久しぶりに行って来ました、宝塚大劇場!
もちろん、地元バス会社の宝塚観劇ツアーです。
今回の演目は…
星組さんによる『霧深きエルベのほとり/ESTRELLAS』です!
【作品紹介】(『霧深きエルベのほとり』)
エルベ河に隣接する港町を舞台に、ビア祭りの日に出逢った恋人達……情に厚く人間的魅力に溢れながらもどこか哀しみを湛えた船乗りカールと、父親との確執ゆえ家出した名家の令嬢マルギットの切ない恋を描いた『霧深きエルベのほとり』。日本を代表する劇作家であり、演劇界に多大な功績を遺した菊田一夫氏が宝塚歌劇の為に書き下ろしたこの作品は、1963年の初演以来、幾度となく再演され多くの観客の心を捉えてきました。
宝塚歌劇が105周年を迎える2019年の幕開け、この作品に惚れ込んだ上田久美子の新たな潤色・演出により、紅ゆずる率いる星組での上演が決定。生きて行くことの寂しさや切なさ、今は薄れつつある人の情けの暖かさが描かれた、宝塚歌劇が時を越えて守り伝えて行くべき珠玉の名作の再演に挑みます。
宝塚歌劇が105周年を迎える2019年の幕開け、この作品に惚れ込んだ上田久美子の新たな潤色・演出により、紅ゆずる率いる星組での上演が決定。生きて行くことの寂しさや切なさ、今は薄れつつある人の情けの暖かさが描かれた、宝塚歌劇が時を越えて守り伝えて行くべき珠玉の名作の再演に挑みます。
(公式サイトより)
【人物相関図】
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(あ、普通にネタバレあるかもしれないので、ご注意を!σ^_^; )
◆『霧深きエルベのほとり』について
さて、これいつ頃の時代設定なんだろう…
ということが妙に気になりましてね…
(なんか面倒なやつ!?と思わないでくださいね!そういうのが習性になってて…😅 )
ドイツに身分制度が残っていて、でもなおかつ大きな「貨物船」などで港町ハンブルグが賑わっている…
ということは、ビスマルクによる1871年の「ドイツ統一」後、彼が「引退」する1890年までの、ヨーロッパが平和で経済発展していた頃と考えるのが妥当だろうか…
その頃のドイツは、フランス革命流の「自由・平等」の理念より、「皇帝」を中心とする国の「統一」の維持と経済や貿易の発展を第一に考えていたので、紅ゆずるさん演じるカールのような「水夫」も含めた庶民の成長の一方で、綺咲愛里さん演じるマルギットや礼真琴さん演じるフロリアンのような「上流階級」の名家もまた、皇帝権力を支える特権身分として改めて大きな力を持っていた…
そんな時代背景の中で、「身分」の差を乗り越えて愛し合った男女が結ばれる…というのは、やはり現実問題として難しいし、相手のことを思いやればこそ、自らは身を引くことこそが本当の愛情なのでは!?と思わせ、そして、妙に納得させられる…
いや、でもですね!
それはあくまでも紅さんの「漢気(おとこぎ)」溢れる魅力あればこそ!?なのかもしれません…😅
じゃなければ、「自由」とか「平等」と言っていればやたら受ける現代の風潮の中!?「相手の幸せを願って身を引く」とかさ、いつの時代の話やねん?!って拒否反応が起こるかもしれないところ、ものすごい説得力で納得させられ、なおかつ紅さんカールと一緒に泣いちゃうって、なかなかないと思いません?
この作品、たぶん男性が観た方が感動や共感を覚えるんじゃないかな…
また、その紅さんカールと対照的な、知的で冷静で…でもなおかつ、常に愛する人の幸せだけを考えているっていう点ではカールに勝るとも劣らない(って、そんな男性ほんとにいるのか?!^^; )、礼真琴さん演じるフロリアンの存在が、どんな人間にとっても「人を愛する」ことにおいて一番大切なのは「相手の幸せを願うこと」だという、この作品のテーマをより鮮明に浮かび上がらせているようにも思う…
いや、礼真琴さんの存在の大きさ(その歌のうまさを合わせて!)が、むしろ紅さんカールの露悪的でちょっと軽めのキャラクターをより印象的に浮かび上がらせ、その切なさや無念の思い!?などを強調することにもなり、大きな感動を生み出すことにもなっているのかな…などとも思いました。
いや、この舞台、とにかく紅さんの「漢気」(笑)とお茶目さ、礼真琴さんの歌のうまさと地に足のついた演技、そしてその間で揺れ動く綺咲愛里さんの不思議な透明感と可愛らしさの三重構造で成立しているようで、最初から最後まで惹きつけられました。
あえて言うなら、エピローグ?がちょっと長い?!
あれは、カールとマルギットが結ばれる未来も予感させる作り方?
まあ、観客に「その後」を想像させるというのは高度な芝居作りのテクニックなのかもしれないし、「現代的」な意味を持たせるためにも良かったのかもしれませんけどね…😅
(まあ、それならそれで、「結局どっちやねん!?」と思ったのも確かですが…)
◆『ESTRELLAS』について
キャッチーで、どこかで聞いた曲ばかりで、とても親近感が湧きました!
特に、平井堅が歌っていた「POP STAR」は、一緒に歌って踊りたくなったほど!
(いや、全然踊れませんけどね…😅)
そして!
椎名恵が歌っていた、ドラマ『ヤヌスの鏡』の主題曲でもある「今夜はANGEL」ーー
この曲、1984年のアメリカ映画『ストリート・オブ・ファイヤー』の作中曲「今夜は青春(Tonight Is What It Means to Be Young)」のカバーであるそうですね。
というより、私にとってはミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』のラスト、アブロンシウス教授のソロからヴァンパイアたちが歌い踊るシーンへとつながるあのフィナーレの曲です!
いや〜!
こんなところで聴けるなんて!
また『ダンス・オブ・ヴァンパイア』が観たくなっちゃいました!
今年再演あるんですよね…
アルフレートを誰がやるかにもよるんですが…
どうするか、考えなくっちゃね!
ここのシフォンケーキを食べるのが、実はこの大劇場に来る楽しみの一つなんですよね…
次はいつ来れるかな…