、真っ赤に泣きはらした目で一生懸命にお化粧直ししているところでした。

 

(エンドロールの途中で出て行った子達でした)

 

彼女達の会話が自然と聞こえてきます。

 

「ヤバイ。こんなに泣く映画とは思わんかったわ」

「ワタシも」

「映画の中で夕花(主人公の女の子)が泣くやん?

 ワタシ、あんな風に泣けなかったなーって思い出してさ、余計に泣けてきた」

 

 

キレイにお化粧をして可愛い服装の若い二人でした。

状況はわからないけど・・・この子達も虐待を受けていたのかもしれない・・・

その当事者だったのかもしれない・・・

 

 

 

キュッと胸が痛みました。

まだ10代後半?20代前半?

今はこうして映画を観に来れるような生活をしているのでしょうが、どんな子供時代を過ごしたのか。
彼女達にこの作品はどう響いたんだろう。

 

 

作品の中で夕花が電車の座席で隣り合わせた女性に「私も幸せになれますか?」と問いかけるシーンが蘇ってきました。

 

 

この子達も幸せを感じてほしいです。

生きていたら、きっといいことがあるから・・・電車の中で女性が夕花に答えた言葉をこの子達も受け取ってくれていたら嬉しいです。
もちろん、良いことばかりではないかもしれないけれど。

それでも、生きてほしいと思うのはワガママでしょうか。

 

 

~会えなくても姿が見えなくても誰かが誰かを想う気持ちは無くならない~

 

作品を通して伝わってくる想いに救われます。

 


 

子供達が生きていく環境は必ずしも穏かとは言えません。

もちろん、様々な困難に立ち向かうことも必要かもしれないのだけれど、そこに大人のエゴを持ち込んではいけないのです。
大人ならば、自分の問題は自分で解決してください。

子供に八つ当たりするなんて言語道断です。

身体の傷は消えるかもしれないけれど、心に負った傷はずっと消えない・・・

子供にはその子の人生があります。
大人のエゴでその人生をゆがめてはいけません。

 

 

 

こども飯を作り続ける主人公のお父さんの姿に心惹かれます。
偽善者と言われても信念を曲げない強さがステキです。

「こどもワクワク食堂」も誰かの居場所になっていたら嬉しいです。

そして、その居場所を守ることが私にできることですね。

 

 

補足ですが、大人になった主人公をディーンフジオカが演じています。

「誰やねん・・・このイケメンは・・・あ~ディーンさんだ💕」

ディーンさんって私の中ではとても華やかな印象があるのですが、今回のようなしっくりとした役柄もぴったりです。

 

 

 

 

 

次回の「こどもワクワク食堂」は

2025年4月26日(土)11時半~13時

場所 中道地域福祉センター

神戸市兵庫区中道通4-2-8
子供無料、大人500円プラス(お気持ちをお願いいたします)
お米やお菓子などお配りできそうです。エコバックをお持ちください。

 

 

 

 

 

月に一度ではありますが、

いつもの笑顔に会えることを私達も楽しみにしています。

なかなか、ゆっくりとお話ができる状況ではありませんが

「こどもワクワク食堂」はみんなの居場所として活動を続けています。

相談事などありましたら、遠慮なく個人的にご連絡をください。

私の力は微々たるものですが、あらゆるところに連絡を取りまくって対処方法を探します。

自転車で走れる範囲ならばお米を積んで駆けつけますからねっ!!

ダイジョウブ!! 何とかなるから。何とかするから。一人で抱え込まないでくださいよ!

お電話でのお問い合わせは070-5463-8902 まで