イキウメ 散歩する侵略者 公式サイト
(作・演出)前川知大
(出演)浜田信也 安井順平 盛隆二 森下創 大窪人衛
内田慈 松岡依都美 栩原楽人 天野はな 板垣雄亮
11月26日 ABCホール
昨年から気になっていたイキウメをまた観てきました。
そしてすっかりファンになりました。
不仲で別居をしていた夫婦。行方不明になっていた夫・真治が、別人のように変わって帰ってきた。
穏やかに、でも物、事に関する意味が理解出来ない、子供の様に。
町には残忍な一家慘殺事件が発生、真治と同じ様な症状の人が増えていって・・・
彼は、宇宙人?概念を奪うという侵略者。
SF的で、どんなふうに話が展開していくのかと興味津津で観ていましたら、最後泣いてしまいました。
戦争や平和、そんな要素を含めての美しく切ないお話だったのです。
「愛」の概念。
妻・鳴海は「愛」を真治に差し出します。
真治の面倒を見、おかしいと思いながらもその様子を隠し一緒に居たのは、彼への愛が甦ったからだと思います。
彼を失って悲しむ位ならって。
真治は「愛」を知りません。純粋に奪います。でもその後が・・・
愛を差し出した女と愛を知った男の後悔が悲しいです。
再び愛を二人で共有する事は無いのだから。
浜田さんと内田慈さんのこのシーンはとても心動かされました。
安井さん演じるこの町を取材していたジャーナリスト・桜井。事件に巻き込まれ、侵略者・天野と向き合う様子がカッコ良かったし、面白かったです。
天野を演じる大窪さんが狂気的で気持ち悪かったです。上手いな~
出演者皆さん、とても良かったです。
最後、
戦争、争い その概念をネットで募集して奪えば、平和になるのではと提案されるのだけど。
考えさせられますね。
真治が「分からない」と。私も同じ気持ちになりました。
自分の周りにはたぶん起きそうにない事を描かれているのだけれど、最終的に身近な事に感じて自分の中に違和感なくスッと入ってくるんですよね。
イキウメ、凄いです。
来年もまた観たいです。