cats&docksapplause【ソンビ感染後】 | 猫さまと犬どのの読書日和

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【ソンビ感染後】

黒猫犬猫犬「どうも〜! にゃんことわんこで拍手喝采! cats&docksapplauseです!」

黒猫猫「突然ですけどゾンビって、昼も夜も歩いているだけで絵になるモンスターですよね。ヴァンパイアとか狼男ではこうは行きません」

犬犬「確かに、ヴァンパイアは太陽の光が苦手だし、狼男は満月がないと変身できないですからね。両方とも夜じゃないと出てこれない」

黒猫猫「昼も夜もゾンビは活動できるということ、感染力だって強いってことになりますよね」

犬犬「まあ、夜にしか活動しないヴァンパイアより、一日中歩き回るゾンビに噛まれる可能性の方が高いとは思いますけど」

黒猫猫「と、なるとですよ、今後ゾンビに噛まれてゾンビになってしまった時のことを考えておいた方がいいと思うんですよ」

犬犬「どうしてその必要性を感じたのか今の流れではつかめませんでしたが、そう思ったのなら仕方がない」

黒猫猫「もし、私が猫ゾンビになったら……」

犬犬「いや、あんまり映画やドラマで猫のゾンビって見ないですけどね」

黒猫猫「えっ!? もしかして猫はゾンビになれないんですか!?」

犬犬「なんで残念そうなの? なれるでしょう生き物なんだから」

黒猫猫「うわっ、マジか〜! ゾンビなっちゃうか〜! 猫ゾンビとかマジで引くわ〜」

犬犬「どっちなんだよ。ゾンビになりたいのか、なりたくないのか」

黒猫猫「まあ、人気モンスターのゾンビって人間はもちろん犬とかも見るし、汎用性も高いわけじゃないですか? それなのに猫がいないっておかしいと思うんですよ。だって猫ってめちゃくちゃかわいいから、ゾンビになってもやっぱりかわいいと思うし、もしかしたら猫ゾンビはすでにいるかもしれないけど、たぶんまだ少数だと思うんですよ。でもね、やがて市民権を得て今後は猫ゾンビがどんどん増えていくと思うん……」

犬犬「すごい語るじゃん。ゾンビに憧れてるじゃん」

黒猫猫「憧れているかどうか別にいいんですよ。もしもですよ、私がゾンビになってしまったら……」

犬犬「はいはい、ゾンビになったら?」

黒猫猫「ゾンビになっていってしまうと自分の意識が失われて、ゾンビ意識に支配されてしまうと思う」

犬犬「何よ、ゾンビ意識って?」

黒猫猫「犬どのが近くいたら、まっさきに襲ってしまうかもしれない」

犬犬「なんで名指し? もしかして普段から思ってる?」

黒猫猫「ゾンビになってしまったけど、私は誰も襲いたくない! これ以上感染を広げるわけにはいかないわ!」

犬犬「あ、結構感染が広がった段階でゾンビになったんですね。ありますね〜、変わり果てた人たちが普通の人を襲っているところを見ているからね、あんな風になりたくない! 人間らしく死にたい! みたいな話ですよね? 感動シーンです」

黒猫猫「その時は犬どの、私を殺して!」

犬犬「えっ、さっきまっさきに襲われてましたけど?」

黒猫猫「早く! 私のことは構わず! あなたの手で、お願い!」

犬犬「下手したら僕もすでにゾンビになっているかもしれないんですけど?」

黒猫猫「えっ? どうしてもできない?」

犬犬「いや、できないとは言ってないけども」

黒猫猫「一緒に元に戻る方法を探そう?」

犬犬「あー、ワクチンとか出てくるパターンですね。この場合、ゾンビになってしまうまでの間に打たなくてはいけない、っていう流れですかね? 完全にゾンビになってしまうともうダメってことですよね? ドキドキ展開ですよね」

黒猫猫「わかったわ犬どの、でももし私が完全にゾンビになってしまったら誰かに危害を加える前にあなたの手で私を殺して!」

犬犬「うん」

黒猫猫「えっ? そんなこと絶対できない?」

犬犬「いや、うんって言ったけど。了承の『うん』だよ今の」

黒猫猫「犬どののバカ!」

犬犬「快諾したのに罵倒されてるんですけど?」

黒猫猫「いくら私が可愛いからって!」

犬犬「そんなことは一言も言ってない……」

黒猫猫「猫ゾンビは可愛い、その中でも私は別格だなんて!」

犬犬「おい!」

黒猫猫「そんな私を殺せるはずないわよね!」

犬犬「自分が可愛いって言いたいだけだろ。もう、じゃあ、逆に僕がもしゾンビになったらなんですけど……」

黒猫猫「まかせて私が即刻始末してあげるから!」

犬犬「迷いのない瞳! もういいよ!」