食後の珈琲は必ず2杯出てくる
僕はそのことに対して彼女にとやかくいわない
さもうまそうにキリマンジャロを啜る
「何か言いたい事があるんじゃないの?」
「いや、なにもないよ」
「ふん、最近のあなたはいつもそうね。」
「なんのことだい?」
「あなたのその態度のことよ。」
僕は胃の底がムカムカしてきた。
「なにか気に入らない事があるなら言ってご覧よ」
「はあ?あなたはいちいち癪に障る男ね。その煮え切らない態度が頭にくるといっているのよ!もう我慢の限界よ!」
僕は現実感の乏しいなんだか霞のかかったような視界の片隅で彼女が口の端から泡を吹きながら懸命に僕への不満めいたことを喚き立てるのをぼおっと眺めていた。
ああ、いつもこうだ。僕は彼女のことをなにも受け入れちゃいない。彼女は僕のなんだろう?暇つぶしの道化か?はたまた道端に生い茂る逞しくも忌々しい雑草か?
そんなことはどうでもいい。僕はうつろな目をしたままゆっくりと彼女に忍び寄るとその白くて透き通ったか細い首にしっかりと両手をかけた。
そして3時の方向へ力一杯ねじ切った。もう煩わしい蝿のようなわななきは聞こえない。ごとりという不吉な音とともに彼女の首が床に落ちる。
彼女の唯一の生きた証が床におちる。
そして僕は静かにそこを離れるとパスタを茹でにかかる。
もう夕食の時間だ。
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