本当の善?本当の悪? | Charming Voice

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ドラマ S-最後の警官-

普段は、楽しく呟きながら見ていたのですが、9日の第5話はそれが出来ず、見入ってしまいました。
中々答えの見えないテーマだし・・・答えは人それぞれ違うだろうなと思います。

滝藤賢一さん演じた神父こと板橋。余命半年と宣告され、自暴自棄になり自殺サイトに登録。彼は元心療内科の医者。同じ苦しみを抱えた人達の話を聞くうちに、相談に乗り始めその事に生きがいを感じ始めました。そして、彼を助けたいと。
この事件には、テロリストMが絡んでいます。Mから貰ったナイクラッド弾を17人の人に送ります。とてつもない破壊力を持つこの弾、これをお守りに強く生きてほしいと思いを込めて。
しかし、11人は救えたが、5人は自ら命を絶った。(1人は未遂)問題にされたのは、11人を助けたではなく5人の命を奪った事。板橋のした事は、善なのか?悪なのか?

犯罪者を決して許せないと思っている綾野君演じる蘇我がNPS隊長・香椎に問います。
犯罪者だから世間に非難を向けられても当然で。だけどNPSは悪を許すべきだというんですか?と。
(NPSは、どんな凶悪犯でも生かして確保するというのが信条)

「許そうなんて思ってないよ、俺達は。それに人の善悪を判断出来る程、自分が賢いとも思っちゃいない。
蘇我、俺達は難しい時代に警察官をやってる。日常の影に、倦怠感や閉塞感が渦巻いている。鬱積したものが一気に吐き出して暴走すれば、普通の市民も突然狂気に駆り立てられる。
自分達が正義なんだと疑わない感覚。異論が出ても、数で押しつぶし、広がっていくネットの言葉。誰もが皆、いつ陥っても不思議じゃない闇を抱えて生きている。いつ誰が、テロリスト同様の犯罪を引き起こすか分からない。そういう可能性のある社会なんだ、今は。
だからこそ、誰も死なせたくないんだよね、俺は。被害者も加害者もみんな、善悪関係なく。一號をよろしく頼むな」

許さないけど、救える、救う事は出来る。理解は出来るけれど、まだまだ私は共感出来ない。蘇我の気持ちの方が今はよく分かります。
そしてネットの話は、こうやってブログやツイッターをやっている身としては、怖いなと。発言には気を付けないと危険ですよね。

人は人によって生かされているんだなと思いました。
死のうと思ってサイトに登録した神父が、そこで生きがいを見つけ、そこで同じ思いを抱いていた人達は生きようとする。
ネット暴走によって起きた事件で刺され、心肺停止した神父を生かそうと必死に蘇生する一號。そして息を吹き返す神父。
神父が自殺未遂した少女に当てたメールの文章、心に残ります。
「たとえ弱くても儚くても、人は命の続く限り生きていくべきなんです。生きていいんです。」
神父役の滝藤さん、13㎏減量したそうで役者魂に感動し、ラストは涙が止まりませんでした。

犯罪者を死なせず確保する。被害者の痛みを感じて生きてほしいからと一號。
犯罪者は制圧すべきと思っている蘇我。この事件をきっかけに2人の思想が、かなり揺らいできましたね。
特に蘇我は。神父が倒れた時にメガネが外れたのをかなり気にしていて、それに気付いた蘇我が、メガネをかけてあげたんです。今までだったらそんな事絶対しなかったと思います。
そして、一號に姉が巻き込まれた事件を告白したのも。揺れに揺れてるなって感じました。ここの綾野君がまたいいんですよ。あのクールな彼が、心を少し開いた瞬間でしたね。
それを聞いた一號もまた、きっと。

今後のドラマの展開がとても楽しみになってきました。

さて、大森南朋様ですが、毎回カッコイイ~なんて思いながら見ております。だって本当に素敵なんだもん。
香椎秀樹、気になるところがあります。彼のプライベートとか・・・
でもそれよりも、霧山塾の方々が彼の事を「察庁1の切れ者」と何かと言うんです。SATの隊長・中丸も「あいつは抜け目ない男」と申しております。
過去に何かあったのは間違いないわけでして。その辺りを今後描いてもらいたいですね。

そして香椎の面白ボソッと発言も期待しています。