
ゆっくりと堂内を巡る赤鬼と青鬼=8日午後、兵庫県加古川市
聖徳太子ゆかりの鶴林寺(兵庫県加古川市)で、昨年の悪行を反省し新年の無病息災を願う「修正会(しゅしょうえ)」が行われた。1000年以上続く正月の伝統行事で鬼追いとも呼ばれ、国宝の本堂で暴れまわる鬼を参詣者が「ドイヤショー」と掛け声をかけ追い払った。
同寺での鬼追いの由来を伝える謡曲「安田吉道(よしみち)」の奉納や法要に続き、子供たちが扮(ふん)した子鬼が登場。手にしたつえでリズムを刻むと、右手にたいまつ、左手におのを持った赤鬼と、矛を担いだ青鬼が現れた。しこを踏むようにゆっくりと堂内を巡る鬼たちは、時折参拝者の中に飛び込んで大暴れ。鬼に近づかれて驚いた子供は大きな声を出して泣いていた。
悪行をつくす鬼に対して、参詣者が声を合わせて「ドイヤショー」と唱えると、鬼たちは後ずさりして退散。最後に厄に見立ててつり下げられた大きな丸餅を、鬼たちがつえで突いて厄を落とした。
仏前にともされた12個の灯明による各月の天候や、赤い紙で巻いた竹に白い紙の花をつけた「鬼の花」による作柄の占いも行われた。法要を行った鶴林寺輪番・吉田実盛(真光院住職)さんは「7月と9、10月の天候は悪いが、豊作だとの占いだった。今年の豊作に加え、皆さんに災いが無いことを願って法要を行った」と話した。【もぎたて便】