【キャラづけ】
猫犬「どうも〜、猫と犬のコンビ、cats&docksapplauseです!」
猫「犬どの、ここのところ思ったんだけど、私このままじゃいけないと思うの」
犬「このままではいけないって、どうしたんですか?」
猫「私達、猫と犬とで漫才をしているけど、いまいちパンチがないっていうか、平凡っていうか……」
犬「猫と犬が漫才しているのに?」
猫「もっとインパクトがほしいと思うし、もっとみんなの記憶に残りたい! 私、このままただボケ続けるだけの普通の猫で終わりたくないの!」
犬「ボケ続ける猫はもはや普通の猫ではないですけどね」
猫「そこでなんだけど、私達に足りないものって何かなって考えてみたわけ」
犬「足りないもの? えっと、ネタの構成とか? フリとオチのバランスとか? そもそもだけど、この漫才は文章だからテンポは読者によるし変えることは難しいですよ?」
猫「いいえ、ネタの構成とか、フリオチのバランスとかは、主が書いてるから限界があるわ! ズバリ、私達に必要なのはキャラづけよ!」
犬「キャラづけ?」
猫「例えば私だけど、猫というだけでなくもっと特徴を持っている方がいいと思うの」
犬「もう充分黒いという特徴がありますけど?」
猫「文章だけだから伝わっていないわ! 文章と小さなアイコンだけでは個性が出ていないの! 出しているつもりだけども!キャラは意識的に作らなくてはいけないと思う。そこでね、最新の市場を私独自にリサーチした結果、こらから流行りそうで人気が急上昇しそうな性格設定を発見することができたわ」
犬「ほぅ、最新の? それはどんなものなんですか?」
猫「初耳かもしれないけど【ツンデレ】っていうの!」
犬「今さら!? 耳を疑うレベルのド定番ですけど!?」
猫「まあ、そのツンデレっていうの? 何でもツンがデレするみたいなんだけど……」
犬「全然わかっていない感じですけど大丈夫ですか?」
猫「まあ、新しいジャンルってよくわからないものじゃない? これから色々な人の手によってどんどん開拓されていくんだと思うんだけどさ」
犬「いやもう探索されたつくされた観光地みたいな状態だけどね」
猫「でね、私も、その何だっけ? えっと、ツン、デレだっけ? を自分のキャラにしてみたいと思ったわけ」
犬「たった四文字があやふやならツンデレよりも天然の方がいいと思うけど」
猫「というわけで、ちょっとやってみるわ」
犬「何だかわかっていないのにできるんですか?」
猫「もちろん、ちゃんとヤフって来たんだから任せてよ!」
犬「それググって来たんじゃなくて? 大丈夫かな?」
猫「別に好きとかじゃないんだからね! たまたま暇だったらから誘ったあげたんだから、勘違いしないでよね! あんたなんかに照れるわけないじゃない! 焼きもちなんか焼いてないんだからね! ……嘘、好き! 私の何が不満だって言うのよ!」
犬「意外なことに確かにツンデレっぽいセリフだ!」
猫「でしょ? この調子でネタでもやってみましょう」
犬「じゃあ……最近、銭湯に行くのが楽しみなんですよね。猫さまは銭湯とかいいと思いませんか?」
猫「べ、別に好きとかじゃないんだからね!」
犬「それは好きってことですよね……? えーと、広いお風呂って気持ちいいですよね」
猫「たまたまなんだからね! 勘違いしないでよね!」
犬「いや、銭湯のお風呂が大きいのはたまたまではないと思うんですけど……。まあ、色々な人もいますし、それが恥ずかしいっていう人もいると思うんですけど……」
猫「あんたなんかに照れるわけないじゃない!」
犬「いや、ちょっと待ってもらえます?」
猫「何よ、私絶好調じゃない?」
犬「どこがだよ! っていうか、ツンデレっぽいセリフを言っているだけで全然噛み合っていない!」
猫「それに私の方だってまだ途中なんだから!」
犬「途中?」
猫「そうよ、ツンデレはツンのあとにデレがくるからツンデレなのよ! まだデレていないからツンデレになっていないわ」
犬「今の流れでどこでデレる気なの!?」
猫「オチでデレるのよ、オチで! 最後にデレるギャップがいいんでしょ? ほらほら続きね!」
犬「いや、オチでデレるにしても、そういうこと言わない方がいいよ? ……ええっと、銭湯のお湯ってどうしてあんなに熱いんですかね〜?」
猫「焼きもちなんか焼いてないんだからね!」
犬「いや、風呂場で何に嫉妬してんの! それで風呂が熱くなるわけないでしょ!」
猫「私お風呂なんか大嫌い! ……嘘、好き。……どう? この華麗なデレオチ」
犬「いや、華麗でもないし、オチていない! っていうか、意味がわからんことになってる!」
猫「もう私の何が不満だって言うのよ!」
犬「もういいよ!」