cats&docksapplause【桃太郎・家来】 | 猫さまと犬どのの読書日和

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【桃太郎・家来】

黒猫犬猫犬「どうもこんにちは!cats&docksapplauseです!」

黒猫猫「突然ですけど、どうにも納得できないことってないですか?」

犬犬「いきなりどうしたんですか?」

黒猫猫「いえね、ほらあれですよ、鬼を退治する子供にも大人にも人気の話があるじゃないですか」

犬犬「ああ、アニメ放送されて、映画にもなった人気作のね」

黒猫猫「桃太郎」

犬犬「桃太郎かい! 確かに人気かもしれんけども。それで何が納得いかないんですか? あ、わかった、桃から人間が生まれるところですか? ダメですよ、そういうところツッコんだら、おとぎ話なんですから」

黒猫猫「まさか! 桃から生まれなかったら桃太郎じゃないじゃないですか! そういう大前提を崩してはダメですよ。それは金太郎が金から生まれたのと同じことですよね」

犬犬「いや、金太郎は金から生まれてないけどね。こわっ、何その設定」

黒猫猫「まあ、坂田金時の話はいいんですよ」

犬犬「その名前を知っていて、どうして金から生まれたと思ってるんだよ」

黒猫猫「私が納得できないのは、桃太郎の家来ですよ。つまり、犬、猿、雉のことです」

犬犬「ああ、桃太郎と言えば、犬、猿、雉の三匹がお供になりますよね。これに納得いかないんですか?」

黒猫猫「そうですよ! 鬼退治に行くんですよ? しかも鬼だって一匹や二匹ではないでしょう? 鬼ヶ島という鬼の本拠地に乗り込もうとしているんですから三匹じゃ少ないと思いませんか!?」

犬犬「……えっ、そこ? 犬、猿、雉の選び方がおかしいとかじゃなくて、数の問題?」

黒猫猫「大将は桃太郎一人でいいと思うんですけど、その他が、犬、猿、雉が一匹づつってもう戦いを舐めているとしか思えないわけですよ」

犬犬「いや、でも犬、猿、雉だって意外と強いかもしれませんよ?」

黒猫猫「いやいや! 鬼は一匹じゃないんですよ? 島なんですよ? 鬼ヶ島! 下手したら相手はその島の住民全員かもしれない! それを桃太郎入れて、四人パーティとか、ドラクエじゃないんだから!」

犬犬「桃太郎一行を見てパーティとか言う人にはじめて合いました」

黒猫猫「そもそも鬼とは、その島一つを支配している武装集団であり、周辺地域にも影響を与えるだけの武力を持っているわけです。その集落全員が戦闘員じゃなかったとしても、かなりの戦力を持っていると考えられるでしょ!? それを桃太郎withアニマルズだけでどうにかなるとは思えない!」

犬犬「桃太郎側は何かのユニットみたいになっているけど」

黒猫猫「なので子供の教育のためにも、ここはしっかり改善するべきだと思いますね!」

犬犬「改善ですか?」

黒猫猫「そうです! 犬、猿、雉はもっとたくさんいるべきだと思います。相手は凶悪で、強くて、怖い鬼なんですから!」

犬犬「まあ、そうかなぁ? で、どれくらい居たらいいの?」

黒猫猫「鬼ヶ島に鬼が500匹いるとして、そのうちの武装した鬼が100くらいだとします」

犬犬「あ、鬼の数から考えるのね、これは時間がかかりそうだ」

黒猫猫「で、100の鬼をそれぞれの担当に分けて計算すると、犬、猿、雉が各100匹づつ必要だと思うわけです」

犬犬「各100!? それどういう計算なの?」

黒猫猫「まず、100匹の鬼をそれぞれが分担して攻略するので四分割。なので各担当は25体の鬼を退治しなくてはいけない。鬼一匹に対して最低でも犬4匹はいると思うから犬が100匹。これが猿、雉も同じ計算で100匹づつ。桃太郎プラス動物300匹の桃太郎軍団の完成だ!」

犬犬「っていうか、えっ? この計算だと鬼一体倒すのに犬でも、猿でも、雉でも四匹いるの? それなのに、桃太郎は一人で25体も倒せる計算!? ちょ、桃太郎強すぎじゃない?」

黒猫猫「主人公補正です」

犬犬「補正入っちゃってるんだ、リアルに考えようとしているのに補正入れちゃうんだ。でもさ、そんだけいるときびだんごを支給するが大変だし、鬼ヶ島に行くのも大変。そもそも各100匹も動物を用意できる?」

黒猫猫「猿は猿の群れをまるまるスカウト。ボスを手なづけて説得して仲間に引き込む」

犬犬「それ小猿とかも入っているでしょ? 戦力にならないの入っているよ?」

黒猫猫「一つの群れでは足りないから、いくつかの群れを引き連れる必要があるわね!」

犬犬「それだけで争いが起きそうなんだけど、ボス同士のケンカとか手がつけれない」

黒猫猫「ここでまず第一の試練。桃太郎の人間力が試されるってわけよ」

犬犬「いや、桃太郎にそんなエピソードないんだけど? 桃太郎は単身猿山に乗り込み、三つ巴の勢力をまとめ上げたみたいな話とか入れると面倒くさいよ?」

黒猫猫「犬は当然野犬の群れをスカウト! 熊殺しとかの訓練を受けた犬とかいたら最高なんだけど」

犬犬「野犬が訓練受けているかな? っていうか、犬100匹もかなりのもんよ?」

黒猫猫「やっぱりいくつかの群れを引き込む必要があるわね!」

犬犬「いやボス同士のケンカとか、縄張り争いとかあるし、それに犬猿の仲って言葉知っている?」

黒猫猫「統括する桃太郎の人間的な魅力が欠かせないわね。カリスマ性ってやつ?」

犬犬「桃太郎のハードルが上がっていくばかりだなぁ」

黒猫猫「そして、問題は雉だと思うのよ」

犬犬「猿犬の問題はクリアされているみたいな雰囲気出しているけど、今のところ問題しかないよ?」

黒猫猫「雉の群れはそもそも大所帯ではないわ。つまり100羽集めるのがすごく大変!」

犬犬「雉100羽とかすごくうるさそう、そのうえまとまりがなさそう」

黒猫猫「わかるわ、その何をするかわからないところが雉の恐ろしいところよね。桃太郎軍団の秘密兵器はやっぱり雉ね!」

犬犬「何を一人でわかっちゃっているのかわからないけど、雉は秘密兵器というより、一番目立つ存在になっていそうだよ。飛ぶしうるさいしで」

黒猫猫「秘密兵器の雉100匹をまとめるのは至難の技ね。これはもう桃太郎の臨機応変の対応力が求められそう!」

犬犬「対応力でどうになる? すでに猿犬が200匹いるのに!?」

黒猫猫「冷静に考えると頭の痛い問題は、もう一つ浮かび上がってくるわね」

犬犬「本当に一つしか浮かんでこない? マジで?」

黒猫猫「それはこの桃太郎軍団をどうやって全員鬼ヶ島に運ぶか? どう上陸させるか?」

犬犬「確かに頭が痛いね。まず犬猿雉の集団は分けて船に乗せたい。でも待てよ? もしかして桃太郎しか船を操縦できないんじゃないだろうか? だとすると船を何隻も用意して一気に行くのは無理?」

黒猫猫「巨大な船を用意するしかないわね。桃太郎一行は戦艦で鬼ヶ島に突撃よ! 船長は当然桃太郎、船員は犬と猿。雉は船のまわりを飛んでいく」

犬犬「秘密兵器の雉が一番最初に発見されそうですけど?」

黒猫猫「こうして鬼ヶ島に全員で上陸して、一気に鬼退治を開始するわけ! 鬼は巨大で、怖くて、凶悪だから一筋縄ではいかないわ! きっと苦戦必至の大決戦! ここのところが絵本の桃太郎では端折られているのも納得いかない」

犬犬「絵本でバトルシーンは書かないでしょ? それは少年誌になってから」

黒猫猫「行ったら勝てました! そんな安易なことでいいの? そんな風に子供に教えてしまっていいのかしら?」

犬犬「じゃあ、どうしろと?」

黒猫猫「そうね、やっぱりバトルシーンは印象に残る展開が必要だと思う?」

犬犬「印象に残るシーン?」

黒猫猫「鬼ヶ島東の砦を守る鬼の将軍赤鬼を犬達はついに追い詰めた。犬組棟梁犬右衛門の背後では、今もまだ東砦の鬼達と部下の犬達との抗争が続いているが情勢は犬優勢。時を待たずして、他の犬達もここに駆けつけるに違いない……」

犬犬「何なに? 急にはじめてるけど?」

黒猫猫「『赤鬼、覚悟するんだな。もう逃げ場はないぞ』犬右衛門が唸り声をあげる。しかし、赤鬼は特別動じる様子もなく、自身の身の丈はあろうかと思われる巨大な金棒を構えた。威風堂々とした敵将のその姿に、その場にいた犬達は数匹はすっかり飲み込まれ、無意識のうちにしっぽを丸めなければならなかった。」

犬犬「赤鬼すごい強そうじゃん」

黒猫猫「三つの群れが一つになった犬組を率いる熊殺しの犬右衛門もこれほど強大な敵を相手にしたことはない」

犬犬「犬右衛門、熊殺しなの!? その設定好きだね!?」

黒猫猫「犬右衛門は鬼ヶ島上陸作戦の時に倒れた猿組棟梁猿彦のことを思い出していた。奴とは文字通り犬猿の仲。大将桃太郎という存在がなければ、肩を並べて戦うなど想像することもできなかっただろう。もちろん、猿彦が犬右衛門を身を挺して守るなどと誰が思ったことか……」

犬犬「いや、それっぽい展開を作っていくのはいいんだけど、それ、まだ続くの?」

黒猫猫「そうね。東砦攻略の犬右衛門編、西砦侵攻の猿吉編、南砦平定の雉松編、そして最後に本城決戦の桃太郎編とあるけど」

犬犬「いや、長いわ! 子供に聞かせるには長すぎる! 寝る時に読み聞かせても一回で終わらないでしょ!?」

黒猫猫「確かに、メインのストーリーに犬猿雉の各エピソード、それにそれぞれ100匹のキャラの掘り下げを考えると少し量が多すぎるかしら……?」

犬犬「それぞれ100匹って? 300匹分のエピソード入れるつもりなの? 長い長い! 子供が飽きて寝ちゃうよ!」

黒猫猫「あ、そうだ! 話のテンポをあげるために少しカットすればいいのか」

犬犬「どこを短くするの?」

黒猫猫「犬猿雉の数が多いから減らせばいいわね。たくさんいると絵にするのも大変だし、一匹にまとめてしまう」

犬犬「え、いいの? こだわりの部分なのに?」

黒猫猫「つまりこう書くわけ、犬猿雉(本当は100匹づついます)で、鬼も(100体います)ってね。それでエピソードも端折って作れば短くまとめられるわ。具体的には、犬猿雉のエピソードは外伝っていう風にすればいいわね」

犬犬「なるほど、それならメインの鬼退治だけのストーリーになるねって、それもう普通の桃太郎だろうよ! もういいよ!」